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Domaine Thierry Glantenay

ドメーヌ・ティエリー・グラントネイ

ドメーヌ・ティエリー・グラントネイの写真1 ドメーヌ・ティエリー・グラントネイの写真2 ドメーヌ・ティエリー・グラントネイの写真3
URL
設立
本拠地 Volnay(ヴォルネイ)
当主 Thierry Glantenay(ティエリー・グラントネイ)
畑の総面積 8ha
資料提供 VIVIT


❦ 詳細・歴史

ドメーヌ・グラントネイはヴォルネイで17 世紀から続く家族経営のドメーヌです。現当主ティエリーの祖⽗で、⻑年ヴォルネイ村の村⻑を務めたルイ・グラントネイの代の1950 年代後半からドメーヌ元詰めを始めました。しかし、当時は⽣産量の半分以上をブドウもしくはワインの形でネゴシアンに販売していました。1980 年のルイの死後はベルナール(現当主ティエリーの⽗)がドメーヌを運営しました。その後、2001 年にティエリーがドメーヌに参画。2005 年のベルナールの引退に伴い、ティエリーがドメーヌの当主となりました。ティエリーは1974 年⽣まれ。大学で化学技師の免状を取得した後、ボーヌの醸造学校で醸造と栽培学を修め、その後、シャトーヌフ・デュ・パプのドメーヌ・デュ・ヴュー・テレグラフや南アのボッシェンダルなどで研鑽を積み、27 歳でドメーヌに参画しました。ティエリーがドメーヌの全てを掌握した2005ヴィンテージからドメーヌワインの品質は飛躍的に向上。『ブルゴーニュ・オージョルデュイ』誌は2012VT と2015VT の⼆度に亘りワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選出。さらに、ニール・マーティンもワイン・アドヴォケイト誌で『ブルゴーニュの注目すべき⽣産者ベスト10』に、ティム・アトキンMW は『ブルゴーニュの注目すべき⽣産者トップ25』に、ウィリアム・ケリーも『ブルゴーニュの有望⽣産者トップ5』に選出。ジャンシス・ロビンソンMW もそのワインを高く評価するなど、世界で最も影響力のある評論家やジャーナリスト達から大きな注目を集めるドメーヌへと成⻑しました。


❦ 畑

ドメーヌは現在、ヴォルネイ、ポマール、ピュリニー・モンラッシェの3 つの村に17 区画、合計8 ヘクタールの畑を所有しています。殆どの区画がヴィエイユ・ヴィーニュで、しかもコント・ラフォンやジャン=マルク・ボワイヨ、プス・ドール、リュシアン・ボワイヨといった超一流ドメーヌの区画に隣り合わせる最高の区画を所有しています。
代々受け継いできた素晴らしい畑の平均樹齢は50 年。最高樹齢が95 年に達する区画も存在します。ドメーヌではこの遺産と呼べる貴重なヴィエイユ・ヴィーニュのブドウ木を常に良好な状態で維持・永続させていくために、細心の手間と知恵を傾けて畑を管理しています。最も大切にしていることは、厳格な短小剪定を行って、ブドウ木のバランスを取ることです。というのは、収量過多はブドウ木を疲弊させてしまうからです。剪定方法はギュイヨ式で、収穫時の収量を低く抑える目的とブドウをベト病といったカビ害から守るために非常に厳しい摘芽も行っています。ティエリーは、ヴィエイユ・ヴィーニュに由来する複雑さや凝縮した旨味こそが、ドメーヌのワインを特徴づける個性の一つであると考え、古木を大切に維持・管理しています。


❦ 醸造

収穫したブドウはまず低温マセレーションを施します。その後、AC ブルゴーニュと村名ワインは完全に除梗し、プルミエ・クリュはキュヴェやヴィンテージに応じて20〜30%果梗を残して全房発酵を行います。発酵は野生酵⺟のみで行い、キュヴェに応じて温度管理機能付きのステンレスもしくはセメントのタンクで行います。最初に全房のブドウを容器に入れて、その後、除梗したブドウを加えます。全房発酵は、除梗ブドウ100%での発酵に比べて発酵期間が⻑くなるという特徴があります。これは一部の破砕されていないブドウが圧搾時に潰れて、糖分を放出するためです。このため、アルコール発酵が完全に終了するのは、圧搾後、数日経ってからになります。発酵後、AC ブルゴーニュを含め全てのキュヴェはバリックで熟成されます。村名とプルミエ・クリュはキュヴェに応じて20〜30%の新樽を用います。樽会社はDAMY ダミー社とCADUS カデュス社の2 社のものを併用しています。樽の焼きはミディアムで、一部ミディアム+のものを併用しています。熟成期間は15〜16 ヶ⽉。熟成はシュール・リーの状態で行い、澱引きはアッサンブラージュ前に1 回のみ実施。無清澄、無濾過で瓶詰めします。
ドメーヌ・グラントネイは20 年以上前に発売されたパーカーの『ブルゴーニュ』において、「⽣産量の半分以上をネゴシアンに売ってしまう。元詰めワインの大部分はヨーロッパの特定個人客に売られる。」と記述されていました。ティエリーの参画後は、元詰めワインの⽐率が徐々に増えていますが、それでも4 種類のプルミエ・クリュをネゴシアンに販売しています。1992 年からドミニク・ローランとの取引が始まり、2009 ヴィンテージからはドメーヌのワインの高い品質に感銘を受けたマダム・ルロワともを取引を開始しました。しかも、ドメーヌ・グラントネイはマダム・ルロワとドミニク・ローランから絶大な信頼を受けているため、ワインはすぐには引き渡されずグラントネイのカーヴで6~8 ヶ⽉の熟成を経た後に(収穫翌年の春、マロラクティック発酵を終わってから)引き渡されています。ドメーヌで元詰めされるワインは年間15,000〜20,000 本のみで、それ以外のものはキュヴェに応じて、生産量の6 割からバリック1 樽程度がメゾン・ルロワとドミニク・ローランに売却されています。霜害続いて⽣産量が激減したため、ルロワとの取引は2013 ヴィンテージで止めてしまいましたが、ルロワは今も購入を希望しているそうです。