コート・ド・ボーヌ地区はコート・ドールの南側、コート・ド・ニュイ地区の南に位置しています。行政上はブルゴーニュ地域圏のコート・ドール県。ボーヌを中心に南北約25kmに伸びるワイン産地です。コート・ド・ニュイが世界最高峰の赤ワインの銘上産地だとするとコート・ド・ボーヌは世界最高峰の白ワインの銘上産地と言えます。それだけでなく赤ワインでも上質なものが造られており、世界的に知名度、人気の高いコート・ド・ニュイに比べて安価である為お買い得なワイン産地とも言えます。
コート・ド・ボーヌ地区もコート・ド・ニュイ地区と同じようにブドウの完熟を促す暑い夏と乾燥した秋、寒い冬を持つ大陸性気候で南、南東向きの斜面で日照量が豊富に得られます。斜面はコート・ド・ニュイに比べると勾配はなだらかで変化に富んでいます。土壌に多様性があり、多様性に富んだワインが出来上がります。
コート・ド・ニュイと同じく使用される品種はピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ブラン、ピノ・グリで、シャルドネを用いた白ワインが世界的に有名です。アペラシオンで最も高い格付けのグラン・クリュからは白ワインの生産が認められており、唯一コルトンだけが赤ワインを造る事が出来るグラン・クリュになります。グラン・クリュの数は8とコート・ド・ニュイに比べて少ないですが、プルミエ・クリュの数はコート・ド・ニュイより多いです。
コート・ド・ボーヌの村名アペラシオンは北からラドワ、ペルナン・ヴェルジュレス、アロース・コルトン、サヴィニー・レ・ボーヌ、ショレイ・レ・ボーヌ、ボーヌ、ポマール、ヴォルネイ、モンテリー、オーセイ・デュレス、サン・ロマン、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、サン・トーバン、シャサーニュ・モンラッシェ、サントネ、マランジュと続きます。この内グラン・クリュがあるのはラドワ、ペルナン・ヴェルジュレス、アロース・コルトン、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェだけです。コート・ド・ボーヌにはプルミエ・クリュが多いため、プルミエ・クリュの無いのは唯一サン・ロマンだけです。
村名以上のアペラシオンを除くと他にはオート・コート・ド・ボーヌ、コート・ド・ボーヌ、コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュ他ブラニーが挙げられます。ブラニーはピュリニー・モンラッシェとムルソーにまたがるアペラシオンでピノ・ノワールを使った赤ワインが生産されています。