アタマイ・ヴィレッジ・ワインズ 小山浩平さんスタッフセミナー

アタマイ・ヴィレッジ小山浩平さんスタッフセミナー

本日、ニュージーランドワイン輸入会社サザンクロスさんのご協力のもと、アタマイ・ヴィレッジ・ワインズスタッフセミナーが開催されました。小山さんのお話は非常にわかりやすく、一瞬自分が賢くなった気がしました。(気のせいですが。。。)
ニュージーランドの最新情報も合わせて聞くことができました。2015年は全体で約30%の収量減とのことですが、その苦難を乗り越え高品質なぶどうが収穫できたとのことです。今年ファーストリリース。来年はどう進化しているか今から楽しみです!

atamai village wine staff seminar

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《アタマイ・ヴィレッジ・ワイン》

 

atamai village

玄武岩砂礫というケイ素、シリカ、マグネシウムが多く含まれる独特の土壌

◎栽培について

アタマイ・エコヴィレッジは、持続可能なパーマカルチャーの考えに基づいた暮らしをしているので、最低でも有機栽培をしています。オーガニックの認証はとっていませんが、(認証をとって維持するにはコストがかかります。2haでも1000haでも同じコスト)エコヴィレッジでは土地の使用規則違反になるので農薬や除草剤などは一切利用しません。飲料水は雨水なので、誰かがそういったものを使うことは許されません。自分の子供も畑で遊ぶので普通に使いたくありませんし。

ぶどうの実がつくまでは農場にいる羊に雑草を食べてもらい、殺菌には、無殺菌牛乳を薄めて散布しています。無殺菌の牛乳をまくのはパーマカルチャーの手法です。菌は殺すと耐性菌ができてしまうので、殺さずに共生するという考え方です。また、太陽の光を拡散させて、殺菌力を高めるようにもしています。

羊は、少し肥料も落としてくれますし、毛もとれて、最後は肉として頂きます。こういう循環型の生活、環境負荷の少ない生活のなかでのワイン造りをしています。新月の月の引力が弱いときに瓶詰めするなどビオディナミの手法や月の動きは気にしますが、ビオワインの生産者とは自分は思っていないです。

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◎ソーヴィニヨン・ブランの醸造
ぶどうは全房プレスして、ジュースを野生酵母で発酵。
85%はステンレスで温度管理をして発酵させましたが、15%は温度管理をしないステンレスで発酵させました。2014年はよい年で収量が多かったので、タンクが足りなくなり、500リットルの温度管理ができない小さなタンクを使ったという偶然の産物。ホースを巻いて中に水をとおして温度管理をすることもできますが、あえてそのまま酵母の好きなように発酵させたところ、なかなかおもしろいキュヴェができたので、15%ブレンドしてみました。これによって香りだけでなく旨味やまろみが楽しめるソーヴィニヨン・ブランとなりました。
アタマイのソーヴィニヨン・ブランは、典型的なニュージーランドのソーヴィニヨンのグラッシーでトロピカルな香りは控えめです。
これは、ネルソン地区にだけある玄武岩砂礫というケイ素、シリカ、マグネシウムが多く含まれる独特の土壌、北向きの急斜面で灌漑のいらない畑のぶどうを使っていること、醸造においては自然酵母による発酵、温度管理をしなかったファンキー樽のブレンドによる個性(これが一番影響が大きいかな)が、味わいの後半に広がるまろ味、旨味につながっていると考えられます。

 

写真 2

◎ピノグリの醸造
香りの強いOvailleというピノグリ95%、ゲヴュルツ、シャルドネ、ピノ・ノワールの混植混醸です。あえて、そう植えたのではなく、ピノグリの中に他の苗木が混ざっていたそうです(笑)ニュージーランドではよくある話ですね。別々に仕込んでもよかったのですが、おもしろいのでそのまま使ってみました。
除梗した粒をつぶして皮とジュースを3時間浸漬させ、皮由来の香りや旨味を抽出します。最近のオレンジワインやブロンズワインほどスキンコンタクトは長くはありません。ぶどうの外側の皮は、太陽の力によってできた独特のアロマと旨味があり、それをワインに入れたいと思ったからです。その後自然酵母発酵させます。発酵収量後も酵母と澱はそのままにして、旨味を抽出します。

ワインの色はわずかに強めの色調です。ピノグリとゲヴュルツの華やかな甘い香りにはじまり、後半にほろ苦さがあります。混植による複雑性の高いアロマと味わいがあります。日本酒をイメージしています。
まとめ
アタマイは水や空気がきれいな場所なので、その空気感をのせたワインを造りたいと考えています。果実由来の旨味、酸味、やせた土地由来のミネラル感などを大切にし、美しい自然の中で環境負荷の少ない生活とワイン造りを続けていきたいと考えています。現在樹齢は11年。これからより面白くなると思います。

 

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ちょっと関係ないですが、日本人で海外で栽培醸造をされている方のワインはどちらかというとハイエンドクラス(ちょっと高級ワイン)が多いのですが、今後はどういう展望ですか?ということを聞いたところこんな解答でした。

 

自分のワインは、自分で栽培したぶどうを使って、ほとんど手作業で、栽培も醸造も自然な方法で造ったワインです。ぶどうも農薬も購入していないし、灌漑設備もなく、電気は太陽光で、極力ヴィレッジ内のものでまかなっています。私は、自分のワインが飲まれるシチュエーションを考えたときに、レストランで気取って飲むというより、仲間とちょっといいことがあったときにテーブルにあうワイン、気軽にわいわい楽しめるワインが浮かんでいました。品質は追求しつつもカジュアルなワインでありたいと思っています。

 

ワインの文化が日本に根付くには、、などのお話も含めて楽しい時間でした。小山さん本当にありがとうございました。

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