Fattoria la Lecciaia
ファットリア・ラ・レッチャイラ
URL |
www.lecciaia.it |
設立 |
1983年 |
本拠地 |
Montalcino (モンタルチーノ) |
当主 |
Mauro Pacini(マウロ・パチーニ) |
畑の総面積 |
32ha |
資料提供 |
Firadis |
❦ 詳細・歴史
983年にマウロ・パチーニにより設立されたこの醸造所がモットーとするのは「お値打ちな極上ワイン」。マウロは元々北トスカーナのルッカでワインを造っていたが、もっと品質の優れたワインを目指して最高の土地を探したところ、モンタルチーノのこの畑に辿り着いた。先祖代々受け継いだルッカの畑を売ってレッチャイアを取得後、少しずつ畑を増やしていき、現在ではモンタルチーノとマレンマに計32haの畑を所有する。他に15haの契約畑もあるが、所有畑と同様の品質管理の下、低収量の健全なブドウを得るべく栽培を行っている。
❦ 畑
土壌 石が多いシストベースのガレストロ
栽培方法 ブドウの樹の仕立てはコルドン。ブドウを間引くことで収量制限を行っている。
トスカーナの三大サンジョヴェーゼのひとつ、ブルネッロを育むモンタルチーノの丘は、ティレニア海から約60km離れた丘陵地帯にぽっかり浮かぶひとつの島のようにも見える。南東部にあるアミアータ山のおかげで豪雨や雹など突発的な天候の変化から守られた温暖な地中海性気候と、春と晩秋にまとめて雨が降る恵まれた気候条件から、酸が高くタンニン等のフェノール類が通常のサンジョヴェーゼよりも豊富なサンジョヴェーゼ・グロッソをじっくり完熟させることができる、この品種のためにあつらえたかのような土地である。
ブルネッロを北側斜面、南側斜面、最南端と大きく3つのエリアに分類するならば、ゆるやかな曲線を描く丘の南側斜面では、北側斜面よりも肥えた土壌と、惜しみなく降り注ぐ太陽、風通しの良さから最南端ほど暑くならない温暖な気候に恵まれ、熟した果実としっかりとしたストラクチャーを備えたワインが生まれる。特にモンタルチーノの街に近い丘の中心付近は、第一級の生産者が多いことから分かる通り、優れた畑が集中している。この南側斜面の中腹にある海抜350mのレッチャイアもそのひとつで、東向きに開けた畑はあのビオンディ・サンティと同じ並びにあり、太陽への露出やシストベースの古い粘土質土壌など非常によく似たテロワールを持つ。
❦ 醸造
醸造方法 9月末から10月初旬にかけて手作業で収穫後、温度管理しながらステンレスタンクで15-20日間発酵。熟成には伝統的なスロヴェニアン・オークの大樽(ブルネッロで113hl、ロッソ・ディ・モンタルチーノとロッソ・ディ・トスカーナで20-50hl)を用いている。
テロワールの恩恵を受けた上質のブドウを活かすため、醸造工程は至ってシンプルだ。ステンレスタンクで温度管理をしながら発酵し、伝統的なスロヴェニアン・オークの大樽にてゆっくりと熟成することで、南側斜面の大らかなフルーティさを引き出している。醸造責任者のピエトロ・リヴェッラは、モンタルチーノの北側斜面にあるアルテジーノでも醸造を手掛けるブルネッロのスペシャリストである。長年バンフィで醸造責任者を務め、現在はブルネッロ協会の会長である兄のエツィオ・リヴェッラ同様、モンタルチーノのワインを黎明期から牽引してきた。素晴らしいテロワールと偉大な醸造家、そして肩肘張らない信念の組み合わせにより、クラシックな魅力がナチュラルに表現された優良ブルネッロである。