Domaine Nicolas Joly
ドメーヌ・ニコラ・ジョリー
❦ 詳細・歴史
ドメーヌ・ニコラ・ジョリー(クーレ・ド・セラン)はロワールを代表する生産者にてビオディナミ栽培の先駆けとも言える偉大な生産者。
現当主ニコラ・ジョリーはボルドー大学で醸造学を学び、ドメーヌを引き継ぎます。しかし当初の結果は芳しいものではなく、新たなアプローチを考える必要が出てきました。その時に出会ったのがルドルフ・シュタイナーのビオディナミ農法に関する著書です。ニコラ・ジョリーは1981年からビオディナミ農法を取り入れ、1984年には全ての畑でビオディナミ栽培を開始。
当初はビオディナミ栽培がメジャーではなく周囲の生産者たちからは懐疑的な目を向けられましたがニコラは献身的にビオディナミ栽培を続け今日の評価を獲得する事に成功します。
メイユール・ヴァン・ド・フランスで2ツ星を獲得しているサヴニエール、ひいてはロワールを代表する生産者ニコラ・ジョリーは今日も娘ヴィルジニーとともに精力的にワイン造りを行っています。
若いうちはそのテロワール、醸造方法から硬質なキャラクターで、長いエアレーションを必要とする長期熟成向けワインとして知られていますが、近年以前よりは少し柔らかい酒質へと変化しています。
❦ 畑
所有する畑は全部で15ha。1984年より一貫してビオディナミ栽培が行われています。
生産されているワインは3つ。
クレ・ド・セラン
ニコラ・ジョリーの代名詞とも言えるクレ・ド・セランは12世紀シトー派によって植樹された由緒ある単一区画で、複数の所有者を経て1962年にジョリー家のモノポールとなりました。
食通の王キュルノンスキーにはフランス5大白ワインとも言われたクレ・ド・セランですが、遂にAOCサヴニエール・クレ・ド・セランから単一のAOCクレ・ド・セランへと昇格。フランスでもシャトー・グリエやロマネ・コンティなどと並び、数少ない単独所有のアペラシオンとなりました。
南〜南東向きの急斜面にある7haの区画。表土は20〜40cmと薄く、母岩は赤いスレート土壌で、平均樹齢35〜40年で最高樹齢は80年を超す古樹のシュナン・ブランが栽培されています。収量は20〜25hl/haに制限。
一部の区画は馬で、それ以外は手作業で耕作を行っています。
クロ・ド・ラ・ベルジュリ
アペラシオン、サヴニエール・ロッシュ・オー・モワンヌにあたる区画を使用。
東向き斜面、クレ・ド・セランよりは深いですが、こちらも30〜80cmと比較的浅い表土を持っています。
平均樹齢は30年。収量は25〜30hl/haに制限。
ル・ヴュー・クロ
アペラシオン、サヴニエールにあたる区画を使用。
ブドウはマサール・セレクションで平均樹齢は20年。
母岩はシストで表土には石英、砂で構成されています。
❦ 醸造
ヴィンテージ、キュヴェに応じて変更がありますが人的介入を出来る限り避けた自然な醸造を行っており、新樽の使用率は非常に低く設定されています。