Jean-Yves Legrand
ジャン・イヴ・ルグロン
URL |
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設立 |
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本拠地 |
() |
当主 |
Jean Yves Legrand(ジャン・イヴ・ルグロン) |
畑の総面積 |
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資料提供 |
Firadis |
❦ 詳細・歴史
シャンパーニュ随一のシャルドネを育むコート・デ・ブランのグランクリュの村々は、エペルネのすぐ東にあるシュイイから始まり、その約10km南にあるル・メニル・シュール・オジェで終わる。この地区の両端を占めるこれらふたつのグランクリュは、その性質においても対照的だ。繊細かつ鋭角的な酸とミネラルを備え、最も長熟で最もエレガントなワインを生むル・メニル・シュール・オジェに対し、シュイイのワインは酸・ミネラルともに控えめで、滑らかに広がるソフトな果実と品の良さが特徴である。コート・デ・ブランの中では珍しく、シュイイはミネラルよりもボディに勝ると評されるが、この村で最上といわれるサランの丘に広がる畑はほぼモエ・エ・シャンドンが独占し、そのブドウをドン・ペリニヨンに使用していることに、そのポテンシャルが示されている。
2005年にパリで行われた大規模な試飲会で、シャンパーニュ評論家のリチャード・ジューリンに大きな衝撃を与えたレコルタン・マニピュランが、このシュイイにいる。これまで8,500種以上のシャンパーニュを試飲してきたジューリンをして、「強豪を差し置いて、私の心を打った正体不明の生産者」といわしめ、純粋に味わいとクオリティだけで3ツ星評価を獲得したミステリアスな造り手、それがジャン・イヴ・ルグロンである。
ジャン・イヴが『正体不明』であるのはいくつか理由がある。まず、彼のセラーは、シュイイの村に入ってすぐの住宅街の一角にあるが、黒い鉄柵が閉ざされた家屋には、『シャンパーニュ』どころか何の表札も出ていない。外観は完全に普通の民家だ。そこでシャンパーニュ評論の権威を驚かせたワインが造られているとは想像もつかない。建物の中に入っても、大手メゾンのカーヴやテイスティングルームのように見栄えのするものは何もなく、年季の入った道具が並ぶ小さなセラーは工房と呼ぶにふさわしい。
偶然訪問できる可能性が皆無なことに加え、彼のシャンパーニュを市場で見つけることも困難だ。ジャン・イヴが顔の見える取引を重んじるためである。実際に彼を訪問しないことには、そのシャンパーニュはもちろん生産者としての詳細も得ることはできない。また、元々生産量が少ない上に、現代のシャンパーニュ造りでは考えられないほど手間をかけていることも、稀少性の一因となっている。ルミアージュやデゴルジュはもちろん、打栓に至るまでの全工程を、彼は機械を一切使わず手作業で行っているのだ。ラベルでさえ、今でも人の手で糊を塗布してボトルに1枚1枚貼り付ける。時折、糊がはみ出していたり、ラベルに小さな引っかき傷があったりするが、そこは手仕事のご愛嬌。きれいに整った見た目や大々的な広告は、大手メゾンに任せておけば良いとさえ思わせる魅力がここにはある。
ジャン・イヴ・ルグロンのシャンパーニュからは、畑の良さとブドウのクオリティの高さがまっすぐに伝わってくる。特に、澱と長く接触させるシャンパーニュ独特の熟成方法が生む複雑さと旨みが傑出している。正しく、堅実な職人が手掛ける上質なシャンパーニュだ。他のアペラシオンではありえない程高い収量から造られたワインの薄さをドサージュの多さでごまかす商業的スタイルとは真逆の、優れたワインとしてのシャンパーニュが本来あるべき姿。しかも、その造りの手間暇を考えると、価格は極めて控えめだ。彼のワインは、大手メゾンのブランド戦略が生んだアクセサリーやステイタスを表す記号としてのシャンパーニュの対極にある。
現在、シャンパーニュ市場は巨大メゾンが支配的だが、シャンパーニュの外では全く知られておらず、現地へ行かなければ発見しえない素晴らしい小規模なレコルタン・マニピュランは少なからず存在する。ジャン・イヴ・ルグロンは間違いなくその中の一人だ。彼のシャンパーニュを手にする幸運にたどり着けるのは、注意深く現地の動向を追い、実際に訪れた者のみである。
❦ 畑
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❦ 醸造
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