Bonaccorsi
ボナコロッシ
❦ 詳細・歴史
ボナッコルシは1763年からエトナ周辺にブドウやオリーブの畑など広大な土地を所有する一族で、医師でありワイン愛好家の前当主ヴィンチェンツォ・ボナッコルシの趣味が高じて、ブドウ栽培だけでなく醸造も行うようになった。当初、ワインは自家消費もしくはバルク売りされていたが、1997年より本格的にワイン造りを開始。所有の醸造施設がなかったため、その当時十分な設備と確かな技術を持った唯一の造り手であったベナンティのセラーを借り、シチリアワインの第一人者であるサルヴォ・フォーティの指導の下、ワインの品質を向上させていった。
畑が位置するのは、優れたワインを生み出す条件が全て揃ったエトナ山の北東斜面の標高650-800m地点で、ブドウ栽培には化学薬品を用いないビオロジックを採用。恵まれたテロワールを誇る昔ながらのテラス状の畑には、最高樹齢80年のブドウを含め、ネレッロ・マスカレーゼとネレッロ・カプッチョがアルベレッロ(ゴブレと同様の株仕立て)で混植されている。
この伝統の仕立て方法では、収量が自然と制限され、ブドウが理想的に成熟するため、ワインには凝縮感と力強さが備わる。また、アルベレッロでは樹間が狭くなりトラクターで耕運する余地がなく、ラバを用いて畑を耕しているが、これにより土が空気を含んで柔らかくなり、ブドウの樹が地中深くまで根を伸ばし、土壌の豊かなミネラルをよりよく吸収することが可能となる。これらエトナ伝統の手法について、ヴィンチェンツォの娘アリーチェは「エトナで良いワインを造るための一番の方法」だと語る。
❦ 畑
土壌 ミネラル豊富な黒い溶岩由来の火山性土壌。
栽培方法 ビオロジックでブドウ栽培を行う。伝統的なアルベレッロ(ゴブレと同様の株仕立て)で仕立てるため、樹と樹の間隔が狭くなることから、ラバで畑を耕す昔ながらのブドウ栽培を行っている。植樹にはクローンを用いず、セレクション・マッサールを採用している。
❦ 醸造
醸造方法 Valcerasa Etna Rossoでは、発酵には温度管理可能なステンレス、マロラクティック発酵・熟成には225Lのバリックを用いる。収穫は10月中旬。マセラシオンは10-15日間。12ヶ月(バリック60%:新樽率はわずか、ステンレスタンク40%)熟成後、ブレンドしてステンレスタンクで12-18ヶ月。瓶詰後も1年間セラーで寝かせる。