Austria

オーストリア





成長を続ける小国

オーストリアはドイツ、イタリア、スイスなど7カ国に隣接しており、国土面積は北海道と同程度の小国です。更に国土の47%を森林が占めており、ヨーロッパで最も森林の多い国です。そんなオーストリアのブドウの栽培面積は5万2000haでフランスの銘醸ワイン生産地であるブルゴーニュより少し大きい程度で生産量は世界全体の1%程しかありません。


スキャンダルを糧に

そんな極少量の生産量ながら、この10年で急激に評価が上がり、世界はもとより日本のレストランやワインショップでも見かける機会が増えてきています。その秘密は圧倒的な品質重視の造り。1985年に起こしたオーストリアワインを失墜させるスキャンダルの結果、自浄作用として厳しいワイン法が設けられ、オーストリアワインで力を持っていた旧世代は世界中のワイナリーで研>修、修行を行った新世代生産者たちにとって変わられました。量より質を重んじる新世代生産者たちは今までのオーストリアワインのイメージを一新させることに成功し、高い評価を獲得しました。


世界唯一、首都にある商業的ワイン産地

オーストリアのワイン産地は国土の東部に集中。最大の産地ニーダーエスタリッヒ、ブルゲンランド、そして首都ウィーンを含む19の産地でワイン作りが行われています。緯度はブルゴーニュのコート・ド・ニュイと同じですが、パノニア気候の影響によりブルゴーニュに比べて寒暖の差が激しいのが特徴です。


ゲミシュター・サッツ

オーストリアではイタリアと同じく土着品種が多く栽培されていますが、その中で最も有名なブドウはグリューナー・フェルトリナー。この品種だけで全体の栽培面積の3分の1を占めています。他の白ワインで全体の3分の2を占めていますが、ツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュを筆頭に赤ワインのシェアが急増しています。首都ウィーンで造られているゲミシュター・サッツ(混 植・混醸)もまたオーストラリアを代表するワインです。同じ区画の畑に複数のブドウを植え、それを同時に収穫、醸造を行う手法で、オーストリア以外だとフランス・アルザスのマルセル・ダイスが有名。ゲミシュター・サッツは19世紀以前、ヨーロッパでフィロキセラが大量発生する前までは近代ヨーロッパでは主要な生産方法でしたが、それ以降はブルゴーニュを始めとするモ ノセパージュ(単一品種)で造られるワインに主役の座を奪われてしまいました。近年、フリッツ・ヴィーニンガーを中心としたワイン団体ウィーン・ワインによってゲミシュター・サッツが推進されています。区画ごとにワイン作りを行うため、品種の特徴よりも畑のテロワールが楽しめるワインが出来上がります。


和食との相性抜群

オーストリアワインはブドウ本来の旨味をピュアでクリアに表現したものが多く、ミネラルがしっかりとあり和食との相性も抜群なので、これからも日本市場でますます評価が高まっていくでしょう。