フランス旅行その5北ローヌ、ドメーヌ・アラン・ヴォージュ編
今日はフランス訪問記に戻ります。
北ローヌ編は今日で最終回です。
ドメーヌ・レミ・ニエロを出発して次の街コルナスを目指します。
下道でのんびり向かいましたが途中ずっとサン・ジョセフの畑。長い。ひたすらサン・ジョセフ。途中で飽きてきます。ここまで長いとそりゃ品質に差が出るわなー。ブルゴーニュってそう考えると細かく設定されていてやっぱり凄いなーとかまた無駄な事を考え始めました。
街に入りワインショップを見かけたので、立ち寄ってみると物凄く元気なおっちゃんが相手してくれました。まー喋る、喋る。聞いてないのにずっと喋る。
シャトー・シモーヌとアントワーヌ・アレナの良さをずっと語ってくれましたが、別に日本人はローヌ地方でプロヴァンス地方とコルシカ島のワインの良さとか聞きたくないです。ローヌ地方の面白いワイン教えてください。(笑)
でも面白い人だったのでコルナスのオススメとその他適当にオススメして貰い結局5本購入。
おっちゃんの話が長かったので訪問時間ぎりぎりになりましたが、なんとか目的のドメーヌに到着。
という訳で北ローヌ最後はこちら。
Domaine Alain Voge
コルナスを代表する生産者の一人アラン・ヴォージュ。日本ではコルナスと言えばティエリー・アルマンとオーギュスト・クラープが有名ですがその二人と肩を並べる生産者です。日本の正規代理店はずっと無いと思っていましたがアラン・ヴォージュによると取引先が有るとの事。輸入元さんのHPにも載っていないじゃないか。本数が少ないから載せていないのかな。どこに卸しているんだろう。欲しいです。
今回は収穫真っ最中にも関わらず訪問を許可してくれました。しかも醸造責任者直々の案内まで。
醸造責任者のアルブリックさん。気さくな人でした。
まずは試飲から。
また写真わす・・・。
Saint-Péray Les Bulles d’Alain
サン・ペレのスパークリング初めて見ました。しかもアラン・ヴォージュ造っているんですね。
アプリコット、柑橘類にサンザシなどの花のフローラルなアロマ。フレッシュかつ繊細なスパークリングできめ細かな泡。アペリティフに最高。美味しい。
2015 Saint-Péray Harmonie
白桃、蜂蜜の力強いアロマ。粘性は中庸で味わいはピュア。サン・ペレらしいふくよかさをほろ苦いアフターが引き締めます。
2014 Saint-Péray Terres Boisées
より複雑かつ強固なサン・ペレ。サン・ペレってストラクチャーありましたっけ?
サン・ペレが分からなくなりました。でも凄く美味しい。
2014 Saint-Péray Fleur de Crussol
これ凄い!!なんだこれ。サン・ペレって若いうちから飲みやすいから楽で良いわー。とか言っていましたけどこれは熟成ポテンシャル高いです。
先程のテレ・ボワセと方向性は似ていますが、樽のニュアンスが強く、より緻密で余韻が長い、品種は違えどジョルジュ・ヴェルネイのコトー・ド・ヴェルノンのようなキャラクター。しかも価格が安い。これは買いです。
なんでこんなに違うのと聞くと新樽使っているのと寿齢が70年との事。
寿齢ってやっぱり大切なんですね。
2014 Saint Joseph Les Vinsonnes
スミレ、チェリー、カシスなどの華やかなアロマにスパイスのタッチ。口当たりは非常にソフトで今飲んで十分楽しめるミディアム・ボディ。
2014 Cornas Les Chailles
サン・ジョセフよりも凝縮感、ストラクチャーがあり、より黒系果実が際立つアロマ。でもテクスチャーはソフトで今飲んで十分楽しめるフルーティーなコルナス。
2014 Cornas Vieilles Vignes
赤系果実主体のアロマ。まだアロマが上がってきておらず非常にピュアで張りつめたワイン。シャイヨより深遠。でもフルボディと言う程でもなくミディアム・ボディ。
2014年ヴィンテージの赤は全体的にフルーティーでミディアム・ボディに仕上がっていますね。難しい年だったのかな、でも品質は高く飲み頃が早く来そうなので個人的にはありがたいです。
同じく2013年ヴィンテージも飲ませて頂きましたが非常に面白い経験をしました。
2013 Cornas Vieilles Vignes
馬小屋臭。フェノレです。でも別にいやじゃない。むしろ複雑さを提供してくれておりワインのテクスチャーもソフトになっています。
折角生産者にお話を聞く機会なのでこれってブレット(腐敗酵母の1つでブレタノマイセスとも言う。)ですか?と失礼な質問をぶつけてみると、どうやら違うらしい。
フェノレではあるけどブレットが原因じゃないよ。ブレットは嫌いなので厳重にコントロールしているとの事。これは自然酵母由来なんだとのこと。
????
ちょっと文系なので何言っているか分かりません。ようするに今までブレットだと思っていたものもブレットではなく別の原因があってフェノレ(馬小屋臭)のするものがあったということ?
と聞くと同じワインを飲んだ訳じゃないからそんなの分からないよ。ってそりゃそうだ。うーん、でもこれ明らかに他のワインとアロマが違うし、でもイヤじゃないんだよなー。本当のブレットは死ぬ程嫌いですが。うまい具合に複雑になっています。フェノレのアロマも全然果実から浮いてないです。熟成するとより複雑さに変わってくれるよとの事でした。個人的には2014より2013が好きでしたね。
この後はセラーを見せてくれました。フランソワ・フレールやらセガン・モローやら色々な樽が置いてありましたが、現在は使っていないそうです。
良い樽とワインが必ずしもマッチする訳ではないからバランスを考えて使っているようで種類を揃えているのは研究に使っているようです。
セラー見学中。
今日収穫したブドウ。すでにジュースに。
セラーの後は今日収穫したブドウをプレスしたから飲んでみる?と言って生絞りブドウジュースを頂戴しました。
収穫期ならではのイベント。ラッキーです。
2016年は量も質も良かったから頑張らないとと言っていましたが、やっぱり2016年の北ローヌ良いみたいですね。ジョルジュ・ヴェルネイの所の方も良いと言っていましたしこれは期待が出来ます。ブドウジュースは美味しゅうございました。
最後にうちのショップに85と95のコルナスあるけどどうですか?と尋ねると、良く残ってるね。楽しめるよとのお答えを頂戴しました。おー、さすが。飲める方が羨ましいです。
色々為になるお話も聞けましたし、コルナスの区画図も貰えて大満足の訪問になりました。
サン・ペレのスパークリング、フルール・ド・クリュソル、コルナスを購入し、最後はアラン・ヴォージュ氏に写真をお願いしてドメーヌを後にしました。
本当に勉強になりました。ありがとうございました。
やっぱり美味しかったです。
Domaine Alain Voge のワインはこちらから。
ドメーヌを出た後はコルナスを俯瞰。
あ、ブドウ結構良さそう。
2016年も楽しみですね。
帰りはエルミタージュの丘の方向から畑を見ながらリヨンへと。
ちなみにフランスに到着して2日目で既に14本購入。やばいです。