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Jean-Louis Chave

ジャン・ルイ・シャーヴ

ジャン・ルイ・シャーヴの写真1 ジャン・ルイ・シャーヴの写真2 ジャン・ルイ・シャーヴの写真3
URL http://hermite.fr/domaine-jean-louis-chave
設立 1481年
本拠地 Mauves(モーヴ)
当主 Jean-Louis Chave(ジャン・ルイ・シャーヴ)
畑の総面積 28ha


❦ 詳細・歴史

ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴは言わずと知れたエルミタージュのNo.1生産者でローヌ、世界を代表する生産者の一人です。

今日ではラベルにはジャン・ルイ・シャーヴの名前が記述されていますが、この生産者の歴史はここから始まった訳ではありません。実際にシャーヴ家のワイン造りは1481年にスタートと世界でも有数の長い歴史を持っています。
(ヴィンテージ・ラベルにもVignerons de Père en Fils depuis 1481と記載されています。)シャーヴ家のブドウ栽培、そしてワイン造りの歴史は意外な事に現在のサン・ジョセフのエリアで始まりました。土地と偉大なワイン造りの歴史は代々受け継がれ、近年の世代交代は前当主ジェラール・シャーヴから現当主ジャン・ルイ・シャーヴに移った事です。ジャン・ルイ・シャーヴは16代目当主としてワイン造りを行っています。

シャーヴ家がサン・ジョセフからエルミタージュに移ったのは19世紀後半ヨーロッパ各地にフィロキセラが蔓延していた頃でした。そしてモーヴでの生産を開始、今日でもエルミタージュを生産しています。2014年にはセラーの改築、拡張工事も行われています。

ジャン・ルイ・シャーヴのエルミタージュの赤は2種類、スタンダード・キュヴェのエルミタージュとスペシャル・キュヴェのキュヴェ・カトラン。所有する畑は9.3haでブドウの平均樹齢は50年近くに上ります。エルミタージュの白はマルサンヌ80%とルーサンヌ20%のブレンドでブドウの平均樹齢は60年近く。赤白合わせて14.5haをエルミタージュに所有しています。スペシャル・キュヴェのキュヴェ・カトランは友人でありフランスの画家であるベルナール・カトランに向けて造られた事からその名前がつきました。

シャーヴのエルミタージュの複雑さ、美しさは熟達したブレンド技術によるものです。赤ワインに関してはシラー100%で造られていますが、エルミタージュでも優れた区画を所有します。赤ワイン用の区画はベッサール、レルミット、ペレア、メアル、ボーム、ディオニエール、そしてヴェルカンディエール。このうち2haを所有するベッサールのブドウがシャーヴのエルミタージュの根幹をなしていると多くの人は考えています。

今市場で滅多に見かける事の無いスペシャル・キュヴェ、カトランは1985年がファースト・ヴィンテージで友人であるベルナール・カトランの為に造られました。通常のエルミタージュとはブレンドが異なり主にベッサールのブドウが使用され、より凝縮感とフィネスのある仕上がりになっています。またエルミタージュに比べて新樽比率が上がる事も異なります。

またあまり知られていませんがシャーヴはヴァン・ド・パイユという甘口ワインも生産しています。今まで9ヴィンテージ生産が確認されており、年産1000本という希少なワインです。

近年ではネゴシアンとして近隣のブドウ栽培家からブドウを購入し、北ローヌ各地のアペラシオンのワインも生産していますが、こちらもドメーヌものと一切醸造を変えておらず、ドメーヌのブドウも大量に使われている為非常にお買い得です。長期熟成が必要なドメーヌものと異なり、若いうちに飲んで楽しめるワインを造る事を目的としています。


❦ 畑

当然、土壌の種類も豊富で花崗岩、石灰岩、シスト、粘土や砂質土壌と異なるテロワールを所有しています。ベッサールは急な斜面の中腹に位置する花崗岩質土壌で平均樹齢は50年ながらも80年以上の古木も栽培されています。
白ワイン用の区画はロクール、レルミット、ペルア、メゾン・ブランシュが中心でロクールには樹齢80年以上のブドウが栽培されています。


❦ 醸造

区画ごとに醸造を行っており、1991年よりステンレス・タンクに加えて3つの開放式木製槽を使用しています。

赤ワインの醸造は通常除梗が行われ、果実が良く熟した年でも最大50%までしか全房発酵は行いません。醸造はコンクリート槽、ステンレス・タンク、古い開放式のフレンチ・オークを用いて行われ、新樽の使用は10%未満に抑えられています。マロラクティック発酵はヴィンテージに応じて樽、大樽、タンクを使用。発酵が終わると228リットルのフレンチ・オークに移し18ヶ月間熟成を行います。新樽はヴィンテージに応じて10〜20%、新樽以外のものはブルゴーニュから来た1〜5年使用樽を使用しています。
ジャン・ルイ・シャーヴでは新樽率を削減する方向に向かっており、ジャン・ルイ氏によると洗練されたタンニンを持つワインには新樽は過分に必要としないとの事です。熟成が終わった後にワインはブレンドされ、ボトリングはその60〜90日後に行われます。

白ワインは33%がフレンチ・オーク、67%がステンレス・タンクで行われ、常にマルサンヌ80%、ルーサンヌ20%の比率でブレンドされています。
熟成は新旧のフレンチ・オークとステンレス・タンクで18ヶ月。