ステレンボッシュのワイン〜クラヴァン・ワインのぶどう畑
クラヴァンの紹介の前に、、
ステレンボッシュのシモンズバーグで大きな山火事が起きたというニュースをツイッターで知りました。19日の朝から山火事ははじまり、トカラやラステンバーグなどの有名なワイナリーがかなりぶどう畑に被害を受けたようです。ラールが委託醸造しているヒュールバーグもヴィオニエの畑を少し影響があった、とのこと。約2000エーカーの土地が損害を受け、懸命な消火活動が行なわれていますが、まだ火は完全には収まってないのようです。
主にフィンボスというケープ特有のハーブが燃えたと書かれていました。乾燥した暑い気候と風は野生の火事を起こしやすく、ケープでは一般的な自然災害の一つに数えられます。先週もエルギンで火災があったようです。
ツイッターで#simonsbergと検索すると様子が少しわかります。
被害がこれ以上大きくならないように祈るしかないですね。
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本題のステレンボッシュのワインです。
南アのナチュラル系ワイン生産者クラヴァン・ワインのHPが完成していました。
「低めのアルコールなのになぜか味わいが深い」というのが彼のワインの印象です。
こういったスタイルのワインは、素材をシンプルにいかした食事ととても相性がよく、特に南アのワインは土壌由来のミネラリティがあるため、魚介類と反発しないので和食もすんなり受け入れてくれます。。
まだ畑を見に行ったことはないのですが、ちょうどHPに畑とワインの詳細が掲載されていたのでご紹介します。
(写真はそこから拝借しています)
Craven Wines Stellenbosch Clairette blanche 2014
クラヴァン・ワインズ W.O. ステレンボッシュ・クラレット・ブランシュ
土壌は、より砂質の風化した花崗岩。ユニークな畑です。ぶどうは、もうほとんど使われことのない「トレイントラック法」というワイヤー1本で仕立る方法で、植えられています。ステレンボッシュのクレレットにおいて他ではみることはない珍しい畑でそれが唯一無二の個性を生み出しています。
クレレットは、南仏やラングドック地方で広く植えられている品種で、南アでは主にブレンドに用いられています。263haと栽培面積はあまり多くはありません。特徴のうすいぶどう品種という印象の方も多いと思います。
クラヴァン・ワインでは、35から40年の古木のクレレットを、全房でつぶして発酵させ、半分を2週間スキンコンタクトさせることによって、クレレットを果実味とミネラル感のあるワインに仕上げています。アロマはやや控えめです。ちょっとワックスっぽい雰囲気がありますが、11%のアルコールとは思えないほどの味わいの深みとテクスチャーを持つのが特徴です。ライムや青リンゴのような果実味と、塩っぽい、ミネラル感があります。
Craven Wines W.O. Stellenbosch Pinot Gris
クラヴァン・ワインズ W.O. ステレンボッシュ・ピノ・グリ
土壌は、砂利、砂とコーヒーストーンの塊。ステレンボッシュに対して東斜面にあります。2005年に植えられた若い区画ですが、すでにすばらしいバランスを示しています。非常に早く成熟する区画です。収穫は最も早く通常1月です。
ピノグリは、ステレンボッシュに広く栽培されているぶどう品種ではありません。一般的には、白ワイン用のぶどうなので、白ぶどうであると思われていますが、実際はやや赤みかかったロゼから茶色の皮を持っています。彼らは、せっかくのこの色を使わないわけにはいかないと思ったので、果皮とともに発酵させました。ぶどうは手摘みで収穫され、除梗し、開放型の発酵タンクで発酵させます。発酵中は、できるだけやさしくポンプオーバーさせて果汁を循環させます。これによって、ワインは赤褐色のきれいな色になります。ワインはプレスされて、古い樽で熟成させます。2014年は9日間スキンコンタクトをしました。
Craven Wines W.O. Stellenbosch Faure Vineyards Pinot Noir 2014
クラヴァン・ワインズ W.O. ステレンボッシュ・ファーレ・ヴィンヤーズ・ピノ・ノワール
土壌は、風化した花崗岩とサブソイルに粘土を持つ砂です。この区画は、フォールス湾から4キロ離れた南西斜面に位置しており、ステレンボッシュのなかでおそらく最も涼しい場所です。ぶどうは、1998年に植えられた比較的収量の低いクローン115。ぶどうはやや早めに収穫しています。
アルコールは10.9%ですが、口のなかでのボリュームはそれよりはるかに多く感じられます。赤いチェリー、スパイス、ブラックオリーブのアロマがあります。ミディアムボディーで魅力的な果実味、しっかりとした酸味、細かなタンニンをバランスよく備えています。100%全房発酵ですが、果梗の印象はわずかしか感じられません。典型的なピノ、という感じではないかもしれませんが、すーっと入って飲み疲れしないおいしさがあります。
Craven Wines W.O. Stellenbosch Faure Vineyards Syrah 2014
クラヴァン・ワインズ W.O. ステレンボッシュ・ファーレ・ヴィンヤーズ・シラー
非常に岩の多い土壌で、花崗岩、クォーツ、頁岩があちこちにあります。畑は、ヘルダーバーグマウンテンの東に面しており、海から3キロの距離のため、生育期の午後に絶えず涼しい海風が吹きます。ぶどうの木は1995年に植えられました。
クラヴァン夫妻二人ともシラーが大好きで、ステレンボッシュには、シラーを植えるのに本当に特別でユニークな場所があると思っています。将来的にはもっとシラーを造りたいという希望があります。彼らの最初のシラーは、ファール地域の非常にピノ・ノワールに近い場所のぶどうを使いました。他の赤ワインと同じように、全房発酵させています。2014年は、ステンレスの開放タンクで100%全房を使用しました。彼らは抽出を強くしたくないのと同時に、できるだけ全房を使いたいので、ポンプオーバーは非常にやさしく行なっています。2014年は、13日間のスキンコンタクトのあとにプレスされ、古樽で10ヶ月発酵させました。
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ステレンボッシュは、ボルドータイプの赤ワインの産地というイメージが強く、ピノ・ノワールのような冷涼な気候を好むぶどうには、向かないのでは?と思っておりましたが、クラヴァンのワインには、いわゆる暖かい産地の味わいは皆無です。シラーも非常に冷涼な酸味となめらかな質感のエレガントなシラーでした。ピノグリのオレンジワインといい、今非常に旬なワイナリーの一つだと思います。生産本数はあまり多くないので、在庫があるうちにぜひお試し下さいね。