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Pierre Goiset

ピエール・ゴワセ

ピエール・ゴワセの写真1 ピエール・ゴワセの写真2 ピエール・ゴワセの写真3
URL https://www.facebook.com/PierreGoisetVigneron/
設立 2020年
本拠地 Saint-Fiacre-sur-Maine(サン・フィアクル・シュール・メーヌ)
当主 Pierre Goiset(ピエール・ゴワセ)
畑の総面積 3ha
資料提供 VIVIT


❦ 詳細・歴史

大きな変革の真っ只中にあるミュスカデ。この地のナチュールの先達であるランドロンやド・ ベル・ヴューに続く、新世代の若いドメーヌが、今ミュスカデに次々と誕生しています。
2020年に故郷のナントに戻り、新しくドメーヌを興した PIERRE GOISET ピエール・ゴワゼもその一人です。ナント生まれのピエールは、学業を修めた後、サンテティエンヌでカメラマン兼ビデオディレクターとして 10 年近く働いていました。しかし、サンテティエンヌにあるナチュラルワインの バー「Chez Lulu シェ・ルル」で多くのナチュラルワインを味わううちに、ナチュラルワインの虜に。 当初はブドウの収穫の手伝いに行くだけでしたが、次第にワイン造りにも興味を持ち始め、 北ローヌの Pierre-Jean Vila ピエール・ジャン・ヴィラ と Les Déplaudes de Tartaras レ・デ プロード・ド・タルタラで働き始めます。
並行してブドウ栽培と醸造のバカロレアの免状を取得しました。
その直後、ピエールはナント近郊にある家族のブドウ畑を継承することになります。その時に妻のマリーが「さあ、本格的にワイン造りを始めましょうよ!」と言ったのです。こうして、ピエールは 40歳を目前に、妻と二人の子供と共に生まれ故郷であるナントに移住。ヴィニュロ ンに転身し、ナチュラルワイン造りを始めたのです。

ドメーヌは、ナント近郊の Saint-Fiacre-sur-Maine サン・フィアクル・シュール・メーヌにあり ます。
セーヴル川とメーヌ川の合流点にあり、なだらかな丘陵が点在し、最高点は海抜約 60 メートル。ナントとサンテティエンヌの間を繋ぐロワール河の河口近くにあるため海の影響を受ける海洋性気候です。
ドメーヌの栽培面積は 3ヘクタール、ムロン・ド・ブルゴーニュと メルローを栽培しています。畑の 8割を占めるムロン・ド・ブルゴーニュはマッサルセレクションで 1950年代に植樹された 60年を超えるヴィエイユ・ヴィーニュで、残りの 2割はジューヌ・ ヴィーニュのメルローです。
ドメーヌの畑は古代に侵食されたアルモリカン山の麓にあります。 片麻岩(へんまがん)と石英、花崗岩などの火山のマグマに由来する変成岩がモザイク 状に広がっています。

片麻岩(へんまがん)と石英、花崗岩の 2つの区画から、テロワールを表現するリューディのミュスカデを手掛けています。
ドメ ーヌのワインは 2021年が初ヴィンテージですが、既に三ツ星のレジス・エ・ジャック・マルコンを始め、ナントやパリの若い星付きのレストランでサービスされて好評を博しています。




❦ 畑

畑は、以下の 2 つのリュー・ディに分かれています。
La Mauguitonnière ラ・モーギトニエール
Maisdon-sur-Sevre メスドン・シュール・セーヴルのコミューンにある畑で、樹齢 1950 年代に植樹された樹齢 60年を超える古木のムロン・ド・ブルゴーニュが栽培されている。表土の浅い、片麻岩とシレックスの土壌。
Le Query ル・ケリー
1920~60 年代植樹の古木のムロン・ド・ブルゴーニュと、樹齢の若いメルローが栽培されている区画。花崗岩土壌で。Château Thébaud シャトー・テボーのコミューンに位置する。

栽培はビオロジックとビオディナミで、馬による耕作も行っています。畝の間にはカバークロ ップを生やしているため、ドメーヌの畑には、昆虫やトカゲ、野ウサギなどが沢山います。
剪定方法はギュイヨ・プーサール、芽かきの段階で厳格に摘み取りを行って収量を調整しま す。ドメーヌの畑のブドウは成育力が低く、自然に低収量になるため、グリーンハーベストや除葉は行いません。温暖化の影響で摘芯も行いません。
ピエールは、ブドウ畑で自然が対立しないように、草を生やし、土に生命を吹き込むように、自然そのものを表現しようと努めています。


❦ 醸造

醸造においても、ピエールは全てを自分自身の手で、アーティザナル(職人的) な手作業で行うことにこだわりを持っています。このため収穫は手摘み。ブドウが潰れないよ うに小さなケースで醸造所に運び、古い木製の手動式の垂直圧搾機で圧搾します。発酵は野生酵母で行われ、清澄や濾過をせずに熟成され、マロ発酵も自然に行われます。ピ エールは真っ直ぐで逸脱しないワインを造ろうと努めているため、瓶詰め前に必要最小限の亜硫酸塩を添加します。瓶詰めもラベル貼り、ワックスがけも全て手作業です。
ピエールはローヌで働いていた経験から、ローヌの白ワインが好きで、ワイン造りにおいても、 酸よりも苦みを重視しています。 このため、ドメーヌのワインは他のミュスカデのドメーヌのワイ ンと比べて、熟していて、まろやかで、ボリュームがあるのが特徴です(もちろんヴィンテージ によって緊張感があるキュヴェも存在します)。 また、伝統的にミュスカデではマロ発酵がブロックされていますが、ドメーヌでは、マロ発酵を自発的に行わせて、ワインにボリュームを与え、アロマを変化させています。さらに、亜硫酸の添加量が少ないため、よりオープンなワイ ンとなっています。 ドメーヌが目指しているのは、その年のヴィンテージを反映してくれる表現力豊かなワインです。 ピエールは、コンプレモンテールのマリオン・ペシューとマニュエル・ランドロン、ドメーヌ・ランド ロンのジョー(父)とエレーヌ(娘)達と定期的に交流して、ブドウ栽培やワイン造りについて、意見交換をしています。また、ペトゥアン・エ・アンラジェなど、この数年にミュスカデで設立された、新しいドメーヌの交流グループがあり、それにも参加して知見を深めています。