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Domaine Labet

ドメーヌ・ラベ

ドメーヌ・ラベの写真1 ドメーヌ・ラベの写真2 ドメーヌ・ラベの写真3
URL
設立
本拠地 Rotalier(ロタリエ)
当主 Julien Labet(ジュリアン・ラベ)
畑の総面積
資料提供 Mottox


❦ 詳細・歴史

「ドメーヌ・ラベ」の4代目当主、アラン・ラベ氏。
醸造学などワイン造りに関しては一切学校で学ばず、父や祖父から受け継いだものだけを元に全てを独学で習得し、「ジュラの地で初めてスティルワインを造る」という偉業を達成しました。しかも完全な有機栽培で。
こんなことを成し遂げただけあって、相当な頑固でわが道を行くタイプ。曲った事が大嫌いで、何事も発言も単刀直入、かつ好奇心旺盛。シャンボール・ミュジニーのワイナリー、「アンリ・フェレティグ」のアンリと親友です。

アランの長男、ジュリアン・ラベ氏(2013年より5代目当主)。
1997年、父親から最上区画を含む一部を譲り受けて「ドメーヌ・ジュリアン・ラベ」を立ち上げ、独自のスタイルでワインを造っています。醸造学科出身で、実家に戻るまではブルゴーニュのラモネに滞在していました。父親と似て頑固なところが見られるものの、人の意見を最後まで聞き、物腰は非常に柔らかい。
ワイン造りについては、父親同様やはりテロワール第一に、彼自身の哲学を持っています。10種類以上ものワインがあるのはそのため。「キュヴェごとの生産量は1000本前後しかないが、色々なテロワールが楽しめるからとても面白い」とのことです。
また、2009年には完全ビオロジック、および認証取得のため、自分の区画は実践に踏み切り、2009年ヴィンテージからはSO2無添加のワインへと切り替えました。

テロワールごとの特徴をきっちりと出すことを追求しているため、息子のものと合わせると、なんと30種類以上もの違ったワインを醸造。その中で特殊ワインは3つのみ(マールを含む)。引継いでから10数年、やっと環境も整ってきた1986年から、ブルゴーニュのように区画ごとに醸造する方法を開始し、1992年からアイテムを少しずつ増やしてきました。もともと一つ一つの区画が小さいので彼の造るスティルワインは全部で20近くあって、生産量も年間250本~1200本とごくわずかです。



❦ 畑

ラベの土壌
ラベの所有するテロワールは、特にマールと粘土が多く粘性も強いため、土地を耕すのには非常に苦労を要する。しかし、土壌はかなり肥えており、石灰岩盤からくるミネラル成分と混ざってさらに複雑性が増します。
また、石灰質土壌のパーセルも多くを占めるのが特徴です。ジュラ紀の石灰岩と言ってもカテゴリーは幅広いですが、基本的には水捌けが非常によく、春先頃から気温が上がり始めると一気に地表温度も上がります。このテロワールからは、硬質なミネラル感を持ち、時にはシャープで張り詰めた印象の味わいや、乾いた石のようなゴツゴツとしたミネラル感を舌で感じることもあります。
これはラベの得意とするワインのスタイルでもあるが、テロワールごとに表現されたワインは、時には直線的で輪郭のはっきりした、明確かつ軽快で、尖ったミネラルを感じられるワインが造りだされる。

初代から続く伝統的な農法を続けていますが、4代目当主アラン氏になってそれはさらに徹底されました。実は彼は、ジュラで最初に「有機栽培」を実践した人物。1970年代、農薬が推奨された時代にあってこの農法に反対だったのです。
彼は当初、受け継いだ2ヘクタールの畑を何年もかかって徹底的に耕し直しました。化学薬品を一切使用せず、畑を耕すことによって地中の微生物の動きを活発にすることを目指してしていたのです。こうして畑を整えることに費やした時間は、実に12年。(実際にパーセル毎の醸造を始めたのは1986年になってからです。)
“生産性”は下がりますが、エコシステムはもちろん、人にもワインにも優しい方法をわざわざ変える必要はない、と考えて有機農法を徹底したのです。この一貫した姿勢で、今ではジュラ地区においてはリーダー的存在のワイナリーとして一目置かれています。


❦ 醸造

こうして収穫されたブドウは、ストレスを避けるために非常に丁寧に、ゆっくりと圧搾され、テロワールと区画ごとに醸造されます。当然ながら人工酵母は一切使用せず、本来のテロワールからくる、ブドウに付着した自然酵母によって低温でゆっくりと醗酵されます。
熟成は228リットルの樽(新樽は一切使用しない)で澱とともに熟成されます。常にウイヤージュを行い、必要に応じてバトナージュを行ったりすることもありますが、決まった手順というのはなく、テロワールやその年の特徴に応じて臨機応変に対応しています。

樹齢の高い樹が多いため、必然的に収穫量は少ない。
平均収量は20~40hl/haで、収穫は全て手摘みで行われます。それも収穫前に畑でかなりの房を落としてしまい、収穫後もさらに選別にかけるという徹底ぶり。必然的に、収量はぐんと減ることになります。