Grosjean
グロシアン
❦ 詳細・歴史
アオスタ州はイタリア全州の内最も面積が狭くほぼ埼玉県と同じ大きさしかない。しかもその85%が丘陵と山岳に囲まれた地域で、標高は低い所でも400mでグロシアンの畑のあるクアルト辺りは600m位ある。アオスタ州では長年にわたり協同組合によるワイン造りがその中心的役割を果たしてきた。その中で同社は1969年に前当主ドゥーファン・グロシアンによって自らのワイン造りが開始される。その後、現当主ヴィンセントと4人の兄弟がたちが精力的に葡萄栽培とワイン造りを引継いでいる。
ヴィンセントは語る。『この地において葡萄栽培は簡単でない。総ての作業は手作業だ。だがその手間をかけてこそ葡萄栽培に関する毎年の蓄積が私たちの力になる』と。1975年から殺虫剤等の使用を中止し、有機栽培の導入を計った。『私たちが培ってきた経験からすると土壌が健全であることがより葡萄に良い影響を与える。引いてはナチュラルで複雑な味わいをもったワインこそ私たちの目指すものだ』と語る。
❦ 畑
現在所有する畑はクアルトのロヴェタッツとサン・クリストフのズリアットの2つの葡萄園で12haを所有している。土壌は粘土質ベースに砂と石灰を含んだ中程度の重さを持つ。栽培している葡萄は、白がプティット・アルヴィーヌ、ミュスカ・ペティ・グランなど、赤はブルゴーニュ公国時代からこの地に根付いたガメイ、ピノ・ネーロなどの他、フメン、プティ・ルージュ、コルナレン、マヨレ、プレメッタなど個性豊かな伝統品種も多く栽培している。
❦ 醸造
葡萄本来のポテンシャルを重視する為に人為的な醸造過程を決して行わない。天然酵母を選択していることから当然酵母培養を行う専用のタンクも所有。品種個性に合わせて、ステンレスタンク、セメント、バリック、大樽の4種より最適なものを選び熟成させている。またSO2添加量にも極力抑えることで、本来のワインの持つ風合いを重視して造っている。
現在品種名をラベルに記載したヴァラエタル・シリーズを多く生産。すべて葡萄栽培から手がけており、この地の葡萄品種の個性を理解するには最適。赤はフメン、トレッテ(プティ・ルージュ主体)、コルナレン、マヨレー、プレメッタ等のこの地の原産品種とピノ・ノワールとガメイを、白はプテット・アルヴィーヌとモスカート・ビアンコ・セッコを生産。中でもカンティーナに近いロヴェタッツの畑で造られたフメンは原産品種ですでに高い評価を集めている。