5.28(日)サヴォワ試飲販売会生産者ご紹介

さて、大分お時間が空きましたが明後日に迫ったサヴォワ試飲販売会でお試し頂ける生産者のご紹介です!!

ちなみに試飲販売会はおかげさまで満席を頂戴しておりますのでキャンセル待ちとなっております。

宜しくお願い致します。

 

まずは

 

Domaine Giachino

 

イゼール県で唯一ヴァン・ド・サヴォワを名乗れるコミューン、シャパレイヤン村が本拠地。

本拠地シャパレイヤンの他にサヴォワ県のアプルモン、レ・マルシュにも畑を所有しています。

県を跨がって所有していますが、この3ツのコミューンは全てグラニエ山の麓。

(地図左上にアプルモン、中央下部にシャパレイヤン、右上にレ・マルシュがあります。)

1988年より祖父の畑を引き継いだフレデリック & ダヴィド・ジャッキーノ兄弟によって運営が行われている家族経営のドメーヌで、2006年よりビオロジー栽培による管理を開始すると2008年にエコセール認証を取得。他にもワイン業界ではあまり馴染みのないナチュール・エ・プログレ認証も取得しています。

2015年にはフランスの権威ある専門誌メイユール・ヴァン・ド・フランス(MVF)で1ツ星を獲得。

(ちなみにMVFで星を獲得しているサヴォワ生産者は2ツ星が3人、1ツ星が6人と一握りです。)

同じく2015年にフレデリック・ジャッキーノの息子クレモンが加入し人手が増えたことからミシェル・グリザールよりドメーヌ・プリウレ・サン・クリストフを購入。

グリザール氏より引き継いだ畑はそのままプリウレ・サン・クリストフ名義でリリースされています。

(昨年9月にグリザール氏を訪問した際、ドメーヌ名を守ることが売却時の約束と言っていたような覚えがあります。)

でもラベルは大幅に変更されています。

 

(左がミシェル・グリザール時代、右がジャッキーノのプリウレ・サン・クリストフ)

 

今回は2アイテムお楽しみ頂けます。

 

2014 Roussette de Savoie

 

100%アルテス

日照量の豊富な斜面0.92ha。小石の多い氷堆石土壌。

手摘みで収穫し、緩やかにプレス。10度に設定されたタンクで4日間のデブルバージュを行い16度で緩やかに発酵。マロラクティック発酵を行い、シュール・リー状態で熟成し、瓶詰め。

 

2014 Mondeuse

 

100%モンドゥーズ。

グラニエ山麓、南東向きの粘土石灰質土壌に2haを所有。

手摘みで収穫し、発酵前浸漬を施してからタンクで発酵。熟成は樽を用いて12ヶ月。

 

続いて

 

Domaine des Ardoisières

 

ミシェル・グリザール氏の第2プロジェクトがこちらドメーヌ・デ・ザルドワジエール。

1998年コトー・ド・スヴァンにある古代ブドウ畑の再生を目的にミシェル・グリザールや地域の協同組合、自治体などの協力により設立されました。

コトー・ド・スヴァンに加えてサン・ピエール・ド・スーシーにも畑を所有していますが、コトー・ド・スヴァンがくせ者です。

10世紀まで遡ることが出来るブドウ畑ですが、森が浸食する程荒れ果てた畑だった為、以前ご紹介したサヴォワの細かい栽培エリアに含まれていません。

ただこの地図の中に畑はあります。地図の右下アルベールヴィルから右下端ムティエの街に行く途中、ちょうどラ・コンブ・ド・サヴォワの文字の右にスヴァン村があります。

分かり難いですよね。

 

(google mapってなんて便利なんでしょう。赤く囲われているのがスヴァンの街です。)

 

(更に拡大した航空写真。街と言っても殆ど山ですね。)

 

更に拡大。(上の航空写真の赤線内左の拡大図です。)

 

(この所有畑の地図を目安にgoogle mapで探しましたがここで間違いないでしょう。)

上の写真を見るだけでもがっつり森伐採していると推測できます。

南西向きと南東向きの区画があり、南西向きの斜面に主に白ブドウを、南東向きの斜面に黒ブドウを栽培。ミカシストを母岩としたシルトの覆う浅い痩せた土壌。

コンブ・ド・サヴォワよりも2時間日照時間が少なく、栽培環境が厳しいため現在ではかつて行っていたビオディナミ栽培は止め、ビオロジー栽培によって管理されています。

 

