7月23日(日)コルシカ・ワイン試飲販売会、コルシカのご紹介part.1

今日は入荷情報はおやすみして7月23日(日)に開催されるコルシカ・ワイン試飲販売会に関するお話。

いつも通り生産者の情報は後々ご紹介していきますが、サヴォワの時同様コルシカはあまり馴染みのないワイン産地だと思いますのでまずはワイン産地から簡単にご紹介していきます。

 

 

今回はpart.1コルシカのアペラシオンについて。

 

コルシカにあるAOP(AOC)は9つ、IGP(Vin de pays)が1つ。こうやって聞くと多く感じますが実際には少ないです。IGP、AOCともに1つを除いて赤白ロゼが適応されていますし複雑さは一切無く、サヴォワよりも圧倒的に覚えやすいのでご安心下さい。

でもちょっと長いです。笑

 

と、その前にコルシカ島の場所はこちら。

地中海で4番目に大きい島、コルシカ島。急峻な山岳地帯が大部分を占めており、地中海の島の中でも険しい地形をしている事で知られる”美の島”。ナポレオンの生誕地としても有名ですね。

コルシカ島の情報探しているときに島の写真をいくつか見ましたが凄い綺麗です。観光してみたいですが実際行くとなるとずっとワイナリー巡りで終わりそうだなーとか関係ない事ばかり考えてしまいました。

 

本題に戻ります。

 

まずはIGPからご紹介。

 

Île-de-beauté
1982年に制定されたコルシカ唯一のIGP。オート・コルス県、コルス・デュ・シュッド県、つまりコルシカ全域が適応範囲。赤、白、ロゼの生産が認められていますがロゼが生産量の50%を占める程急成長中。AOPコルスとの大きな違いはまず当然ながら収量。そしてもう1つが品種で、コルシカの主要品種の他にカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど国際品種の使用が認められています。

今回の試飲販売会ではIGPは出てきませんのでサクッと流して頂けるとありがたいです。

 

続いて9つあるアペラシオンですが、多く区分けて地域アペラシオン、村名アペラシオン、クリュ・アペラシオンの3つの階層に分かれています。

 

まずは地域アペラシオンは

 

Corse (Vin de Corse)

栽培面積:1297ha

IGP Île-de-beauté同様コルシカ島全域が栽培エリアに指定されているAOPがこちら。

ただ実際にはコルシカ島東側、バスティアからソレンツァーラに伸びる東海岸沿いに広がるエリアと内陸のゴロ渓谷周辺のものがこのアペラシオンの大半を占めています。

土壌は堆積土で構成され、白ワインはフローラル、ロゼはフルーティーかつスパイシー、品種に応じてキャラクターの異なる赤ワインが生産されています。

INAOによるとこのエリアに加えて平地や斜面の緩やかな場所のワインもAOPコルスを名乗ることがあるそうです。なぜ東側の産地とゴロ渓谷周辺がメインかと言うと村名アペラシオンは地域アペラシオンと収量制限や使用品種などさほど大きくは変わらないため、わざわざ格下げする必要性がないからだと推測されます。

今回はこのエリアのワインも出ません。

 

さてここからが本番です。

村名アペラシオンは5つ、まずはおおよその場所を掴みましょう。

AOP Corse 〜と記載のあるのが村名アペラシオンに当たります。

 

 

東側のAOPコルスから時計回りにご紹介。

 

Corse Porto Vecchio

栽培面積:86ha

コルシカ島南東にある小さな村ポルト・ヴェッキオを中心にソレンツァーラからボニファシオまで伸びるアペラシオンで栽培指定コミューンは8つ。1284年以降、ジェノヴァ共和国の領土となった後に成長した栽培エリア。石灰、花崗岩と粘土混じりの片麻岩で構成された非常に痩せた土壌は有しており、海に面している為海風の影響を大きく受けます。

ニエルッチオ、スキアカレロ、グルナッシュから造られる赤はエレガントかつ円みのある味わい。ロゼは繊細かつアロマティックで、主にヴェルメンティーノから造られる白はフルーティーかつドライな味わいです。

今回の試飲販売会では1アイテム出品。

 

 

Corse Figari

栽培面積:126ha

紀元前5世紀よりブドウ栽培が行われていたコルシカ島最南端にある小さな栽培エリア。フィガリ、モナシア・ドレーヌ、ピアノットリ・カルダレッロの3つのコミューンが適応範囲に定められています。花崗岩の母岩に堆積土が覆う土壌。他の地域に比べて湾に近い事から風が非常に強く栽培が難しいエリアでもあります。

白はヴェルメンティーノが主体、赤はカルカジョーロ・ネロ、グルナッシュ、ニエルッチオ、スキアカレロから生産されており、ストラクチャーと偉大なフィネスのあるワインを生み出します。

今回の試飲販売会では1アイテム出品。

 

 

Corse Sartène

栽培面積:224ha

18世紀から栽培がスタートされたコルシカ島でも新しい栽培地域。適応される栽培コミューンは16。

主に花崗岩質土壌のコトー・ド・オルトロ、コトー・ド・リザネーゼで栽培が行われています。赤はスキアカレロ、ニエルッチオ、バルバロッサ、白はヴェルメンティーノがメインで用いられておりスパイシーかつヴェルヴェットのような舌触りを持つボリューミーな赤、同じく豊満なロゼと白ワインが生産されています。

