ラ・リオハ州はスペイン北部、ナバラ州の南、カスティーリャ・イ・レオン州、バスク州、アラゴン州に接しています。ラ・リオハ県一県で構成されており、州都はログローニョ。現存最古のスペイン語 文書が書かれたサン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院という世界遺産がラ・リオハ州にあります。
ワイン産地としてのラ・リオハ州はスペインで最も知名度のある州と言えるでしょう。その中でもD.O.Ca.リオハはスペインを代表する産地で世界的にも高い知名度を誇る産地です。D.O.Ca.はD.O.の中から厳格な基準で昇格が認められた高品質ワインにのみ与えられ、1988年に制定されてから2つの地区しか登録されていません。そのうちの1つが1991年に指定されたここリオハで、もう1つは2009年と比>較的最近指定されたプリオラート。北緯42.45度、ブドウ畑は標高300〜700mの所にあり、一年を通して温暖なワイン産地です。ブドウ栽培面積は6万3000ヘクタール。スペインの固有品種であるテンプラ>ニーリョが70%以上栽培されています。
リオハが世界的に著名な銘上ワイン産地になったきっかけは1850〜1860年代のヨーロッパでのフィロキセラの蔓延が挙げられます。フィロキセラの被害にあったボルドーのワイン商たちが代替品としてフ ィロキセラの被害が少なかったリオハに目を付けたことが転機になりました。買い付けにくるようになったボルドー商人達の好みにあったワインを造る為に当時リオハでは使用されていなかったボルドー の醸造技術が取り入れられました。その一部として除梗、小樽熟成、澱引きなどの技術が挙げられます。
リオハでも近年の世界市場の流れに沿って伝統派とモダンスタイルの生産者に分かれます。伝統派はボルドーから伝わった小樽熟成をした力強く凝縮した果実味のあるスタイルで、モダンスタイルはフレ ッシュかつフルーティーなタイプが造られています。
リオハのサブゾーンは3つあり、それぞれキャラクターの違うワインが生み出されます。またリオハではスペインワインで定められた熟成期間よりも長い熟成期間が定められており、短い方からビノ・ホ>ーベン、クリアンサ、レゼルバ、グラン・レゼルバの順に4段階に設定されています。