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Château les Valentines

シャトー・レ・ヴァロンティーン

シャトー・レ・ヴァロンティーンの写真1 シャトー・レ・ヴァロンティーンの写真2 シャトー・レ・ヴァロンティーンの写真3
URL http://www.lesvalentines.com
設立 1997年
本拠地 La Londe(ラ・ロンド)
当主 Gilles Pons & Pascale Pons-Massenot(ジル・ポン & パスカル・ポン・マスノ)
畑の総面積 40ha
資料提供 Firadis


❦ 詳細・歴史

ワインへの情熱が高じ、パリの実業家から醸造家に転身したジル・ポンスは、プロヴァンスが同国第一位のロゼの産地として世界的な注目を集めるより以前に、そのポテンシャルを確信していた。彼が理想とする場所はコート・ド・プロヴァンスのアペラシオン南部の地中海に面した町ラ・ロンド・レ・モールにあった。このエリア特有のシスト土壌の畑には溢れんばかりの日光が降り注ぎ、爽やかな海風が絶えず吹く。一目でその偉大なテロワールに魅せられた彼は1997年に畑を取得し、ワイン造りを開始。ワイナリーは息子のヴァロンタンと娘のクレモンティーヌに因んでシャトー・レ・ヴァロンティーンと命名され、1998年2月14日のヴァレンタインデーに初ヴィンテージがリリースされた。

畑の前の所有者は収穫したブドウを協同組合に売っていたため、設立当時は畑と古い家屋しかなく、発酵用のタンクはもちろん、醸造用設備を一から揃えなければならなかった。また、畑自体は100年以上前に拓かれたものだったが、ほとんど手入れがされておらず、植え替えを含めた入念な手入れも必要だった。新米醸造家として学ぶことは多く、「最初の5年はとても大変だった」とジルは当時を振り返る。しかし彼は何より、素晴らしいテロワールの中でワインを造ることができる幸運に感謝している。高いクオリティのブドウを育む痩せたシスト土壌。日照豊富で病害の心配が少ない乾燥した気候。夏の暑さを和らげる海風によりブドウの成熟が緩やかに進むため、エレガントで繊細な果汁が得られる。


一方で、ジルは自身のワイナリーだけではなく、ラ・ロンド・レ・モールの魅力を世に広めることにも力を入れている。総栽培面積は2万haと広大なコート・ド・プロヴァンスでは畑の場所は海岸から内陸の山麓までと様々で、そのテロワールはモザイクのように多様である。ラ・ロンド・レ・モールの独自性と素晴らしさを周知すべく、彼は近隣の生産者と協力して生産者団体の設立。彼らの地道な活動の甲斐あって、2008年にラ・ロンド・レ・モールを含めた4つのコミューンに対しCote de Provence "La Londe"の呼称が認められた。このようにコート・ド・プロヴァンスでサブ・アペラシオンが認められているのはラ・ロンド含め4つの地区のみ。ラ・ロンド・レ・モールの傑出したポテンシャルと、ジルの慧眼がうかがえる。

ワイナリー設立から15年余り、彼は少しずつ醸造施設の充実と畑の整備・拡大に取り組み、ワインのクオリティを堅実に向上させていった。今やレ・ヴァロンティーンはこの地を代表する生産者の一人となり、世界に名だたる5ツ星ホテルの数々にもオンリストされている。フランス有数のワインガイド、ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランスの『地中海の偉大なワイン』のドメーヌ100選に掲載され、同誌から「アペラシオンの優良株」と評される。40haの畑から数種のワインを生み出しているが、カプリース・ド・クレモンティーヌはプロヴァンスらしく「テラスでくつろぐように楽しむワイン」と位置付けられている。


❦ 畑

土壌 シスト、石英が混ざった雲母状シスト、古い崩積層
栽培方法 卓越したラ・ロンド・レ・モールのテロワールを可能か限り自然に表現するため、ビオロジックを採用。土壌を活性化し、その特徴をブドウに反映するために、年に数回畑を耕す。収量も低く制限している。

この卓越したテロワールを可能な限り自然に表現するため、ブドウ栽培にはビオロジックを採用。土壌を活性化し、その特徴をブドウに反映するために、年に数回畑を耕している。収量は低く抑え、ベーシックなワインでもアペラシオンの平均収量を下回る45hl/ha以下である。醸造面でも、技術に頼るのではなく、人の手の介在を最小限にとどめた伝統的なアプローチで、テロワールの素直な表現を目指している。


❦ 醸造

醸造方法 カプリース・ド・クレモンティーヌの醸造にはステンレスタンクを使用。白とロゼは圧搾後、18度で温度管理しながらステンレスタンクにてアルコール発酵。赤は3週間ステンレスタンクでマセラシオン。発酵は温度管理しながら行う。