Schiopetto
スキオペット
❦ 詳細・歴史
白ワインの銘醸地としてフリウーリ・ヴネェツィア・ジューリア州の名声は一人の情熱的な生産者マリオ・スキオペットの存在なくして成り立たなかったであろう。彼はウディネでリストランテ・アルベルゴを営んでいた実家を離れフランスやドイツに赴いた。如何にしてそこで上質なワイン造りが行われているかをつぶさに体感して、自らの育ったフリウリに立ち戻った時、この地の潜在能力と自分のなすべき事が明確に浮かび上がった。それはここでこれまで普通に行われてきた葡萄栽培者とワイン醸造が別に行われていた流れから、『高いドイツの技術とフランスの理念を背景にしたこの地のワイン』を自らの手で産み出すことであった。
1965年カプリーヴァでブドウ畑を借受けワイン造りを開始する。その情熱的な姿勢を受け継いだ息子たちは共に働く中で彼のワイン哲学である『良いワインとは大地の誠実な表現であり、またそのワインを造る人の誠実さの表れでもある。そしてそれらは人々の自然に対する大いなる尊敬に基づいてのみなしうる』という事を体感していく。亡き父の後を受け変わらず高い理念と情熱をもって造る彼らに他の生産者と異なる品性を感じるのかそれは自然に対する感性の高さ、幾多の試行錯誤を繰り返した経験、そして継承された伝統、これらが相まって今なお新たなワイナリーの物語をつむぎ出し続けているからではなかろうか。
❦ 畑
ワイン造りを始めた1965年から借受けていた歴史あるカプリーヴァの畑を購入したのが1989年のことで、ここは典型的なコッリオの土壌『ポンカ』と呼ばれる貝殻等の多い石灰質を多く含む泥灰土をしており、白のピノ・グリージョ、ソーヴィニヨン、フリウラーノ、ピノ・ビアンコを栽培している。コッリ・オリエンターレ・デル・フリウーリ生産地域の中にあるマンザーノに1996年に購入したのがポデーレ・デイ・ブルメーリで、より粘土質の多い石灰土壌を持ち主に黒葡萄の栽培を行っている。
❦ 醸造
1990年から1992年にかけて、造られた新たなカンティーナはその後もこの地のカンティーナ設営のモデルとなった。彼らは先進的な醸造設備を所有しているが、それは安定的に美味しいワインを造るためリスク回避を目的としている。あくまでも葡萄畑での多くの作業をしっかりと反映させる為に他ならないと語る。個別に収穫された葡萄は発酵から熟成まで別立てで仕立てられたり、天然酵母を使用した発酵や、最低限のSO2しか使用しないことからもうかがい知ることができる。