Domaine Tempier
ドメーヌ・タンピエ
❦ 詳細・歴史
ドメーヌ・タンピエは言わずと知れたプロヴァンスを代表する生産者の一人で、その名声は19世紀には既に知れ渡っていました。
ドメーヌは1834年トゥーロンとマルセイユの間に位置するバンドールに創設され、既にフィロキセラが襲来していた1855年には初めての金賞を獲得。
この当時は勿論バンドールというアペラシオンはありませんでしたが、この時既にタンピエのフラグシップ品種はムールヴェードルでした。
この翌年フィロキセラにより多くの畑が破壊される等混乱を招く事になり、多くの生産者は収量の高い品種の栽培を始めます。
1936年ルーシー・タンピエはワイン造りに意欲的なルシアン・ペイローと結婚。
義理の父より古いヴィンテージのタンピエのワインを飲まされた時、ワインの持つ個性に驚き、ムールヴェードルはこの地方で重要な役割を担う位置に戻ると確信します。ルシアンはINAOメンバーとしてアペラシオン、バンドールの確立に尽力、ムールヴェードルとバンドールというアペラシオンの地位の向上の為精力的に活動したことからバンドールの偉大な父と呼ばれ、この地方の生産者たちから尊敬を集めています。またルシアンの精力的な活動もあり、今日ではバンドールを名乗る為にはムールヴェードルを50%使用することが定められています。
1960年にはルシアンの息子ジャン・マリーとフランソワもドメーヌに参入。1996年にルシアンが亡くなった後も家族の伝統を受け継ぎ、高品質なワインを生産しつづけたことからドメーヌ・タンピエは今日バンドールのグラン・クリュの地位を築き上げました。現在ジャン・マリー、フランソワも引退し、若き天才ダニエル・ラヴィエがドメーヌを管理しています。ダニエル・ラヴィエの元、2010年遂にプロヴァンス地方で初めてフランスで最も権威有るワインガイド、メイユール・ヴァン・ド・フランス(ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランス社発刊)で3ツ星を獲得。名実共にプロヴァンスNo.1ドメーヌの座を獲得しました。
❦ 畑
ボーセ・ヴューにあるラ・ミグア、カストゥレにあるトゥルティーヌとカバッソウといったドメーヌの看板区画の他、ラ・バスティドなどに合わせて50haを所有。ワイン造りの95%は畑仕事で決まるとの哲学から出来る限り自然な栽培を心がけ、除草剤、殺虫剤を一切使用しないリュット・レゾネによる栽培が行われています。
❦ 醸造
白ワイン
手摘みで収穫後、完全除梗し低温浸漬の後に発酵。マロラクティック発酵を行いフードルで8〜10ヶ月熟成。
ロゼワイン
手摘みで収穫。セニエ方とダイレクト・プレスの併用。
タンクで6〜8ヶ月熟成の後に瓶詰めされます。
赤ワイン
手摘みで収穫後、除梗しステンレスタンクで発酵。25〜50hlのフードルで18〜20ヶ月熟成し、無濾過、無清澄で瓶詰め。