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Montenidoli

モンテニドーリ

モンテニドーリの写真1 モンテニドーリの写真2 モンテニドーリの写真3
URL http://www.pavese.vievini.it
設立 1965年
本拠地 San Gimignano(サン・ジミニャーノ)
当主 Erizaveta Fagioli(エリザベータ・ファジョーリ)
畑の総面積 22ha
資料提供 Wine-Wave


❦ 詳細・歴史

1965年に創業したモンテニドーリはこの地にとっては新参者であり、よそ者であったことに今更ながら驚かされる。アマローネの名門アッレグリーニの一族の娘に生まれたエリザベッタ・ファジョーリは、『ワイン造り=男の仕事』という封建的な家風から飛びだし移り住んだ。彼女はこの地の誰よりも伝統的な葡萄に深い愛着をもって接し、かたくなに可能性を信じ、地味あふれるワインの具現化を目指した。醸造技術の進歩はワインの品質の根底を支えるものとなり、ヴェルナッチァ・ディ・サンジミニャーノの普及に大きな礎となったことであろう。また近年シンデレラ・ストーリーを手にした若き生産者が再現した果実味のあふれるスタイルのワインも新たな魅力といえよう。しかし強い信念とゆるぎない大地への慈愛を持つ彼女のワインは明らかに別の世界観を感じさせる気高さに満ちあふれている。 彼女の先進性に最初に気づき賞賛の評価を与えたのは、1995年にボルドーのヴィネクスポで89年のカラートが1400もの白ワインの頂点にたつことで実証された。一方で彼女はイタリア国内のワインジャーナリズムの画一性とその態度を激しく拒絶し、距離をおいて付き合ってきた。数少なき深い親交のあった今は亡きルイージ・ヴェロネッリは『エリザベッタはサンジミニャーノに隠棲し大地と共にある。彼女のワインに出会ったならワイン造りの数千年の文化が持っている静謐な力であなたに感動を与えることだろう。』と語っている。まさしく強き信念を持ち、畑で多くの仕事をこなす孤高の生産者と言えよう。そのことを本人に話すと彼女は言葉少なげに、しかし力強く語った。『私は大地のお守りをしている看護士のようなものでしかないわよ。』と…。

商品群は大別して3種のカテゴリーで構成される。主軸のヴェルナッチャ種は3つの異なるスタイルで仕立てられている。ベースのトラディジォナーレと、洗練された食事との相性をイメージしたフィオーレ、そして小樽熟成のカラートがある。次にキアンティ・コッリ・セネージを2種。イル・ガッルーロは今日では珍しい白葡萄を混醸して造られる。モンテニドーリは黒葡萄のみ使用。前述のDOCGワインに加え伝統品種を使用した個性豊かなIGTのワイン群としてトレッビアーノとマルヴァジアのヴィンブルスコ。ヴェルナッチャにトレッビアーノ、マルヴァジアを混醸し樽熟成させているテンプラーレ。 カナイオーロ種のみで造られるロゼ“カナイウオーロ”とサンジョヴェーゼ100%のトップ・キュヴェ“ソノ・モンテニドーリ”を生産している。

住所: Strada Pineta, 26 - 11017 MORGEX (AO)


❦ 畑

現在22ha所有する葡萄畑は東向きで早朝に日照があることがヴェルナッチャにとって非常に重要とされる。土壌は全く異なる2種類の地質からなる。リグーリア海の新生代隆起に伴い出来た石灰質に富んだ粘土質土壌には白葡萄を栽培している。一方、三畳紀由来のマグネシウム分豊かな粘土質土壌には主に黒葡萄を栽培している。創業当初から一切の農薬を使用せず葡萄栽培をとりおこなってきた。


❦ 醸造

過度な醸造技術に偏るのでなく、葡萄本来の個性を際立たせる事に重きをおいて造ることを主眼にしている。例えばトップ・キュヴェでも新樽使用率は30%に抑え、セコンド、テルツォ・パッサジオの樽を半々使用している。