Domaine Terre de Sable
ドメーヌ・テール・ド・サーブル
❦ 詳細・歴史
カマルグ地方の Aigues-Mortes / エーグ・モルトに前オーナーで米農家の バルビエ家が 1975 年にグルナッシュを植えたのがこのドメーヌの始まり(この 当時のドメーヌ名は Grand Corbiéres)。2019 年より現在のオーナーの Chloé Leygue /クロエ・レギュ氏がドメーヌ名をドメーヌ・テール・ド・サーブル に変更。1992 年生まれのクロエ氏はパリとロンドンでマーケティングの仕事を していたが、両親がこの土地にワイナリーを購入したの契機に、地元のこのサ ーブルでワイン造りを始めた。栽培はビオロジック農法で、2002 年には既にユ ーロリーフ認証を取得している。IGP なので品種の縛りはなく、現在畑にはグ ルナッシュノワール、グルナッシュグリ、グルナッシュブラン、メルロ、シラー、カベル ネ、サンソー、ソーヴィニヨンが植わっており、最近新たに植えたグルナッシュグリ
はフラン・ド・ピエ(自根)にするなど、新しいことにも意欲的に挑戦しており非常に興味深い。まだ若い生産者だが、造るワイン はムラがなく、クリーンで垢抜けていて、ポテンシャルも高いと思われる。
❦ 畑
IGP サーブルはローヌ河とその支流の三角州にあるエリアの西側に広がっており、東側は塩田(カマルグの塩で有名)である。 砂地土壌でなければ IGP Sable de Camargue は名乗れない。埋立地の比較的新しい生産地。生産量の 90%はロゼ で巨大資本のグループがその大半を占めている。小規模生産者は地元の土産物屋や、街道沿いでワインを販売していることが多く、海外へ輸出する生産者は数少ない。地元ではグリもしくはグリ・ド・グリと呼ばれるグルナッシュ・グリ、グルナッシュノワールから造られる色の薄いロゼがシンボルとなっていて、欧州で若者を中心に人気がある。ちなみに色が薄いのは、醸造法(直接圧搾法)によるものだけではなく、土壌が瘦せすぎているためにグルナッシュノワールですら果皮が色づかず元々の果汁の色が薄いから。
❦ 醸造
醸造所を 2 年間かけて改装し、出来る限り酸化や微生物による 汚染リスクの少ない設計に変えた。酸化を防ぐため収穫は夜間に 行い、ポンピングを出来る限り避ける。SO2 の代わりに窒素ガスを 使用している。発酵槽はステンレスタンクがメインだが、一部使用す るコンクリートタンクの内側には酸化を防ぐためエポキシ樹脂を貼っ ている。低温発酵により、香りが高く、重たさのないフルーティーな味 わいに仕上がる。