シャンパーニュ地方アヴィーズ村の伝説、静かなる守護者

今年の3月にもご紹介し、大きな反響をいただいたシャンパーニュの伝説的生産者、『Fallet Gourron / ファレ・グーロン』(※現地ではFallet-Crouzet、Fallet-Prevostat名義でも知られます)より、最新ヴィンテージ入荷のご案内です。

ー孤高のRM先駆者、ファレ夫妻の功績

ミシェル・ファレ(Michel Fallet)とマリー=クレール・ファレ(Marie-Claire Fallet / 旧姓プレヴォスタ)夫妻は、シャンパーニュ地方アヴィーズ村において、「レコルタン・マニピュラン(RM)の先駆者」として、また「伝統的なブラン・ド・ブランの守護者」として多大な功績を残しました。

1950年代当時、多くのブドウ栽培家は収穫したブドウを大手メゾンや協同組合に売却するのが一般的でした。しかし、夫妻は1957年から自社での瓶詰め・販売を開始しました。これは、現在主流となっている「アルティザン・シャンパーニュ(栽培醸造家)」というスタイルの先駆けであり、アヴィーズのテロワールをダイレクトに表現する道を切り拓きました。

ージャック・セロスが敬愛した「精神的メンター」

同じアヴィーズ村に拠点を置くアンセルム・セロス(ジャック・セロスの当主)は、ファレ夫妻(特にミシェル・ファレ氏)を深く尊敬しており、大きな影響を受けたと言われています。

ファレ夫妻が造るシャンパンを「アヴィーズのテロワールを最も純粋に、かつ伝統的な手法で表現している鏡」のように捉えていました。セロス自身が革新的な手法で世界を驚かせる一方で、隣人で古くからの友人でもあるファレ夫妻が守り続ける「古き良き、酸化熟成を伴う大樽熟成のスタイル」を高く評価していました。

アンセルム・セロスも熟成の重要性を説いていますが、ファレ夫妻が10年近い歳月をかけてセラーでワインを眠らせる忍耐強さは、同じ村の造り手として指針の一つとなっていました。

また、ファレ夫妻が1950年代から使い続けているアルザス産の古い大樽による醸造は、セロスが自身のスタイルを確立する上での精神的な支えやヒントになっていたと言われています。

現地のワインジャーナリストや愛好家の間では、アンセルム・セロスが若かりし頃や自身のスタイルを模索していた時期に、経験豊かなミシェル・ファレ氏から多くを学び、彼を「精神的な師(メンター)」の一人のように慕っていたというエピソードが語り継がれています。
セロスが「華やかなカリスマ」であるのに対し、ファレ夫妻は「沈黙を守る職人」という対照的な存在でした。メディアで注目を浴びるセロスが、隣で黙々と作業を続けるファレ夫妻のストイックな姿勢に、常に敬意を払っていたことは有名です。
ー「目立つことを避けなさい」という遺志
一切のマーケティングや広告を行わず、「目立つことを避けなさい」という亡き夫ミシェル氏の助言を守り、表舞台に出ることを頑なに避け続けたマダム・ファレ。その結果、彼らのシャンパーニュは「知る人ぞ知る名品」として尊敬を集めながらも、シャンパーニュ界において最もよく守られた「秘密」であり続けました。そのため、本国フランス以外ではほとんど見かけることがない幻のシャンパーニュとなっています。
2024年にマダム・ファレが亡くなった際も、アヴィーズのコミュニティ、そしてセロス家をはじめとする近隣の造り手たちは、一つの偉大な時代が終わったことを深く惜しみました。
ー伝統を継ぐ新世代と、2025年の「開門」

マダムの逝去に伴い、一度は医療の道を歩んでいた娘たちがドメーヌを引き継ぎ、両親が築き上げた「アヴィーズの真髄」を守ることを決意。そして現在、ジャーナリストの道に進んでいた孫のトマ・クールゼ(Thomas Crouzet)氏もドメーヌに加わり、次世代の若い力へと確実に引き継がれました。

そして、2025年はドメーヌにとって大きな転換点となりました。

これまで外部からの訪問や取材をほとんど受け付けず、「神秘のベール」に包まれていたこのドメーヌが、トマ氏の参画によって、ついにその重い門戸を少しずつ開き始めたのです。

長年、電話一本でさえ繋がりにくいと言われたドメーヌでしたが、トマ氏の代になり、現代的なコミュニケーションを通して彼らが守り続けてきた哲学を直接伝える機会が増えています。彼が案内する形で、10年以上の膨大なストックが眠る伝説的な地下セラーを垣間見ることができるようになったことは、世界のシャンパーニュ愛好家にとって最大のニュースとなりました。

