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Château Peybonhomme Les Tours

シャトー・ペイボノム・レ・トゥール

シャトー・ペイボノム・レ・トゥールの写真1 シャトー・ペイボノム・レ・トゥールの写真2 シャトー・ペイボノム・レ・トゥールの写真3
URL https://hubert-vigneron.com/chateau-peybonhomme-les-tours/
設立 1895年
本拠地 Cars(カール)
当主 Famille Hubert(ユベール家)
畑の総面積 60ha
資料提供 Mottox


❦ 詳細・歴史

1895年から続く歴史、景観、自然を守るユベール家
ユベール家でビオディナミを始めたのは、現オーナーのジャン・リュック・ユベール氏ですが、今は次世代を担うギヨームとレイチェルが6代目として醸造にあたります。
父の時代に始めたビオディナミの原理に基づき、人の手ができるだけ介入しないナチュラルなワイン造りを行っています。ユベール家が最も大切にしている畑に、ブライのCars地区の中にある「ポンション・ミディ」と呼ばれる区画があります。古くから極上のメルローができると言われており、代々伝わる畑はワイナリーの宝です。彼らが古くから大切にしているのは畑だけではありません。美しい景観を守ることも大切にしています。ペイボノムのお城の塔(トゥール)からは、ブドウ畑だけでなく、美しい垣根や果樹の「田園風景」が広がります。

約60haの畑を所有しています。シャトーは17世紀に建てられ、お城のような塔からはシャトー全体を見渡すことができます。斜面にあるブドウ畑やジロンド河が広がり、壮観な景色を楽しむことが出来ます。ボルドーの生産者では珍しく90年代の後半から有機栽培やビオディナミの取り組みを開始しました。2003年にはオーガニック(エコセール)とビオディナミ(デメテール)認定を取得しています。

ビオディナミの先駆者は、フランス・ロワール地方の醸造所「ラ・クーレ・ド・セラン(La Coulée de Serrant)」のオーナーでもあるニコラ・ジョリー氏が有名ですが、同氏が2001年に設立した団体、ルネッサンス・デ・アペラシオンのメンバーにシャトー・ペイボノム・レトゥールも2003年から参加しています。この団体にはボルドーからは13件(2021年時点)のワイナリーが加盟しており、ビオディナミ農法を実践。テロワールの個性を活かす、化学物質を使わない等の独自の基準を設け、活動しています。シャトー・ペイボノム・レトゥールではビオディナミ導入後、収量が減りましたが、果皮が厚くアロマの良いブドウが出来ており品種の個性がより感じられるようになりました。



❦ 畑

約60haの畑にはメルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、マルベックが植えられています。さらに、ボルドーの生産者には珍しく、シラーやトウリガ・ナシオナルなどのブドウ品種も栽培を開始しました。ブライ地区は、メルローで造られる赤ワインのイメージがありますが、シャトー・ペイボノム・レ・トゥールでは、白ブドウの区画も4ha所有しており、素晴らしいフィネスがある白ワインを造っています。



❦ 醸造

醸造面では、ピュアなワイン造り、果実味を求め、2014年からはアンフォラの導入を試みました。厳密には、テラコッタと呼ばれる素焼きの容器です。木樽よりも、テラコッタの方が通気性に優れ、タンニンをまろやかに、開いた味わいになると考えています。テラコッタは焼いた時の温度によって、気密性が異なるため、ロゼワインや白ワインには気密性の高い容器を使う事もあります。テラコッタの形も重要な要素の一つで、卵型の容器を採用しています。この形は、すべての生命を作り出すエネルギーの起源です。ワインは、造られる工程で変化、成長する生き物のようであり、角がない環境で中の液体が常に流動し続けることで、香りを開花させると考えています。生産量が少ない為、シャトー・ペイボノム・レトゥールにはまだ導入出来ていませんが、ピュアなワインを造る為の研究を絶えず行っています。