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Micro Bio Wines

ミクロ・ビオ・ワインズ

ミクロ・ビオ・ワインズの写真1 ミクロ・ビオ・ワインズの写真2 ミクロ・ビオ・ワインズの写真3
URL http://www.microbiowines.com/ENG/indexENG.html
設立 2012年
本拠地 Nieva(ニエヴァ)
当主 Ismael Gozalo(イスマエル・ゴザロ)
畑の総面積 28.5ha
資料提供 RAFFINE


❦ 詳細・歴史

スペインのセゴビア地方で今最も注目を集めている生産者で、徹底して自然と共生し、サスティナブルな農法を用いて驚くほど高樹齢のブドウを育て、SO2をほぼ使用しないナチュラルな造り手です。当主のイスマエル・ゴザロ氏は代々ブドウ栽培を手掛けるヴィニュロンの家系の5代目で、今年2020年でヴィニュロンとして28回目の収穫を迎えました。所有する畑から採れるブドウの60%は売却しており、特に優れた区画のブドウのみを自社用に使用しています。自社畑の広さは28.5haにも及び、そのほとんどに白ブドウのヴェルデホが植えられており、主に白ワインを中心としたキュヴェを手掛けていますが、世界中でひっぱりだこの微発泡「ペット・ナット」や、醸し(スキンコンタクト)による美しい色合いの個性的なキュヴェ、希少な黒ブドウ品種 ルフェテによる赤ワインにも定評があります。畑は全て徹底した無農薬で管理されており、有機農法の認証を受けていますが、あえてワインのラベルには「オーガニック」の言葉を表示しておりません。イスマエル氏は、弊社で取り扱っているフランス・ジュラ地方のビオディナミの雄 「ドメーヌ・フランソワ・ガヌヴァ」 の当主ガヌヴァ氏と親交があり、ワイン造りに対するフィロソフィーを彼と共有しています。ちなみにフランス国内では、アンヌ・ガヌヴァ女史が 「ミクロ・ビオ・ワインズ」 のインポーターを務めています。


❦ 畑

イスマエル・ゴザロ氏は 「土壌の違い=ワインの違い」 と言い切っており、土壌の違いにたいへん拘りをもったワイン造りを行っています。所有するブドウ畑はほとんどが砂質土壌で、3種類のタイプがあると言います。彼曰く1つ目は「川の水のミネラルの影響を受けた甘い砂」、2つ目は大昔この一帯は海底だったことから「海水のミネラルの影響を受けた塩味のある砂」、3つ目は「強い風の影響を受けた乾燥した細かい砂」です。基盤となる地質はおよそ2300万年前の中新世に形成されており、砂、砂利、粘土が混じっています。このように「ミクロ・ビオ・ワインズ」の畑は大部分を砂質が占めているため、これまでほとんどフィロキセラの被害を受けてきませんでした。害虫であるアブラムシがブドウの根っこを目指して穴を掘って地中にもぐっても、サラサラとしているためにその穴はすぐに崩れてしまい、アブラムシは地中で窒息してしまうからです。それゆえ全体的に樹齢が非常に高く、一番古いブドウ樹はなんと270年にも及ぶ樹齢を誇ります。このような100~270年の樹齢のブドウの樹から取れる房は、例えばヴェルデホの場合は1房がわずか80gほどでとても小さく、人の手のひらほどもない大きさですが、果粒は非常に凝縮しており、得も言われぬ深みをワインに与えることができます。また高樹齢のブドウ樹は台木に接ぎ木をする必要がないため、若木を育てる際は特に優れた株を選び、その枝を地面に直接植えて苗木にするか、マルコタージュによる株分けが可能です。「ミクロ・ビオ・ワインズ」では、ブドウの味わいの違いとなる核は「ミクロクリマ」にあると考えているため、区画を細かく分け、それぞれの区画ごとにキュヴェを造り分けています。区画には、「風通し」、「ぶどうの房の大きさ」、「ブドウの熟度」など自社で基準を設け、「1級」や「特級」などという独自の標識を立てており、中でも特に優れたブドウを選定して自社詰めワインを造り分けています。
【標高】800~900m  【年間降水量】約250mm


❦ 醸造

イスマエル氏は鋤やバスケット、タンクや櫂など、代々受け継がれてきた多くのものを大切に用いていますが、例えば祖父の代から使われてきた500Lの容量の小さな垂直式の圧搾機は、枠の部分をステンレス製に作り変えて洗浄しやすく改造し、雑菌の繁殖でワインが劣化することがないように改良するなどして、それぞれの道具たちと上手に付き合っています。またアンフォラは100年以上に渡って大切に使い続けられてきた特別なものです。酵母は天然酵母のみに拘り、正に自然の要素が絡み合った、毎年違った表情の現れる個性的なワインが生まれています。