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Domaine du Gringet

ドメーヌ・デュ・グランジェ

ドメーヌ・デュ・グランジェの写真1 ドメーヌ・デュ・グランジェの写真2 ドメーヌ・デュ・グランジェの写真3
URL https://www.instagram.com/domaine_du_gringet/
設立 2021年
本拠地 Ayse(アイズ)
当主 Sarzier / Vincent Ruiz / Raphael Bonheur / Franck Balthazar(ミゲル・サルジエ / ヴァンサン・ルイス / ラファ エル・ボヌール / フランク・バルタザール)
畑の総面積 10ha
資料提供 Klein aber Wein


❦ 詳細・歴史

「ドメーヌ・デュ・グランジェ」(以下、DdG)はオート・サヴォワ、 アルヴ渓谷にあるアイズ(Ayse)村を拠点に2021年に設立されたド メーヌです。ドメーヌの名前にもなっている「グランジェ (Gringet)」は、ローマ人がブドウを持ち込む前からこの地に存在し たとされるサヴォワの土着品種で、この稀有なアルプスの白ブドウは この地に22haしか栽培されていません。その内の10haは現在DdGが 手掛けていますが、そこには哀しい背景があります。本来安価で多収 量のブレンドワインに向いていると思われていたグランジェから目を 見張るようなワインを造り、その名を世に知らしめたのは今は亡きド ミニク・ベリュアールでした。
この地域では霜や雹害の危険性に加わり、ボトリティスや他の原因不明の病害のプレッシャーも高いため、 自然なワイン造り継続するためには強いブドウを育てる必要があります。そのため、ヴァンサンは畑を耕す ことを止め、雑草などは生やしたままにし、また生物多様性を育むため、畑の周囲に異なる植物や木を植え ています。ファーストビンテージが2022年でまだ始まったばかりのドメーヌですが、グランジェという品種 の未来の担い手としてとても注目されている若者たちです。ドミニク・ベリュアールのワインが好きだった 身として、彼らと一緒に仕事ができることを非常に光栄に思います。


❦ 畑

ドミニクは、標高450mというアルプスの高地で1988年に父親から畑 を引き継ぎ、2021年までグランジェの栽培を続けてきました。ドミ ニクが21年に自ら命を絶った後、妻のヴァレリーはドミニクとその チームの仕事を尊重し、同じ意志と情熱を持ってドメーヌを引き継い でくれる買い手を探しました。当時、ローヌのフランク・バルタザー ルで働いていた若き醸造家ヴァンサン・ルイスがドメーヌを訪問した 際、ヴァレリーは彼の繊細さと覚悟を見て、ドメーヌの新しい未来を 切り開くために必要な要素を持ち合わせていると悟り、ヴァンサン が正式な継承者に決まりました。そこにドミニクと長らく仕事をして きたミゲル・サルジエが経営を担当する形で「ドメーヌ・デュ・グラ ンジェ」が結成されました。


❦ 醸造

ヴァンサンが醸造を続けるにあたり、変わったことがいくつかあり ます。中でも特に大きな変化は、スティルワインにフォーカスするた めスパークリングワインを造らなくなることです。これによりドメー ヌの収量はそれ以前と比較すると半減しています。また、DdGでは 土壌により表情を変えるグランジェの本質に迫るため、畑ごとに醸 造されます(全てではありません)。例えば、これまで「ル・フュ」 にはエトラ、パイユ、エドゥアールといった区画のブドウも使用され ていましたが、DdGでは100%ル・フュから収穫されたブドウのみで 醸造されます。