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Bodegas Azul y Garanza 

ボデガス・アスル・イ・ガランサ

ボデガス・アスル・イ・ガランサの写真1 ボデガス・アスル・イ・ガランサの写真2 ボデガス・アスル・イ・ガランサの写真3
URL https://www.azulygaranza.com/
設立 2000年
本拠地 Carcastillo(カルカスティーリョ)
当主 Maria & Daniel(マリア&ダニエル)
畑の総面積
資料提供 Mottox


❦ 詳細・歴史

ボデガス・アスル・イ・ガランサの設立は2000年。ピレネー山脈にもほど近いスペイン北東部ナバーラD.O.に、若い仲間3人が立ち上げたワイナリーです。
ワイナリー設立の動機は、「自分たちが理想とする自然なワイン造り」を実践すること。醸造家のマリアとダニエルは、もともとカタルーニャの醸造学校で同級生でしたが、そこで学ぶうちに二人は「ワイン造りとは技術ではなく、自然な表現が生まれる手助けをすることだ」という考えを共有するようになります。醸造学校を卒業後、それぞれ修業のために別の道を歩み、ブルゴーニュ、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンなどで経験を積みますが、その一方で、自分のワインを造りたいという夢は膨らんでいきます。そして2000年、マリアの兄でアーティストでもあるフェルナンドを迎え遂に夢の第一歩を踏み出したのです。

満を持して選んだのは、国立公園にも指定されているヨーロッパ最大の砂漠地帯ラス・バルデナス・レアレスの一端、カルカスティーリョ村に50年以上もの間打ち捨てられていた一軒の元協同組合。畑はもちろん砂漠の外にありますが、砂漠の乾燥した空気とピレネー山脈から吹き降ろす北風のお蔭で病気や害虫を寄せ付けません。気候的に難しい地で有機栽培を実践するのは大変なことですが、このテロワールのお蔭で、ワイナリーでは無理なく自然な栽培に取り組むことができるのです。


❦ 畑

自然なワイン造りを実践するワイナリーでは、土壌に合わせたブドウの自然な生育サイクルを大切にしています。

◆健康を育むテロワール
畑は隣接するバルデナス砂漠と北に控えるピレネー山脈の風のおかげで、有機栽培には大変優れた土地で、ほとんど病気の心配がありません。一般に乾燥したスペインですが、ナバーラなどの北東部では雨に悩まされる地域もあります。しかし砂漠の乾燥した空気により病気が発生することは稀な上に、ピレネーの涼風もブドウを健康に保つことに役立ちます。

◆健康なブドウ
砂漠地帯という極限の環境下にあるため、ブドウの木は自ずと木の根を地中深くまで伸ばしてしっかりと根を張っていきます。あまりに乾燥した年は、灌漑が必要になることもありますが、この時はピレネー山脈の雪解け水をうまく利用することができます。畑は州政府から正式な認証を受けた有機栽培ですが、病気がほとんど発生しない為、例えば有機栽培で許される硫黄や銅なども使う必要は全くありません。

◆ハーブの利用
病気の心配は少ないとはいえ、より健康なブドウを育てるための工夫は欠かせません。アスル・イ・ガランサのユニークな試みとして、ハーブエキスの利用があります。トクサ、イラクサ、カミツレなどのハーブを煎じたものを畑に撒くことで、ブドウの樹にエネルギーを与えることができ、抵抗力が増すようになります。これはビオディナミの考え方を取り入れたもので、ホメオパシー医療にも似ています。


❦ 醸造

1940年から1960年にかけて建設された元協同組合の施設を買い取ってワイナリーを立ち上げたアスル・イ・ガランサ。その理由は、この元組合の設備が、「コンクリートタンク」だったから。4,000から20,000リットルの小さなタンクからなるこの横長のコンクリートタンクこそが、ワイナリーのスタイル「柔らかくてきれいなワイン」造りに欠かせないものです。

◆ステンレスタンクは使いません
珍しいことにボデガでは、ステンレスタンクは一切ありません(※2017年ヴィンテージより始めたオレンジワイン造りは除く)。フレッシュでフルーティな味わいはステンレスタンクでも出せますが、ステンレスタンクで醗酵させるより、コンクリートタンクで醗酵させるほうが良いと考えています。なぜなら、ステンレスタンクは空気を完全に遮断してしまうのに対して、コンクリートタンクでは醗酵中にワインが適度に呼吸するため、フレッシュさだけでなく、ブドウの味わいがよく馴染んだより深みのある優しさが出るからです。収穫したブドウは品種や区画ごとに醸造され、テロワールを純粋に表現した品質の高いワインとなります。