サン・ピエール・ド・スーシーは新たに取得した西向き区画。本拠地フレトリヴから南西に位置する畑で、こちらはコトー・ド・スヴァンよりも収量も多く安定した収穫が見込めるためビオディナミ栽培によって管理が行われています。

氷堆石土壌の為、シスト混じりの泥灰土や粘土石灰質で構成された粘土質の豊富な土壌で、コトー・ド・スヴァンよりも肉厚で近づきやすいワインを生み出してくれます。

 

(赤枠がサン・ピエール・ド・スーシーのコミューン。畑の位置は分かりませんでした。)

 

 

4年がかりで2002年にようやくファースト・ヴィンテージを少量生産できたものの2003年の猛暑で若木の大半が壊滅状態まで陥り、ようやくビジネス・レベルの量が収穫できたのはサン・ピエール・ド・スーシーの畑を新たに取得した2010年という気の遠い話。あの高齢で情熱を燃やせるのはペルサン、モンドゥーズ、モンドゥーズ・ブランシュを蘇らせる為に尽力したグリザール氏ならでは。

2005年よりミシェル・グリザールとともにワイン造りを行っていたブリス・オモンがワインメーカーに就任、その後2010年に安定した量が確保できた事からグリザール氏はブリス・オモンに当主の座を譲ります。

2017版メイユール・ヴァン・ド・フランスではサヴォワ地方で2ツ星を獲得している1人で既にサヴォワを代表する生産者となりました。

 

今回お試し頂けるのは4アイテム。

 

2015 Vin des Allobrogie Cuvée Argile Blanc

 

こちらは新たに購入したピエール・ド・サン・スーシーの区画を使用。

土壌はシスト混じりの泥灰土と粘土石灰質。

新樽は使用せず、3〜5年樽を3分の1発酵、用いて9ヶ月熟成。

他のキュヴェよりも粘土質が強いため横に広がりを感じる果実味があり、一番早くから楽しめるキュヴェ。

 

 

2015 Vin des Allobrogie Cuvée Schiste Blanc

 

このキュヴェからコトー・ド・スヴァンのブドウを使用。また全量樽発酵を行います。

土壌はミカシスト(ドイツのグリーマーシーファー)土壌で表土の薄い痩せた土壌。

ブドウ品種はジャケール、ルーサンヌ、マルヴォワジー、モンドゥーズ・ブランシュのブレンド。

スミス・オー・ラフィットとドニ・モルテから譲り受けた古樽で12ヶ月熟成。

 

 

2015 Vin des Allobrogie Cuvée Quartz Blanc

 

シストと同じくコトー・デ・スヴァンの区画を使用。

野性酵母を使用し、3~5年のバリックで発酵、新樽25%、2~3年樽で12カ月熟成。軽くろ過し、瓶詰。

 

 

2015 Vin des Allobrogie Cuvée Améthyste Rouge

 

唯一造られている赤ワインがこちら。コトー・ド・スヴァンで栽培されるペルサンとモンドゥーズのブレンド。野性酵母を使用し、全房を2~3年のバリックで発酵、12カ月熟成。軽くろ過し、 瓶詰。

 

おおとりは勿論この人

 

Domaine Prieuré Saint Christophe

 

ドメーヌ・ジャッキーノに畑、ドメーヌを譲渡し、ドメーヌ・デ・ザルドワジエールの基礎を築いたミシェル・グリザール。

先にも述べましたが、ペルサン、モンドゥーズ、モンドゥーズ・ブランシュといったサヴォワの土着品種の再興に尽力、サヴォワ地方でもいち早くビオディナミ栽培に着手し、土着品種モンドゥーズ、アルテスから著名産地にも劣らない長期熟成に向いたワインを生み出したサヴォワの偉大な生産者です。

畑は石灰質土壌のフレトリヴ村と粘土石灰質土壌のアルバン村に所有。

昨年訪問した際には殆ど蔵にストックがなく、今後日本への入荷も期待できないと思います。

このサヴォワの偉大な生産者の3ヴィンテージ飲み比べ、多分最後の機会だと思います。

小難しいことは抜きにして是非楽しんでください。

 

今回お楽しみ頂けるのはフレトリヴ村、ドメーヌに隣接した畑で栽培されるモンドゥーズを使用したキュヴェ・トラディション。

 

2004 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition

 

2005 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition

 

2006 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition