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Oscar Mestre

オスカル・メストレ

オスカル・メストレの写真1 オスカル・メストレの写真2 オスカル・メストレの写真3
URL
設立
本拠地 Jalón(シャロ)
当主 Oscar Mestre Riko()
畑の総面積 16ha
資料提供 RAFFINE


❦ 詳細・歴史

オスカル・メストレはバレンシア州の南部、地中海沿いの港湾都市として発展したアリカンテから北へ約80kmに位置する人口約3,000人のシャロ村でワイナリーの4代目となるオスカルとマリーナの姉弟の新たな試みから始まった生産者です。
ワイナリーの始まりは1921年に彼らの曽祖父がアルゼンチンからこの村に戻り土地を購入し、フィロキセラ禍が落ち着いたことを機にブドウ栽培とこの地でのワイン作りをスタート。彼らの父親の代までは基本的に地元の人たち用の量り売りや樽で近隣のレストランやホテルへの販売で生計を立てていました。

当主のオスカルは1993年生まれ。ブドウ栽培とワイン作りの家系で生まれ育った彼は高校で生物学を学んでいるときに酵母やバクテリアなどの微生物の働きなどを通じて実家での行っているワイン作りへ興味を持つこととなりました。
その中で「このままバルクワイン作りを続けていても良いか?」、実家であるワイナリーのあり方へ思いを巡らせるようになり、2016年にカタルーニャ州・タラゴナでワインの醸造を学ぶことを決意。カタルーニャに行った彼はプリオラートの小規模生産者たちとその生産量ではなく品質を目指すワイン作りとの出会いに衝撃を受け、小さなステンレスタンクを購入し在学中も定期的に実家へ戻りセラーの一部を借りてクオリティワイン目指して試行錯誤を繰り返し、姉のマリーナと共にプロモーションを行っていました、
彼らが目指すクオリティワインとは『素直なワインであること』。代々受け継がれてきた地場品種を大切に育てるための畑仕事とできるだけ介入しないワイン作りを行うこと。その結果、オスカルが手掛けるワインはスペイン国内のワインショップやレストランの目にとまると共に評判を呼び、その味と価格を認められたことで姉弟の思い描いていた自分たちが引き継ぐべきワイナリーの方向性が確信へと変わりオスカル・メストレとして本格的その歩みを始めることとなりました。オフィシャルでのファーストリリースは2019年。当初は今までとは違うやり方に反対をしていた両親からの理解を得ることができ、2024年には父親から畑とセラーを引き継ぎ、家族全員でアリカンテの地場品種からその土地を表現した素直なワイン作りをおこなっています。


❦ 畑

現在ワイナリーが所有する土地は16ha。地中海からほど近い海抜150mから、山あいにある700mの1ヘクタールに満たない小さな土地を点々と持っています。ワイナリーから車で20分ほど山を駆け上がった、地元の農家も立地の悪いこの山あいの区画でのブドウ栽培を辞め、ブドウを運びやすい村周辺での栽培をおこなっている中、オスカルは祖父の代から続き一時はブドウ栽培がされていなかった標高の高い区画へ改めて注目してブドウを植樹しています。
地中海をのぞむこれら区画は「昼夜の寒暖差があるのと同時に周りからの影響を受けず自分が理想とする環境の中でブドウ栽培を行うことができる」と穏やかに語っています。またブドウだけではなくオリーブやアーモンドも植樹し以前のブドウ畑の環境を取り戻し次の世代へ繋げていく取り組みも行っています。畑は全て祖父の代から続くオーガニックを実践。


❦ 醸造

グラスに注いだときにアリカンテの太陽とブドウ品種のもつ香り、そしてこの土地の味がするワインを作ることを目指し、シンプルな作りのセラーではそれぞれの品種、区画ごとにステンレスタンク、500Lの古樽、アンフォラ、デミジョンへ入れ野生酵母発酵が行われます。
発酵後、それぞれのワインの状態をみてブレンドしタンクで落ち着かせてから甘口以外は無濾過・無清澄で瓶詰め。