LINEで送る

Domaine de Clovallon

ドメーヌ・ド・クロヴァロン

ドメーヌ・ド・クロヴァロンの写真1 ドメーヌ・ド・クロヴァロンの写真2 ドメーヌ・ド・クロヴァロンの写真3
URL
設立 1985年
本拠地 Bédarieux(ベタリュー)
当主 Catherine Roque(カトリーヌ・ロック)
畑の総面積 11ha
資料提供 VIVIT


❦ 詳細・歴史

ドメーヌ・ド・クロヴァロンはCatherine Roque カトリーヌ・ロックによって1985 年に創設されました。建築家をしていたカトリーヌは、フォジェールの北隣の村Bedarieux ベタリューに畑付きの自宅を1985 年に購入。ブドウ栽培とワイン造りを独学で学びながらドメーヌの経営を始めました。当時、畑にはアラモンといったラングドックの大量生産用のブドウが植えられていましたが、ドメーヌは標高250~400 メートルの高地で、ラングドックでも冷涼なミクロクリマで、畑は北向きの緩やかな斜面に位置していました。このため、南仏の品種よりも、冷涼は気候の品種が向くと直感したカトリーヌは、1985 年にシャルドネ、1988 年にヴィオニエ、1989 年にはピノ・ノワ-ルを植樹していきました。ヴィオニエなどは、ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネイの畑に出向き、穂木を譲り受けてドメーヌの畑に植樹するほどの情熱を傾けて栽培を始めました。また、ピノ・ノワールに関しては、ラングドックで初めてピノ・ノワールが植樹したのが、ドメーヌ・ド・クロヴァロンでした。というのも、当時、まだピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの指定品種に認定されていなかったのです。自身の畑におけるピノ・ノワールの可能性を信じたカトリーヌは、INAO に陳情を働きかけ、最初は実験という名目で許可を得てピノ・ノワールを栽培していきました。その後、ドメーヌで栽培されたピノ・ノワールから造られたワインの品質の高さが認められたことによって、ピノ・ノワールはヴァン・ド・ペイ・ドックの品種として正式にINAO に認められるようになったのです。つまりカトリーヌは南仏のピノ・ノワールのパイオニアであり、母である存在なのです。


❦ 畑

ドメーヌでは設立当初よりビオロジックを実践していました。その後、2000 年に完全なビオディナミへと移行し、全ての畑でビオディナミによるブドウ栽培を行い、ドメーヌの全てのワインが厳格なデメテールの認証を受けています。植樹比率は1ha 当たり6000 本で、収量のコントロールは剪定段階で行っています。剪定の際、極めて短小に剪定に行うことによって収量が増えないよう調整しています。通常、剪定がうまくいけば想定した収量に誘因できるため、基本的にグリーン・ハーヴェストは行いません。しかし、芽かきは、翌年の剪定をやり易くしてくれるため、実施しています。摘芯は行いませんが、「Tricotage トリコタージュ」という、ブルゴーニュのドメーヌ・ルロワでも行われている手法が取られています。これは枝先を切らずに伸びた枝を巻きつけて編んでいく手法で、ブドウが色付きの段階で行っています。除葉は基本的には行いませんが、9 月の段階でブドウの成熟が遅い場合は行っています。収量は品種や区画によって異なりますが、1ha 当たり25 ヘクトリットルを超えることはありません。畑の耕作は年2 回行います。冬場はつるはしを使って手作業で、もう一回はブドウの芽から綿毛が出た頃からブドウが結実する間の時期に馬を使って行っています。耕作と同時に、ブドウ木と競合関係になってしまう不要な雑草を取り除いています。除草剤は一切使用していません。また、ヤギの糞を使った堆肥やビオディナミの調剤をコンポストとして畑に撒いています。


❦ 醸造

収穫は昼の暑い時間帯を避け、早朝に行います。全て手摘みで行います。ブドウが潰れないように、収穫したブドウは小さなケースに入れて醸造所まで運ばれます。選果は収穫直後に畑で1 回、さらに醸造所に運んで醸造する前に1 回、合計2 回行われます。

醸造はブドウに付着している野生酵母のみで行い、他のいかなるものも加えません。SO2も無添加(もしくは必要最低限のみ添加)。ピノ・ノワールのキュヴェは、除梗せずに全房で発酵を行います(キュヴェに応じて50%前後除梗する場合もある)。発酵はステンレスタンクもしくは円錐形の木製の発酵槽で行われます。発酵温度は25~28 度の低温で行います。醸しに関しては、果汁を均質化するために発酵の最初の段階でポンピングオーバーを1 回のみ行います。その後、アルコール発酵の期間中は1 日2~3 回のデレスタージュを実施します。ピジャージュは頻繁には行わず、発酵の最終段階で1 日1 回の実施に留めます。発酵期間は5 日から7 日。キュヴェゾンの期間は約3~4 週間です。圧搾後、バリック(マス・ダルゾンの白ワインの熟成に使用した1~3 年樽)又は円錐形の木製タンクでマロラクティック発酵と熟成を行います。ドメーヌではフレッシュ感とタンニンの繊細さ、ブドウに備わっている複雑な香りを引き出すナチュラルな醸造を行っており、過剰なアルコール度や力強さなどは追求していません。ドメーヌは2017 年からナチュラルワインのイベント「Raw Wine Fair」に参加しています。