Domaine de Mouscaillo
ドメーヌ・ド・ムスカイヨ
❦ 詳細・歴史
ピレネー山脈の麓にある Roquetaillade / ロックタイヤード村にドメーヌは所在。海洋性気候と地中海性気候の中間にあたり、ブドウ栽培には非常に適したテロワールである。Marie-Claire Fort / マリ・クレール・フォールと Pierre Fort / ピエール・フォールの夫妻で運営するドメーヌで、わずかに 5ha(シャルドネ 4ha、ピノ・ノワール 1ha)のみを耕作しており、全てを家族で管理している。畑は標高 400m に位置しており、その大部分に樹齢 40 年のブドウが植えられている。
<ドメーヌの理念>
独善的な観念や思想で畑仕事を行わない(信条というものは、さらなる思考と知性を要するものだ)。農作業を一から見直し、自然との調和をはかり、知見を得る必要があるが、いかなる場合でも引き下がることがあってはならない。 これまでの経験で得た知識を基に、何をすべきかを自らが選択するべきである。これこそが、畑で行うべきことを指し示す「農民だけが得られる知見」そのものである。土壌、気候、品種、地理によらずに同じ栽培方法を採用するというのは、とても受け入れられるものではないのだ。 ワインが持つ独自性、相違点、方向性を失ってはならない。どんな栽培家であっても、独自性ある比類なきワインを生み出すべきである。
❦ 畑
畑の土壌には、5000万年前の海洋生物の化石(巻貝やカキなど)
が数多く見られる。粘土質石灰土壌は、常に必要な水分を補い、干魃によってブドウにもたらされるストレスから開放してくれる。
下草はブドウの樹勢を抑える働きがあるが、土中微生物の活動に必要な栄養分と酸素を与えてくれる。 畑には豆科の植物も植えてあり、その根に住むバクテリアの働きで空気中の窒素を固定し畑にもたらしてくれている。ブドウには窒素は必要不可欠で、この豆科植物の働きにより空気中の窒素がブドウにとっての自然な肥料となっている。人間、自然環境、テロワール、植物、そしてワイン、全てのバランスがとれた状態を追い求めている。病虫害からブドウを守るため、より環境に配慮したビオロジック農法、または生命工学的なアプローチで対処自然に抑制できる自然の作用を利用している。
・草食性のダニを捕食する肉食性のダニの導入
・ブドウに害を与える虫に効果のあるホルモン攪乱剤の導入
・検討中:カビなどの生育を阻害する植物(アブラナ、ルバーブ、アカテツ等)の導入
❦ 醸造
目標は健康で熟した味わい溢れる果実、そしてワインを造り出すこと。手摘みで収穫されたブドウは、畑で選果を行い、除梗された果実のみを圧搾するのではなく、除梗せずに果房のままで圧搾に回される。標高の高さ、北向き斜面、ピレネー山脈の影響、土中深く広がる石灰質土壌、これがラングドックという南の地で生まれる白に快活さとミネラルをもたらしてくれる。ピノについては、より重要な日照が得られる南向き斜面に植えられている。 農作業をしっかりと行えば、ブドウの力を引き出したワインが生まれる。白ワインの醸造と熟成は1〜12 年使用した600L 木樽(ドゥミ・ミュイ)を使用しいる。これはワインの特徴とそのアロマを樽が隠してしまわないようにするためである。