亜硫酸塩とワイン
亜硫塩酸については既に様々な所で語り尽くされている感じもしますがDECANTERに興味深いコラムがあったのでご紹介します。
Sulfites in Wine : Friend or Foe?
SulfitesはSO2や亜硫酸塩とも呼ばれている日本では酸化防止剤と書かれているもの(以後、Sulfitesと記載)。著者はサイモン・ウルフ氏。ニュートラルな記事が書かれているので参考になります。
要約するとSulfitesの添加に関しては従来の生産者と自然派と呼ばれる生産者で立場が2極化していること。
ワインに添加されているSulfitesは一部のドライフルーツよりも大幅に少なく、このドライフルーツでさえも喘息の人に副作用を及ぼすケースは1%と非常にレアなのに一般的には不当な非難をされているということ。
健康へのリスクも非常に少なく、Sulfitesが持つ酸化を遅らせ有害なバクテリアを遠ざける有用性を排してまでなぜ自然派と呼ばれる生産者はSulfitesを避けるのかと言うとSulfitesは畑やヴィンテージの個性を表現する繊細なニュアンスを阻害するからとのこと。
しかしやはりSulfites無添加は細菌または微生物の繁殖リスクが大幅に高まってしまう。その為Sulfitesを加えずにワイン造りを行う事は綱渡りであることに疑いはなく、成功を収めるのは相当な経験を積んでいる生産者に偏る傾向があること。
そういった一部のワインは私たちを驚かせてくれるだろうとのことです。
フランス・ワインではSans SoufreとかSans Sulfitesとラベルに記載されていますね。基本的に醸造段階で亜硫酸塩は自然に発生する為、こういった表記のあるものは一切入っていないのではなく人工的に加えていませんということになります。
ちなみに当店で取り扱いがある亜硫酸塩無添加ワインを造っている生産者は
です。ガヌヴァは一部のアイテムを除いて亜硫酸塩無添加という恐ろしいことをやっています。それでいて自然派を嫌う人たちが嫌がる要素を一切感じさせないとは流石ジュラの鬼才。ネゴシアンものも上質でジュラの試飲会で大好評でした!
毎年美味しいボジョレー・ヌーヴォーを日本だけに届けてくれるジュリアン・スニエ(ボジョレーの名義は弟アントワーヌ・スニエですが兄弟合作です。)スニエのものはSans Soufreとアイテム名に入っているのがそうですね。通常キュヴェも素晴らしい出来映えです。