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Alexandre Chaillon

アレクサンドル・シャイヨン

アレクサンドル・シャイヨンの写真1 アレクサンドル・シャイヨンの写真2 アレクサンドル・シャイヨンの写真3
URL https://www.instagram.com/champagne_alexandrechaillon/?next=%2Fana_vinhateiro%2F&hl=ja
設立 2017年
本拠地 Côteaux Sud d'Épernay(コトー・シュッド・デペルネー)
当主 Alexandre Chaillon(アレクサンドル・シャイヨン)
畑の総面積 1.68ha
資料提供 VIVIT


❦ 詳細・歴史

Alexandre Chaillon アレクサンドル・シャイヨンは学業を修めた後、エンジニアとして働い ていましたが、母方の VOLLEREAUX ヴォルロー家に属するブドウ畑を 2017 年に継承。エン ジニアの仕事を止め、グローワーに転身したネオ・ヴィニュロンです。それまで家族の畑は全て のブドウをネゴシアンや他のドメーヌに売却していたため、醸造所もセラーもありませんでした。 このためアレクサンドルは、全くのゼロからドメーヌを創設しました。醸造所は自宅があるアイ の街中にありますが、ブドウ畑は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌに 6 つあるサブリージョンの 1 つ、 Coteaux Sud d’Epernay コトー・シュッド・デペルネー地区の Pierry ピエリーと Brugny ブリュ ニーの 2 つの村に広がっています。栽培面積は 1.68 ヘクタールで、シャルドネ 0.99ha、ピノ ノワール 0.39ha、ムニエ 0.3ha を栽培しています。土壌は、カンパニアン期とヤプレシアン 期の石灰と泥灰土、粘土です。ドメーヌの畑は、ピエリー村のリューディ『Les Renards レ・ル ナール』と、ブリュニー村のリューディ『Terres de Breux テール・ド・ブルー』の二つのリューディに 分かれています。アレクサンドルは、醸造面ではアヴィ-ズのフランク・ボンヴィルで研鑽。栽 培面では、ローラン・ベナールとヴァンサン・シャルローに触発され、2017 年から直ぐに栽培を ビオロジックに転換しました。畑は 2020 年からビオの認証を受けています。ドメーヌでは毎年 剪定の前に羊を放牧して、雑草を取り除いています。
また、アレクサンドルは 2020 年から 2022 年までの 2 年間、シャンパーニュの若手グロー ワーの利益を代表し擁護するグループ『Le Groupe des Jeunes Vignerons de la Champagne ル・グループ・デ・ジューヌ・ヴィニュロン・ド・ラ・シャンパーニュ』の会長を務めてい ました。このグループの大きな目的は、持続可能な農業と除草剤ゼロの推進です。グループ には、ポール・ゴッセやアントワーヌ・ブヴェ、ロマン・エナン、オーロール・カザノヴァ、アドリアン・ル ノワール、マキシム・ウディエット、オーレリアン・ルメール、マチルド・サヴォイ、アレウサンドル・ラ ンブロ、フラヴィアン・ノワックなどが加盟しています。
アレクサンドルの母の Elizabeth VOLLEREAUX エリザベス・ヴォルローは、長年アイの自
宅で、ターブルドットの宿を営んでいました。コロナによる人手不足から現在はターブルドット
は止めて、ゲストハウスになっていますが、彼女は料理に深い情熱を持ち、お客様をもてなし
ています。 *ターブルドット:家の主人が料理を作り、家族とゲストと一緒に大きなテーブルで食事をしながらもてなすスタイルの宿。
私も 2022 年の秋にドメーヌを訪問した際に、アレクサンドルとともに彼女の手料理のラン チを頂きました。家庭料理の枠を超える、素晴らしい味わいで、ミシュランの星を挙げてもい いような感銘を受けました。


❦ 畑

んなプロの料理人並みの腕前を持つ母に育てられたアレクサンドルは、とても鋭敏な 味覚の持ち主です。完璧主義者で、細部へのこだわりの強い彼は、最初から自分がどのよ うに働きたいか、どんなシャンパーニュを造りたいのか明確なヴィジョンを持っていました。この ため、ブドウ畑での細心の注意を払ったビオロジックによる栽培と、セラーでのディテール重視 のアプローチを通じて、純粋で生き生きとした表現力豊かでみずみずしい構造の美食(ガス トロノミー)のシャンパーニュを造っています。当初アレクサンドルは、ステンレスタンクや樽、素 焼きの砂岩の卵型タンクなど、様々な容器での醸造を試しましたが、ステンレスタンクで醸 造したロットの味が気に食わず、全て蒸留所に売却してしまったそうです。
醸造に関しては、手摘みで収穫したブドウをダイレクト・プレスし、軽いデブルバージュ(前 清澄)の後、果汁を澱と共に直接樽、もしくは素焼きの砂岩の卵型タンク(2019 年以 降)に入れてアルコール発酵。その後、引き続き自発的なマロ発酵と熟成。無清澄・無 濾過でティラージュして瓶内二次発酵とマチュラシオン・シュール・リー。ルミュアージュを手動で 行って、ア・ラ・ヴォレでデゴルジュマン。亜硫酸は圧搾時に少量添加するのみで、その後は 無添加。ドザージュは MCR を使用しています。アレクサンドルは、MCR が最もワインに与え るインパクトが少なく、ワインの表現が開くのを手助けしてくれるもので、リキュールだとワイン に別のものが加わってしまうと考えています。


❦ 醸造

ドメーヌでは、厳選したヴィエイュ・ヴィーニュから得られる最上のブドウのみをドメーヌのシャ ンパーニュの醸造に使っています。その他のブドウは全てシャヴォのコーペラティヴとラエルトに 売却しています。ドメーヌの初ヴィンテージは 2018 年(一部 2019 年とのアッサンブラージ ュ)で、5 種類のキュヴェが造られました。トータルで僅か 4800 本となる初ヴィンテージは、 2023 年の年末にフランスでリリースされました。弊社ではリリースに先立ち 2022 年の秋にド メーヌを訪問して日本への割り当てを確保しました。既にイタリア、スウェーデン、デンマーク、 ドイス、スイスのインポーターが取り扱いを始めています。
1985 年生まれのアレクサンドルは、同世代で同じアイに住むポール・ゴッセやロマン・エナ ン、また同じシュッド・エペルネーのオーレリアン・ラエルトやセレック、さらにフラヴィアン・ノワック やティボー・ルグランなどが友人で、頻繁に交流しています。