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Sette

セッテ

セッテの写真1 セッテの写真2 セッテの写真3
URL https://www.sette.wine/
設立 2017年
本拠地 Nizza Monferrato(ニッツァ・モンフェッラート)
当主 Gino della Porta(ジノ・デラ・ポルタ)
畑の総面積 4.5ha
資料提供 VIVIT


❦ 詳細・歴史

Sette セッテは 2017 年に Gino della Porta ジノ・デラ・ポルタによって、Nizza Monferrato ニッツァ・モンフェッラートに設立されたナチュラルワイナリーです。
ジノは 1973 年にローマ北部の小さな村で生まれました。両親が4.5ha のブドウ畑を所有して、農薬を使わずにブドウを栽培していました。ブドウは全て地元の他の生産者に売っていましたが、自家消費用のために少量のワインを造っていました。そのワインは醸造添加物を使わない、今で言う「ナチュラルワイン」でした。このため、ジノは子供の頃から自然とナチュラルワインに触れ合う環境に育ったのです。しかし、1999 年に父が逝去。実家 から遠く離れた場所に住んでいたジノは、やむなくブドウ畑は売却してしまったのです。
大学で現代文学を学んだジノは、2003 年までピサでコミック・ショップを経営していました。その後、小さなナチュールの造り手のワインのマーケティングとブランディングの会社を設立。レ・ボンチエやカッペッラーノ、マルコ・サーラ、イ・マンドルリなどのコンサルタントとして活躍。
2017年のある日、ニッツァ・モンフェッラートを訪れたジノは、あるブドウ畑を見て一目で恋に落ちます。その畑は、丘陵の南斜面に位置し、樹齢 25年から 80年に達するバルベーラ主体の素晴らしい畑でした。
この時、ジノは天啓に打たれたように、長年、他のワイナリーのために働いてきましたが、 自分自身でブドウを栽培してナチュラルワインを造るのに適切な時が来たと感じたそうです。 こうして、ジノは友人であり、共同経営者であるジャンルカ・コロンボ(バローロで自身のワイ ナリー経営)とともに、セッテを設立。セッテはジノの中で湧き上がってきた創造的なプロジェクトです。新しい道を探検すること、新しい挑戦への興奮、そして新しい場所で自然と地球に貢献したいという願望から生まれました。
ワイナリー名の Sette セッテ(イタリア語で数字の 7 を意味する単語)は、錬金術の用語に由来しています。セッテとは「創造的な人」を意味します。到達したい目標、新しいプロジェクトがあったら、すぐに行動したくなってしまう人のことです。ジノ・デラ・ポルタとジャンルカ・ コロンボの二人はまさにこのような性格でした。二人は生来の好奇心に動かされて、セッテを設立して新しいチャレンジを始めたのです。また、錬金術におけるセッテには父も母もいません。このため、地元の人達のように家族から継承した伝統もありません。二人は誰にも、 地元の慣習にもとらわれず、自由に自分達の道を歩んでいるのです。


❦ 畑

ニッツァ・モンフェッラートは非常にユニークなテロワールで、ランゲよりもエレガントで酸と深みがあるバルベーラが生まれると言われています。セッテの畑は DOCGNizza 域内にあるため、バルベーラで造る赤ワインは全てニッツアでリリースすることができますが、セッテでは畑の最上のバルベーラの区画から造られるキュヴェのみをニッツアでリリースし、その他のキュヴェは格下げして、バルベーラ・ダスティとしてリリースしています。また、若木のブドウはロゼに仕立てたり、エントリー・レンジのキュヴェにブレンドしています。ジノは、モスカートの名手エツィオ・チェッルーティとも交流があり、友人だそうです。彼のドライ・モスカートが大好きで、自分でもドライ・モスカートを造りたかったジノは、醸造について彼に教えを
受けに行ったそうです。また、セッテの共同経営者であるジャンルカ・コロンボは、大学時代にロレンゾ・コリノ氏と一緒に共同で論文を執筆した間柄だそうです。セッテが目指しているのはナチュラルワインでも、揮発酸が高かっ たり、過度の酸化といったオフのない、テロワールを表現したファインワインです。現在生産しているキュヴェは全部で 7種類。若木のブドウからリッターボトルのヴァン・ド・ソワフも造っています。セッテのワインは、エチケットもアーティスティックで、デビューと同時にヨーロッパで人 気が爆発。デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー、オーストラリアなどに輸出されています。ヴァン・ド・ソワフの 2 種類のキュヴェ以外のエチケットは、ジノの友人であるアーティスト Arianna Vairo アリアンナ・ヴァイロによって、ジノの人生のインスピレーシ ョンである水をモチーフに描かれています。バルベーラとニッツアには、水の中にある 7 つの石 が、その他のキュヴェには海の生物が描かれています。


❦ 醸造

セッテでは、2017 年に実験的に醸造を行った後、完全経営の初年度である 2018 年からビオロジックで栽培を行っています。土壌の浄化と再生を助けるために畑にはアブラナ科の植物を植えました。さらに、土壌の複雑さと活力の増大を促し、侵食の防止にも取り組 んでいます。2020 年からはビオディナミも導入しました。セッテのブドウ畑は、この地域では 数軒程度しかない、背の高い樹木と果物の木がある希少なブドウ畑です。将来的には、こ のようなアグロフォレスティエールの植生を増やし、ブドウ畑に 40 種類以上の地元の果物 や背の高い木を植える計画です。栽培面積は 7ヘクタールで、17の細かい区画に分かれています。栽培品種はバルベーラがメイン(5.2ha)、その他に、モスカート (0.675ha)、グリニョリーニョ(0.45ha)、シラー(0.3ha)、カベルネ・ソーヴィニョン (0.3ha)、アルネイス(0.075ha)を少しずつ栽培しています。
そもそも、ジノはバルベーラに深い愛着を持っていました。なぜなら、彼が自分自身でワイ ン造りをしたいと初めて感じたのは、トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェを味わって感銘を受けた時のことだったからです。現在のセッテの畑を購入したのも、畑のバルベーラの美しさに惹かれたからでした。もちろん、ヴィーニャ・デル・ノーチェとセッテの畑とは、テロワールもワイ ンの個性も異なりますが、ジノは、トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェと、そしてカーゼ・コ リーニのバルベーラが、ピエモンテで造られる最上のバルベーラであると考えています。そして 今でも二人を尊敬してワイン造りをしています。