南アフリカワインのトレンド予測 2016
Moneywebという南アフリカの投資情報サイトに2016年1月6日に「南アフリカワインのトレンド2016」という記事が掲載されていました。投資情報ソースで話題になるということは、それだけ南アワインは、今が買い時で、やっぱり将来有望ということ?!になるのでしょうか?ざっとご紹介致します。
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南アフリカのワイン産業は、現在その歴史の中で最も刺激的な過程にいます。
全体的なワインの品質は、この5年で劇的に向上しました。消費者は今、多くの生産者の多様な種類とスタイルのワインからどれを選ぼうかと選択に困るくらいです。通貨のランドが弱いことが、ワイナリーにとってはある意味優位になりました。南アフリカのワインは輸出市場で非常に注目され、多くの投資がされ、品質はさらに向上し、ますます利益をあげています。
【2016年の予測】
◎南アフリカのプレミアムワインの価格の上昇
需要の二桁増加による国内供給の減少。ランドが安定しない間、この傾向は続きます。南アのプレミアムクラスのワインの海外需要の伸びは最高記録をつけています。生産者が輸出市場からの引きを無視することは難しいでしょう。南アフリカの国内の高級ワイン市場はまだ未開発のため、国内割当が少なくなることが予想されます。輸出市場と同等にするためには生産者は価格をあげざるをえないでしょう。
◎ワイン市場の分割
贅沢な高級ワインとただのアルコール飲料の価格差が広がります。南アの高級ワインとそうでないワインの価格差は他の国と比べてまだまだ少ないと言えます。高級ワインは、弱い不安定な経済にほとんど影響を受けず、スーパーマーケットワインとは別の市場になります。しばらくは、スーパーマーケットワインの価格は生産者努力のおかげでおそらくそのままだと思われますが、高級ワインは高いインフレが起こり、消費者は苦しむことになります。
◎最高のヴィンテージの登場
エルニーニョと気候の変化により、世界中のワイン産地がヴィンテージバリエションを持つようになりました。2015年は、記録的に収穫が早くなりました、2016もおそらく同じと思われます。「毎年が良い年」はもう通用しません。とくに、プレミアムワインの消費者は、ヴィンテージごとの違いをよく理解しています。近年では2009年、2012年がケープのグッドヴィンテージでした。2015年はそれよりすばらしいと予想されています。乾燥した年で、素晴らしい酸味を伴う健康なぶどうが収穫できました。初期段階のタンクやバレルサンプルにおいて、2015年は低めのアルコールながらリッチできめ細かなテクスチャーがあり、生き生きとしたピュアな果実味を持つヴィンテージになるだろうと予測されています。2015年が市場に表れたとき、これまで最高のヴィンテージであることが証明されるでしょう。
◎軽めの赤ワインのニューウェーブに注目、特にサンソー
世界的なワインのトレンドになりつつある「軽めの赤ワイン」は、南アフリカでも成功しています。15%以上のアルコールを含み、強めに抽出され、新樽100%で熟成した赤ワインは、少しずつ支持を失っています。情報通の賢い消費者は、低アルコールで土地の個性を表現したフレッシュなワインを探しています。
軽めの赤は、広くいろいろなシチュエーションで飲むことができ、南アフリカの温暖な気候や食事により合わせやすい特徴があります。多くのこういったワインには、今まで南アフリカのワイン産業から忘れ去られていたサンソーが使われています。サンソーの洗練されたアロマ、味わいの深み、飲み心地のよさが注目されています。ワインメーカーはそれ以外にもガメイ、グルナッシュ、シラー、ピノ・ノワールで、より軽やかなワスタイルのワインを造っています。醸造においては、セラーでの干渉は控えめで、より自然な方法が取られています。
すでに、2015年のこのスタイルの優れた赤ワインは市場で成功を得ており、人気がでています。(例)ラドフォード・デール、テスタロンガ・エル・バンディート・メイド・フロム・グレープ、アルヘイトのフロットサム・ジェットサムなど。
市場のこれらの変化に適応する気持ちがない、またはそれについて知らない生産者はゆっくりと市場からシェアを減らしていくでしょう。