門戸は開かれましたが、「造りそのものは、1ミリも変えない」とトマ氏は誓っています。

「ファレ・グーロン」は単なる伝説の遺産ではなく、「現在進行形の偉大なドメーヌ」として新たなスタートを切りました。

今回、ファレ夫妻が手掛け、新世代が守り抜いた希少なシャンパーニュが、極々少量ですが奇跡的に入荷致しました。

まさか、このシャンパーニュを日本でご紹介できる日が来るとは……。嬉しいような、秘密のままにしておきたかったような、非常に複雑で、かつ最高に興奮する気持ちを抱えています。

ドメーヌが造るシャンパーニュは、いずれも連続する2つのヴィンテージ(収穫年)のブレンドであり、ドメーヌ地下のセラーで最低でも7年〜10年に及ぶ気の遠くなるような長期瓶内熟成を経てからデゴルジュマン(澱引き)されます。

今回届いたのは、ドメーヌを象徴するフラッグシップの「Extra Brut」と、極限のピュアさを表現した「Non Dosé」の2キュヴェです。

ぜひ、この機会にアヴィーズの伝説を堪能してみてください。

Fallet Gourron

ファレ・グーロン

ミシェル・ファレとマリー=クレール・プレヴォスタは、1957年に家族経営のシャンパーニュ・ハウスを設立しました。
栽培農家が自社でシャンパーニュを瓶詰めするようになるずっと前から、自社でシャンパーニュを造り始めました。当時はほとんどの栽培農家が協同組合や大手メゾンにブドウを販売していました。

長年にわたり、彼らは最高級のシャルドネ畑から、純粋で伝統的なブラン・ド・ブランを生産することで高い評価を築き上げ、そのブドウは大手シャンパン・メゾンからも長らく求められてきました。

ドメーヌ・ファレ・グーロンの伝説的な女主人、ファレ夫人は、アヴィーズの中心部で60年以上にわたり、ひっそりと卓越したブラン・ド・ブラン・シャンパンを造り続けました。
尊敬と畏敬の念を集めながらも、亡き夫の助言に従い、表舞台に出ることを頑なに避け、シャンパン界において謎めいた存在であり続けました。

現在もドメーヌ・ファレは家族経営を続け、ミシェル・ファレ氏が築いた卓越した伝統と、真のシャンパン造りへのこだわりを受け継いでいます。

ファレ家の哲学は、ワインが自然に熟成するのを待つことであり、リリース前に完璧な熟成状態に達するまで、一本一本丁寧に管理しています。樹齢75年の極上のシャルドネのブドウの木が、選りすぐりの区画に植えられ、伝統的な手作業によるワイン造りと相まって、アヴィーズのテロワールの純粋さと骨格を常に際立たせるワインを生み出しています。

今日に至るまで、彼らはシャンパン界の権威として高く評価されており、ジャック・セロスも故ミシェル・ファレから影響を受けています。ファレのシャンパンは、この地域で最もよく守られた秘密の一つと言えるでしょう。

シャンパーニュ地方以外ではほとんど見かけることがない幻のシャンパーニュです。

***************************

N.V. Fallet Gourron Extra Brut Blanc de Blancs (Base 2018/19) Grand Cru
ファレ・グーロン・ブラン・ド・ブラン (Base 2018/19)・Grand Cru

価格:¥23,540 (税込)

品種:シャルドネ100%

シャルドネが持つアヴィーズ特有の美しい「垂直性(シャープな酸と直線的なミネラル)」をベースに持ちながら、絶妙なドサージュによって、口当たりに豊かなコクとふくよかさが加わっています。テクスチャーは非常に緻密で、完熟した洋ナシやアプリコット、かすかなスパイス、そして古い大樽由来のほんのりと甘やかなトースト香が完璧なバランスで溶け込んでいます。

 

***************************

N.V. Fallet Gourron Non Dose Blanc de Blancs (Base 2017/18) Grand Cru
ファレ・グーロン・ブラン・ド・ブラン (Base 2016/17)・Grand Cru

価格:¥23,540 (税込)

品種:シャルドネ100%

アヴィーズのピュアな「土壌の魂」をそのままダイレクトに液体にしたような佇まいです。2017年と2018年という太陽の恵みを受けたヴィンテージの力強い果実味、豊かな黄色い果実、焼きたてのペストリー、そして石灰質の土壌がもたらす極めて高い塩気(サリニティ)が、長い余韻となって口の中に残り続けます。

 

通常のノン・ヴィンテージ・シャンパーニュの規定熟成期間は「15ヶ月」ですが、ファレ家では最低でも7年、通常は10年近く瓶内で澱(おり)と共に熟成させます。

 

※「商品画像」や「商品名」をクリックすると、オンラインショップの商品詳細ページをご覧いただけます。