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Domaine Didier Dagueneau

ドメーヌ・ディディエ・ダグノー

ドメーヌ・ディディエ・ダグノーの写真1 ドメーヌ・ディディエ・ダグノーの写真2 ドメーヌ・ディディエ・ダグノーの写真3
URL
設立
本拠地 Saint-Andelain(サン・タンドレン)
当主 Benjamin Dagueneau(バンジャマン・ダグノー)
畑の総面積 11ha


❦ 詳細・歴史

ドメーヌ・ディディエ・ダグノーはロワール地方サン・タンドランに本拠地を置く世界最高峰の白ワインの生産者。その名を初めて世界に轟かせたのは先代ディディエ・ダグノーの頃です。

ディディエ・ダグノーはその風貌とワイン造りのアイディアからピュイの異端児と呼ばれていました。ディディエは1956年アペラシオン、プイィ・フュメ内にあるサン・タンドランにワイン生産者の4代目として誕生。常に限界に挑む事を好んでおり、1978年〜1982年の間はバイクレーサーとして活躍。冬の間は国際犬ソリレースにも参加していました。1982年に生まれ故郷のサン・タンドランに戻ると自らのドメーヌを設立。ディディエはアンリ・ジャイエやエドモンド・ヴァタン、ドニ・デュブルデューの指導を受けたことに触発され、祖父であるルイ・ダグノーの伝統と知恵と合わせて、サン・タンドラン村周辺にある素晴らしい畑のテロワールに焦点を当てた偉大なプイィ・フュメを造ることを決意します。最初はアン・シャイユーに1.2haの畑を獲得、かの有名なシレックスは1985年にピュル・サンは1988年から生産を開始しています。更に2000年にはサンセールを、2002年にはジュランソンに畑を購入し現在のラインナップが揃います。

2006年には遂にイギリスの権威あるワイン誌DECANTER誌の世界のトップ・白ワイン生産者で7位にランクイン。名実共に世界最高峰の生産者となりましたが、ディディエ・ダグノーは2008年9月17日ULM(超軽量動力機)の事故により52歳と言う若さで亡くなります。

亡くなったディディエの後を継いだのは息子ルイ・バンジャマン・ダグノーと娘のシャルロット・ダグノー。
世界中の多くのワイン愛好家たちはルイ・バンジャマンがドメーヌを継いだ時あまり期待をしていませんでした。それはルイ・バンジャマンの実力というよりも偉大すぎる父親の後を継ぐのは厳しいと思っていたからです。

しかしルイ・バンジャマンは父ディディエから幼少期より英才教育を施されており(青いブドウ、熟したブドウ、腐ったブドウの味やワインの澱や果汁の味、終わったワインのテイスティング等)、その後もモンルイ・シュル・ロワールを代表する生産者フランソワ・シデーヌやラングドックのトップ生産者マス・ジュリアンのオリヴィエ・ジュリアンの元で働き2006年ヴィンテージからは父ディディエと共にドメーヌで醸造、栽培を手掛けている若くしてワインに精通した実力派でした。

実際2008年、2009年ヴィンテージに優れたワインを生み出し見事な世代交代を見せた事から世界中のワイン愛好家を安心させています。

ヴィンテージによっては先代ディディエよりも高い評価を受けているルイ・バンジャマンですが決して慢心する事なく常に高いハードルを設定しています。これは父ディディエが残したドメーヌを継承する為に父と同じ気持ちで進化し続けなければならないと考えているからと本人は語っています。
そうした努力もあってフランスのワイン誌ル・ルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランスで2016年度版にてワイナリー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
ロワールのドメーヌ・ディディエ・ダグノーは健在であると世に知らしめました。


❦ 畑

他の偉大な生産者同様、ディディエも偉大なワインを造る為には最初に骨の折れる畑作業が必要だと分かっていました。この時から畑には1haに1人の従業員が配置される等非常に細かい気配りが行われています。これはブルゴーニュのトップ・ドメーヌでは見られますが、基本的にはロワール地方では見かけられません。

収量は周辺生産者の50〜75%と非常に低く抑えられており、地中のテロワールを探るよう根を促進させる為に畑はスキもしくは馬によって耕作が行われています。また1993年からはビオディナミに移行も果たしています。


❦ 醸造

設立以来ダグノーでは常にオーク樽を使用して熟成が行われています。大規模な実験を通じて様々なサイズ、形状の樽があり、ヴィンテージや畑によるアルコール度数の違いに応じて新樽、使用樽の比率を変えています。

その為ダグノーは世界のトップ樽会社と非常に密接に働き、澱との接触や酸素の循環の違いを生み出す、いくつかの個性的な形状の樽や非常に焼きが薄い樽を持っています。ワイン造り全体を見たときには非常に小さな事柄ですが最終的に卓越した品質のワインを造り出すために細部にまで拘り抜く、それがディディエ・ダグノーです。