(写真は、「エレメンタル・ボブ」シラーズ、ピノ、バルベーラなどを独自にブレンドさせている、ナチュラル系ワイン生産者)
◎ヴィンテージ・ワインと投資市場
南アフリカワインが注目され、高値をつけてくるにつけて、過去の偉大なワインへの関心も高まってきました。80年代、90年代、2000年初期のワインのほとんどは優雅に熟成しませんでしたが、60年代、70年代の希少なワインが大きな賞賛を受けています。
GS(ジョージ・スピアーズ)カベルネソーヴィニヨン1966が国際的な批評家ジャンシス・ロビンソンから満点の20/20を獲得し、現在GSは南アフリカワインの記録的な価格上昇を成し遂げています。同様に古いヴィンテージのLanzerac, Zonnebloem and Nederburgの需要も高まり、高価になってきています。また、80年代から90年代に有名になりはじめた第1級格付けのヴィンテージ・ワインの価値が上がっています。キャノンコップ、クレイン・コンスタンシア、ミヤルストは、海外の関心を集め、確実に価格が上昇しています。
現在の主要なワイナリーであるサディ・ファミリー、マリヌー、ブーケンハーツクルーフ、アルヘイトは、大きな投資利益を得られる可能性があります。
ランドの状況を考えると、これらのワインは、国際的は評価と比較して、現在安すぎる状況だからです。
◎マイナー品種への支持者増加
南アフリカのワイン産業は、はじめにフランスやドイツをモデルとして、ヨーロッパの伝統的な品種を植えたので、気候と土壌に最適ではなかった可能性があります。国際的に注目が高まっている冒険的な生産者は、異なるスタイルと味わいを提供する多数の面白い品種に挑戦しはじめています。
クラレット・ブランシュ、マルサンヌ、ルーサンヌ、アルバリーニョがショップの棚とオンライン上に姿を表すと期待されています。
おそらく古木のコロンバールが、シュナン・ブラン革命が起きたのと同じよう注目されるでしょう。
赤においては、カリニャン、ムールヴェードル、グルナッシュ、テンプラニーリョに期待大です。古木のサンソーもより重要な品種となるでしょう。
しかしながら、4つの主要品種、シラー、カベルネ、シュナン・ブラン、シャルドネは、南アフリカのプレミアムワインを安定して生産し続けるでしょう。
◎乾燥地域の水資源の重要性の高まり
干ばつはまだワイン産業に劇的は影響を与えてはいません。しかし、ケープの一部の地域では、年間雨量が半分になり、灌漑設備のないワイナリーは、2016年の収量を劇的に落としました。水の管理はますます重要になるでしょう。品質と適正な量を確保するために、セラーより畑への関心が必要となります。
低い収量で安い価格のブドウを作っていた栽培家は、他の農業経営を考えるよう強制されるかもしれません。
◎イーコマース
ワインは、重いしかさばるので、誰かに配達してもらおうと思いませんか?
消費者がオンラインで物を購入することに信頼を持ち、ロジスティックとサービスのレベルが良くなれば、プレミアムワインはもっとオンラインで売られるようになるでしょう。
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これを読んだら、自分のセラーにもうちょっとストックしたくなってきました。
特に次の4つが気になりますね〜
1)南アのプレミアムワインの海外需要は伸び、価格は上がる(特に南ア国内)
2)著名ワイナリーンのオールドヴィンテージへの需要が高まる
3)2015年はグレート・イヤー(2012と2009もよかった)
4)軽めの赤ワインとマイナー品種が面白い(サンソーが期待大)
※サンソーは、古木も多く存在し、サディだけでなくラールやアルヘイトも造っているので非常に気になります。多分各200本ずつとかでしょうが。。。
格付け1級と2級のワインは、この際数本ずつ個人的に購入したいところですが財政的な事情により何を買おうか非常に迷っています。
お店のワインが不良在庫として売れ残っても困るのですが、自分の分がなくなるのも困る、ヴィンテージ2014もとてもよかったけど、2015も多めに買わないといけないな、などなどスタッフ皆思いはじめています。真剣です。。
2016年の南アフリカワインも、目を離すスキがありませんね〜