ラフィネ文屋さんによる南アフリカセミナーまとめ

10月25日に第4回を迎える南アフリカワインの試飲販売会とミニセミナーを開催しました。

せっかくなのでラフィネの文屋さんのセミナーの様子をまとめます。

 

南アフリカワインセミナー(2015.10.25)

南アフリカワインセミナー(2015.10.25)

 

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◎日本と南アフリカワイン

南アフリカワインは、低価格のデイリーワイン、量産ワインの国というイメージがまだ日本では主流だと思いますが、イギリスやアメリカの評論家間ではプレミアムクラスのワインに数年前から注目が集まっており、現在、価格と品質のバランスから、高品質なワインの需要が増えています。

輸入をはじめた2013年当時、人気急上昇のすばらしいワインが数多く日本未入荷で、社長は選び放題でした(笑)クリス・アルヘイトとの偶然の出会いの影響も大きかったのですが、自分たちのような小さなインポーターが、今日ご紹介するような優良生産者のワインをずらっと取り揃えることができたのは、「日本だけが世界の情報から遅れをとっていた穴場だった」という幸運な状況があったからだと思います。

◎歴史

南アフリカワインは長らく国営色が強く、ほとんどの栽培家は、ぶどうを国に売って、集めたぶどうは国営のワイン会社がだいたい品種ごとにバラエタルワインを造っていました。1990年後半より、ぶどうを国だけでなく自由に販売することが簡単に行なえるようになって状況が変わります。国だけではなく、よいぶどうを造ったら高く購入してくれる醸造家に売るような流れができたのです。
南アフリカでは、畑を購入したらその1.1倍の土地を環境のために保護しなければならないという自然環境を保護するための厳しいきまりがあるため、若手の生産者は、畑を持つことが難しく、ぶどうを購入してワインを造るほかありません。現在若手醸造家の台頭が激しくなった背景にはそんな政治的な事情もあります。

南アフリカワインの醸造家の第一世代は、先月来日したピーター・アラン・フィンレイソンの父や、ル・リッシュのクリストのお父さん代の60代。第二世代が40代中盤で、主にカベルネとシャルドネで高品質のワインをめざした世代です。当時の流行もあって、樽のしっかりついた濃いタイプが主流でした。次の第三世代は20から30代中盤のポストアパルトヘイト世代と呼ばれています。彼らは自由に海外旅行や海外研修をができるようになったので、彼らが帰国して非常にバラエティーに富んだワイン造りがされるようになりました。私たちが輸入している生産者の多くは、ステレンボッシュ大学の醸造学科でともに学んだ同級生で30代前半です。彼らは非常に仲がよく、古木の畑(彼らの言葉でいうと南アフリカの遺産)探しを一緒にしているそうです。

 

◎主な品種

カベルネ、ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネなどのグローバル品種が増えた時期もありましたが、現在は産地の気候や土壌を考慮し、涼しい気候には冷涼品種、ステレンボッシュはボルドー品種、スワートランドはローヌ系品種といった適材適所の品種を栽培するようになっています。ピノタージュは、少しずつ減っています。収量も多く、デイリーワインのイメージがあるかと思いますが、南アフリカオリジナルのぶどうなので、力をいれて高品質なピノタージュをつくる生産もいます。

 

◎気候
地中海性気候で四季があります。アフリカなので暑いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、例えば海沿いのウォーカーベイは、夏場30℃を超えることがほとんどないほど涼しい場所です。

 

◎畑
ニューワールドと呼ばれる国のなかでは、ワイン造りの歴史が古いため、探せば、古木のぶどう、古い畑が残っています。砂地では、フィロキセラのない自根の畑を見つけることができます。灌漑をしているところもありますが、古木のブッシュヴァインはほとんど無灌漑です。

 

◎自然
ユネスコ世界遺産のなかにほとんどの畑が存在しており、多様な植物や動物の生態を守るために農薬や除草剤の使用には制限があり、栽培はほとんどオーガニックです。

 

◎観光
南アフリカは、日本からは最も早いドバイ経由で、日本から約25時間、ヨハネスブルグ経由だと30から35時間です。ヨーロッパは時差がないこともあって観光客は増えています。ワインを提供するレストランはフュージョン系のモダンな料理が多いです。地中海料理、メキシカン、アジア料理など世界各地の料理がミックスされた創作料理といった感じです。また、現地ではブラーイと呼ばれるバーベキューもポピュラーです。自分たちは、ナミビアの野生の牛(牛のジビエです)で生産者とブラーイを楽しみました。

 

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◎今後
若手の層が厚いいこと、ぶどうの樹齢が高くなること、通貨がまだ弱いことなど、今後もますます期待ができる産地だと思います。毎年新しい生産者、新しいワインが誕生するので、ゆくゆくは現地に事務所を持ちたいなあと、、、、そんな話もしています。

 

 

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