Domaine Dupont
ドメーヌ・デュポン
❦ 詳細・歴史
ドメーヌ・デュポンはカルヴァドス地方ヴィクト・ポンフォルに本拠地を構える家族経営のドメーヌ。
かつてはラ・ヴィニュリーの名前で運営が行われていましたが1887年よりこのドメーヌの小作人として酪農と並行しながらシードル、カルヴァドスを生産していたジュール・デュポンによって1916年に買収されました。しかしその後1934年に父の後を継いだルイ・デュポンもまた酪農を続けており、生産したカルヴァドスは地元の商人にバルクで販売するなど注力はしていません。
1980年息子エティエンヌがドメーヌを引き継ぐとシードル、カルヴァドスの生産に専念するようになり自社詰めを開始。古い果樹園は再開発され、新たに若い果樹を植樹。更にエティエンヌはコニャック地方で2重蒸留を学ぶなど高品質なシードル、カルヴァドスを生産するために研究に没頭します。
リンゴの手作業による選果やエノロジストとともに働くなど類を見ない程品質への拘りを見せ、その甲斐もあり、今日ではフランスを代表するシードル、カルヴァドス生産者の一人に挙げられます。
❦ 畑
ノルマンディー地方に30haの畑に13種類6000本のリンゴを所有。
オックスフォーディアン階の粘土石灰質で構成される痩せたペイ・ドージュ地区はリンゴの成長を抑制し、小さく凝縮したリンゴを生み出します。
これによりアロマティックかつタンニンの抽出を手助けするような果肉に対し果皮の比率が高いリンゴに成長。
リンゴの成長を促すような肥料は使用せず、収量よりも品質に重きを置いた栽培が行われています。
収穫は品種ごとに最適な熟度で収穫が行われるため各リンゴの木を最低3回は確認する程の徹底ぶり。
収穫後リンゴは手作業で選果が施されます。
❦ 醸造
プレス前に洗浄、選果し、腐敗傾向にあるリンゴは選果台を用いて手作業で廃棄されます。今日シードル生産では当たり前になってきましたが、カルヴァドスに仕上げる用のシードルも選果を行うのは非常に稀です。
その後、通常ワイン用に用いられる特注仕様の空気圧式プレスを用い破砕。スーティラージュを施しながら緩やかな抽出を行います。
タンクに移し発酵を行った後、澱引き、瓶詰めし二次発酵が行われます。
カルヴァドスを造るためのシードルはよりアロマを引き出す為に澱の上で6ヶ月間熟成した後に蒸留。蒸留はコニャック地方で行われる単式2重蒸留。
蒸留し終わったカルヴァドスは軽いローストを施した新樽で3ヶ月熟成したのちに古樽に移し、更に熟成を行います。