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Domaine de la Murta

ドメーヌ・ド・ラ・ムルタ

ドメーヌ・ド・ラ・ムルタの写真1 ドメーヌ・ド・ラ・ムルタの写真2 ドメーヌ・ド・ラ・ムルタの写真3
URL
設立 1965年
本拠地 Figari(フィガリ)
当主 Sébastian Cantara(セバスチャン・カンターラ)
畑の総面積 8ha
資料提供 Vin Cross


❦ 詳細・歴史

ルシカ島南部フィガリ村の街道沿いにある小さな土産屋が、ドメーヌ直営のワイン販売店。年間生産量 250hl、約3万 3000 本(内 赤は1万2000 本)の小規模な生産者なので、ワインの大半をここで売り切ってしまい、これまでに海外への輸出は念頭になかった。よって日本への出荷が初めての輸出となる。
初代当主のJoseph Cantara / ジョセフ・カンターラ氏が1965年にフィガリ空港の近くに畑を購入し、ワイン造りを始めた。彼はもう既に引退し、隣接する小さな家で余生を過ごしている。
現在、ドメーヌを運営しているのはジョセフの孫にあたる若き Sébastien Cantara / セバスチャン・カンターラ 氏。彼の話によれば、コルシカ島では 70~80 年代に単一品種、国際品種への植え替えが盛んに行われたが、祖父のジョセフ氏は頑なに伝統品種を守り続けたと言う。何故なら、現在8ha の畑に植わる「カルカジョロ・ネロ」はコルシカ島の他の場所には見られない地場品種であると信じており、フィガリ村のテロワールにもっとも適したブドウだと考えるからだ。土壌は粘土の混じった花崗岩。果皮の厚いニエルチオよりも暑さに弱いので、粘土の混じった少し冷たい土が適している。さらにこの品種は実が密集しているので、日照量が多く風の吹きぬける平地の畑が良いとされている。通常、コルシカ島ではシャカレロで赤、ニエルチオでロゼを造ることが多いと資料では記述されているが、フィガリ村ではカルカジョロ・ネロこそが赤を造るのにふさわしく、シャカレロはロゼ用として使用される事が多い。
そしてこの生産者で最も特徴的な点、それは現在コルシカ島でも数少ない混植の畑だということ。カルカジョロ・ネロの畑には、セバスチャン氏曰く「なんだかよくわからないブドウが色々一緒に植わっている」そうで、ニエルチオの畑は分かれた区画に所在しているのだが、このブドウも一緒に醸造してしまう。赤ワインの複雑な味わいは、複数のブドウが ブレンドされた混植と混醸によるものである。


❦ 畑

なお、畑は 1965 年当時から除草剤等を使用しておらず、セバスチャン氏の父である先代の Jean-Paul Cantara / ジャン・ポール・カンターラ氏の代、2000 年にエコセールの認証を取得している。 ドメーヌ名のムルタとは現地の言葉でネズの木の一種の意味で、販売店の在る街道沿いにはたくさんの樹が実をつけている。ジョセフ氏の最近の楽しみは、ネズの実を漬け込んだ自家製リキュールを造ることだそうである。


❦ 醸造

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