今回の試飲販売会では2アイテム出品。

 

 

Corse Calvi

栽培面積:236ha

コルシカ島北西、海に近いバラーニュ地方に広がるアペラシオンで栽培コミューンは32。

標高1941mにも上る山によって他の地域と分断されたエリアで斜面と平地でブドウ栽培が行われています。シルト、粘土の層に花崗岩質土壌からスキアカレロ、ニエルッチオのブレンドから造られる肉付きの良い赤、ヴェルメンティーノ主体の繊細な白とロゼが生産されています。

今回の試飲販売会では3アイテム出品。

 

 

Corse Coteaux du Cap Corse

栽培面積27ha

オート・コルス県北端にある半島カップ・コルスに位置する22のコミューンが栽培エリアに指定されている村名アペラシオン。かつては広大なテラスで栽培されていましたが、今日ではカップ・コルス北東端のロリアーノ周辺と日照量の多い急斜面で栽培が行われている為栽培面積が小さくなっています。

シスト混じりの粘土質に加えて海、山からの風の影響を受け、偉大な白ワインの生産に向いたアペラシオン。このアペラシオンで造られるワインは偉大なフィネスを有しており、豊富な日照量から生みだされる骨格のある赤ワインとヴェルメンティーノを主体としたアロマティックかつエレガントな白ワインが生産されます。

今回の試飲販売会では出ません。

 

 

続いてコルシカを代表するアペラシオン2つ。

 

Ajaccio

栽培面積:258ha

ポルト湾からサルテーヌに至るまでアジャクシオ周辺の12のコミューンが栽培エリアに指定されているコルシカ島に2つしか無いクリュ・アペラシオン。

アジャクシオの畑はコルシカ島の典型的な気候の恩恵を受け平均日照時間2750時間というコルシカ島の中でも豊富な日照量を得るのに加えて、海風や山から吹き下ろす風の影響で暑い夏の間も涼しい夜を迎える事が出来ます。

ブドウの大部分は花崗岩質土壌(コルシカ島最古)の段々畑に広がっており、間にある平地は石炭紀とペルム紀の土壌。

白ワインはヴェルメンティーノを80%以上使用し、最大20%までならユニ・ブラン、ビアンキュ・ジョンティーユ、コディヴァルタ、ジェノヴェーゼの使用が可能。(ただしユニ・ブラン以外は各10%以上使用出来ません。)

赤ワインはバルバロッサ、ニエルッチオ、ヴェルメンティーノ、スキアカレロを60%以上使用。(そのうちスキアカレロは40%以上。)

補助品種は最大40%までグルナッシュ、サンソー、カリニャン、アレアチコ、カルカジョーロ・ネロ、ミヌステッロの使用が認められており、そのうちカリニャンは15%未満、後半3品種は10%未満のみ使用できます。

 

 

Patrimonio

栽培面積458ha

コルシカ初のアペラシオンにして最も著名なアペラシオンがこのパトリモニオ。

サン・フローラン湾周辺の7つのコミューンが栽培エリアに指定されています。

他のコルシカ同様花崗岩質土壌もありますが、他にシスト土壌と珍しい粘土石灰質土壌を有する等ミクロ・クリマが形成されている栽培エリア。

土壌構成が他の地域に比べて複雑なので土壌ごとにワインのキャラクターが異なります。

白ワインはヴェルメンティーノ100%の場合のみパトリモニオを名乗る事が出来ます。ロゼは75%以上ニエルッチオで25%までグルナッシュ、スキアカレロ、ヴェルメンティーノの使用が認められており、赤は90%以上ニエルッチオで最大10%までグルナッシュ、スキアカレロ、ヴェルメンティーノの使用が認められています。

 

 

最後はコルシカ島唯一の甘口ワインのアペラシオンですが、今回は出ませんのでざっくりと。

 

Muscat du Cap Corse

栽培面積:71ha

コルシカ島にある唯一のヴァン・ドゥ・ナチュレル(酒精強化ワイン)のアペラシオン、ミュスカ・デュ・カップ・コルスはオート・コルス県11コミューンが栽培エリアに指定されており、アペラシオン、コルス・コトー・デュ・カップ・コルスとパトリモニオと一部コミューンが被っています。

土壌は風化したシストと粘土石灰質土壌。

使用されるブドウはその名の通りミュスカ・ア・プティ・グラン。

 

次回のコルシカ詳細は歴史とか品種で考えています。しばらくお待ちください。

 

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以下、試飲販売会の詳細です。

 

日 時:7月23日(日)

[1部] 13時〜15時 (15名)

[2部] 16時〜18時 (15名)

※ご予約の際に時間帯をご指定下さい。

場所:Anyway-Grapes 店内 / 世田谷区経堂 2-13-1-B1F

参加費:2,500円(税込)。(当日、受付の際にお支払いください。お支払いは現金となります。)
特 典:当日、店頭にあるコルシカ・ワインは20%OFFの特別価格にて販売!!お買い上げ金額20,000円(税抜)以上で送料無料。クール代金は別途300円(税抜)頂戴しております。

ご予約はお電話、Facebookのメッセージ、メールにて承ります。

電話: 03-6413-9737

メール:mail@anyway-grapes.jp