Margherita Otto
マルゲリータ・オット
❦ 詳細・歴史
偉大な生産者の右腕として
マルゲリータ・オットを造るのはアメリカ出身のアラン・マンリー。イタリアワインラヴァーの方は彼のワインを飲めば、彼が誰とともに働いていたのかがすぐに頭に浮かぶかもしれない。ルチアーノ・サンドローネ、エリオ・アルターレ、カヴァロット、マルコ・マレンゴ。様々な偉大な生産者の下で働いたが、彼のスタイルに最も影響を与えたのは彼が10年働いたバルトロ・マスカレッロのマリア・テレーザ。最も偉大な伝統派バローロのひとつとして知られるカンティーナ・バルトロ・マスカレッロ。現当主マリア・テレーザの右腕として2011年から10年間、ブドウ栽培とワイン醸造を行っていた。
❦ 畑
“クリュ”を造らない伝統的なバローロ
バルトロ・マスカレッロのスタイルと言えば、全てのクリュを混醸する”アッセンブラッジョ (assemblaggio)”、そして長期マセラシオンと伝統的な大樽による熟成。様々なワイン生産者のもとで学んだアラン。「多くの偉大なバローロ生産者の下で働かせてもらった。みんな個性があって素晴らしいワインを造っているけど、僕はバルトロ・マスカレッロのスタイルが好きだし、それこそが伝統的なバローロだと思うんだ。」マリア・テレーザの右腕として働くかたわら、アランは2012年、0.1 haの畑を手に入れたことで自らのワイン造りをスタートする。2015年に正式にカンティーナを設立し、現在はモンフォルテ・ダルバ、セッラルンガ・ダルバ、バローロ村に4つの畑、計3.2 haを所有している。収穫後、全ての畑のブドウを合わせて醸造を行う。「今はバローロもクリュの概念が確立して、多くの生産者がクリュに注目したワイン造りを行っている。それでも僕にとってはアッセンブラッジョが伝統的なバローロだと思うから、どんなに優れたブドウでも”クリュ・バローロ”は造らないんだ。」現在、アッセンブラッジョワインのみを造っているのはバローロで2生産者のみだという。
❦ 醸造
徹底的なこだわり、畑からボトリングまで
スタイルが似ているとはいえもちろんバルトロ・マスカレッロのワインとは異なる。それはスイス人の両親を持ちアメリカ生まれという彼のバックグラウンドだけでなく、彼自身の優しくも真面目な性格によるものだろう。おおらかでふくよかさを感じさせるバルトロ・マスカレッロに対し、アランのワインはより緻密で細部まで徹底されたこだわりを感じる。土壌との向き合い方、ブドウ樹の剪定・管理、収穫からボトリングまで、どれほど細かいのか枚挙にいとまがないが、興味のある方は彼のホームページを覗いてみて頂きたい。その情報量にきっと圧倒されるだろう。
「現在、バローロおいて最大のリスクは温暖化によるブドウの過熟。個人的にアルコール度数が上がりすぎることよりも、ブドウの糖度の成長速度に種やタンニンの成熟が伴わないことによるアンバランスさを一番懸念している。」そう語るアランは基本的にグリーンハーベストをせず、ブドウの蔓もカットせずに巻き付ける”アル・カプレ”という手法を取っている。ブドウを西日や雹から守りながら、種やタンニンの十分な成熟を待てるという。また、樽選びも徹底的にこだわり、彼のバローロにとって理想的としてミッテルベルガー社の大樽を使用している。また、ボトリングでも最初と最後で差が出ないように一日で全てのボトリングを行う。