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Henriques & Henriques

エンリケシュ&エンリケシュ

エンリケシュ&エンリケシュの写真1 エンリケシュ&エンリケシュの写真2 エンリケシュ&エンリケシュの写真3
URL http://www.henriquesehenriques.pt/?verified=yes
設立 1850年
本拠地 Câmara de Lobos(カマラ・デ・ロボス)
当主 ()
畑の総面積
資料提供 RAFFINE


❦ 詳細・歴史

1850年にジョアン・エンリケシュによってワイン醸造所が創業されましたが、彼の死後1913年に、息子2人に引き継がれ 「エン リケシュ&エンリケシュ社」が設立されました。 マデイラ島にブドウが植えられてからというもの、ブドウ栽培農家と醸造所は分業でしたが、同社は1925年までに自社農場を創 設し、ネゴシアンの枠を超えて自社畑のブドウを用いてワイン造りをするなど、島のワイン造りの歴史に大きな変革を起こしまし た。その後、同社は友人たちに引き継がれましたが、1992年、拡張のため500万ユーロを投資し、島南部の風光明媚な漁村 カマラ・デ・ロボスに新しい醸造センターや実験室などを併設した自社オフィスを設立しました。1995年には新たにブドウ畑を 10ha増やしましたが、同社はマデイラ島で自社畑を持つ唯一の造り手です。最新の技術を駆使し、最高級のワイン造りに挑み 続ける同社ですが、同時に160年以上に渡る伝統を維持することも大切にしています。


❦ 畑

自社畑は島の中ほどキンタ・グランデの地にあります。気候は亜熱帯性気候で、年間平均気温が20°C前後と一年を通して温 暖です。雨は少なく季節による気温差は小さいですが、夏は湿気が高くなります。土壌は主に玄武岩を含んだ火山性土壌 で、いずれの畑も急勾配な場所に立地しています。 自社では三品種、セルシアル、ヴェルデーリョ、テランテスを栽培しています。


❦ 醸造

エンリケシュ社の醸造は、収穫して破砕後にスキン・マセレーションを行い、温度管理のもと大型のフードルで発酵させます。こ の発酵中にブドウ由来のアルコール度数96%のスピリッツを添加するタイミングを変えることで甘さを調節します。その後、数カ 月の安定期間を経たのち、オーク樽にて最低3~50年熟成させます。 この間に加熱処理を施すのがマデイラ・ワインの特徴ですが、一般的にスタンダードクラスのものと、ヴィンテージ物とでは加熱 処理の方法が異なります。
≪マデラワインの起源≫ シェリーやポートワインと並ぶ、世界三大酒精強化ワインであるマデイラ・ワインですが、その起源は大航海時代にさかのぼりま す。赤道を越える長いルートで航海を終えたマデイラ産のスティルワインが、酸化により特有のフレーヴァーを有するようになっ たのが由来といわれています。その後18世紀になり、ジブラルタル海峡の覇権を巡る紛争によって貿易航路を失ったことか ら、マデイラ島の人々は島からワインを輸出できず、島での貯蔵を余儀なくされました。その際マデイラの人々はまず、貯蔵し ていたワインの一部を蒸留し、残りのワインに加える酒精強化をすることにより、長期保存を可能にしました。そしてさらに、樽で の貯蔵中に熱を緩やかに加える技法を構築したことで、赤道を越える航海を経ることなく特有の酸化フレーヴァーを再現をす ることに成功したのです。 この加熱処理はエストゥファと呼ばれ、造り手やグレードにより様々な手法が使い分けられています。