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Famille de Boel France

ファミーユ・ド・ボエル・フランス

ファミーユ・ド・ボエル・フランスの写真1 ファミーユ・ド・ボエル・フランスの写真2 ファミーユ・ド・ボエル・フランスの写真3
URL https://www.famille-deboelfrance.com/
設立 2016年
本拠地 Lemps (ラン)
当主 Arnaud de BOEL(アルノー・ドゥ・ボエル)
畑の総面積 14ha
資料提供 Orveaux, inc.


❦ 詳細・歴史

DE BOEL FRANCE(ドゥ・ボエル・フランス)というやや風変わりなドメーヌの名前は、ベルギー人のArnaud DE BOEL(アルノー・ドゥ・ボエル)とブルターニュ出身のNelly FRANCE(ネリー・フランス)、夫婦二人の苗字を組み合わせたものです。
ニュージーランドでのワイン造りを通じて出会った二人は、フランスへ帰国後、最も好きな品種であるシラーからワインを造るため、2016年にローヌにドメーヌを設立しました。

フランス最初のレストラン、遭難した漁師が生き延びるために食べ続けたエビ、飢餓に面した人々が動物園の動物を食べる……などなど食べることが大好きな夫婦の造るワインのエチケットとキュヴェ名は、すべて食に関するユーモラスな小噺に題をとっています。
受け継いだ土地や家族などに縛られず、自分たちの理想とするワインを造る。という、ニューカマーならではの能動的なアプローチが、完成された一皿のようなワインをつくり出しています。

ワイン造りを始めるに際し、有機農法、ひいてはビオディナミを実践するという選択は、二人にとって当然の前提でした。 それは、ちょうど時を同じくして産まれた息子にも、体によく、美味しいものを口にしながら育ってほしい。という想いが、夫婦の中で共有されていたからです。 ローヌ渓谷を一望する、美しい丘の上のドメーヌを中心として繰り広げられる彼らの生活は、自然に包まれた、穏やかさと厳しさの二面性をあわせ持ったものです。 普段は幼い子供たちの遊び相手を務める裏庭のカモ、ニワトリ、そして羊は、畑に出ると、よき相棒として雑草や害虫を退治してくれます。 ワイン畑の隣に設けられた家庭菜園では、土壌や気温、密植に対する野菜の反応を観察する実験が繰り返され、そのフィードバックはワイン造りに生かされます。そしてもちろん、その友達、相棒、収穫された野菜はみな、ワインとともに家族の食卓に並ぶこととなります。


❦ 畑

ドメーヌは、コルナス、サン・ジョセフといった貴重なアペラシオンを含む合計14haの畑を所有しています。
ビオディナミで営まれる彼らの畑の輪郭は厳密ではなく、りんごや桑といった果樹がぶどうのすぐ隣に植えられ、一帯が多種多様な昆虫や動植物の生息の場となっていることが見てとれます。 栗の木を用いた棒仕立てにより、ぶどうが1,8mほどの高さまで蔓をのびのびと伸ばしている様子とあわせて、ぶどうが本来成長する森の中の風景を思わせます。
収穫は、同じ土地の伝統派をギョッとさせるほど早いタイミングで行います。 複雑さをもたらすのに十分な果実の熟度は確保しながらも、必要以上の糖度の上昇をおさえ、近年のローヌワインにともすると欠けがちな酸を残すことに成功しているため、口当たりはどのキュヴェも静かで繊細、エレガントな印象です。


❦ 醸造

マセラシオンの温度や期間を調整し、低圧で優しくプレス。キュヴェごとに必要とする以上のタンニンの抽出は行いません。アッサンブラージュは彼らの真骨頂といえるでしょう。あたかも熟練のシェフが一皿を仕上げるかのように、自分たちが手塩にかけて育てたブドウの個性を最大限引き出してゆきます。
エルバージュにはステンレスタンク、4年以上の大樽(600L)、アンフォラの三種類を用いています。 アンフォラは壺型と卵型を使い分け、滑らかな"食感"と評してもよい口当たりを実現しています。