アツコ・ラドクリフさん来店セミナー概要
昨日はスモール・フォレストの当主アツコ・ラドクリフさんの来店試飲販売会でした。
(アツコ・ラドクリフさん)
来店できなかった方の為に少しだけ概要を掲載します。
スモール・フォレストはニュー・サウス・ウェールズ州ハンター・ヴァレーのアッパー・ハンター・ヴァレーに位置しています。
1999年よりアッパー・ハンターに住んでいたのに加えてアッパー・ハンター・ヴァレーのポテンシャルからこの地でワイン造りを行う事を決意。鉱山と農業の共存といった前例のない試みに感銘を受け、鉱山会社のオーナーが所有する畑を借りてワイン造りを行っています。
2014年がファースト・ヴィンテージだったものの、山火事が発生、被害を抑える為に収穫期にバック・バーニングを行ったことから煙の影響により、ブドウの収穫は中止されました。その為、ファースト・ヴィンテージは同じニュー・サウス・ウェールズ州にあるオレンジの畑のブドウを購入して造っています。2015年はアッパー・ハンターのブドウが無事収穫できたのでオレンジのワインを楽しめるのは最初で最後かもしれません。
昨日試飲したのは4種類
2015 Upper Hunter Valley Verdelho
ハンター・ヴァレーで長い歴史を持つポルトガルの品種ヴェルデーリョ(オーストラリアではヴァデーロ)。これだけ2015年ヴィンテージでアッパー・ハンターのブドウを使用しています。2015年は収穫前に急に糖度が上昇したのと雨の予報が出た事から収穫が非常に短かった年とのことです。急に糖度が上がった事から若干アルコールが高めですが、それよりも大手にはワインのアルコールを下げる設備も有るとの事に驚きました。
2014 Orange Chardonnay
こちらはオレンジで取れたシャルドネ。標高1000mの畑、冷涼なオレンジらしく繊細かつ軽やかながらも複雑でバランスの取れた味わいで新樽は10%しか使用していません。
生産量は2300本程。
2014 Orange Shiraz Rose
昨日は“ロゼに市民権を”とおっしゃっていたように完成度の高いロゼ。昨日の試飲会では一番人気のワインでした。
2014 Orange Shiraz
同じくオレンジのシラー。冷涼な地域の為、バロッサに代表される一般的なオーストラリアのシラーズとはキャラクターが異なります。力強くオーキーでリッチな味わいのバロッサに対してオレンジのシラーズは軽やか、エレガントで近づきやすいですが熟成のポテンシャルも秘めたワインが出来上がります。
アツコ・ラドクリフさんは一貫して果実味、果実香が全面に出た、香り、味、厚み、テクスチャーやストラクチャーのある食事に合うワイン造りを行っているそうで、健全で安全な発酵を心がけ、綺麗なワインを造りたいとの考えでした。
しかしニュージーランド、アタマイの小山さんといいアツコ・ラドクリフさんといい流石に話が分かりやすいです。
生産者ごとに考え方が異なり、ワインのスタイルも異なるので生産者のお話を伺えるだけで非常に勉強になりますね。
ありがとうございました。
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