グラッパのつくりかた

グラッパは、イタリア北部の伝統的な蒸留酒。
寒いときに体を暖める飲み物として重宝され、風邪をひいたときにミルクと一緒に飲んだりしていたそうです。
ワインを造ったあとの搾りかす(ヴィナッチャ)で造る、素朴な安酒のイメージがあり、昔はあまり高級レストランで飲まれたりはしなかったのですが、(当時は新鮮でないヴィナッチャを農家が簡易な蒸留器造った完成度の低いものも多かったそうです)いまは材料にこだわり、一流の技術を駆使した高品質なグラッパが増え、おしゃれなボトルに入ったグラッパ、ブランデーのように長期樽熟成したグラッパ、単一品種で品種の個性をいかしたグラッパ、有名生産者グラッパなど高品質で個性的なものが選べるようになりました。

昔はイタリア北部でしか造っていなかったグラッパですが、サシカイアやオルネライアなどスーパートスカーナと呼ばれるワインのグラッパがあるように、他の州でも生産がさかんです。

 

《グラッパの作り方》

◎材料

グラッパの原料である搾りかすですが、赤ワインの搾りかすは、アルコールが含まれているので(赤ワインは果皮とともに発酵させるため)そのまま蒸留できるのですが、白ワインは搾りかすにアルコールを含まないため、のこった糖分をアルコール発酵させてから蒸留しています。

◎蒸留

原料に熱を加えて、アルコール分と香りを蒸発させたのち、冷却して液体として取り出したものがグラッパになります。
方法には、大量生産に向いた連続式と伝統的な非連続式があります。
連続式は、釜が階層になっており、一度の蒸留で、高いアルコールを得る事ができます。
きれいなくせのないタイプのグラッパができます。

伝統的な非連続式方法は3つの方法にわけられます。

1)搾りかすと水を釜に入れて直火にかける(この方法は難しいです)
2)搾りかすをいれた釜湯煎する
3)搾りかすをいれた釜を蒸気で熱する

 

3)が一番使われています。
非連続式は、蒸留の最初にでてくる部分は香りがよくないので捨てて、中心の部分だけを使います。後半も種子や果皮に含まれるオイルや不純物が多くなるので使いません。

小さな生産者はこの非連続式でグラッパを造っており、それぞれ個性的な味わいが楽しめます。

高品質なグラッパは、搾りかすをできるだけ空気にふれないようにして、ワイナリーから搾りかすをすみやかに運んで、できるだけ早く蒸留するので、アロマが複雑になるのだそうです。
Enoglam Grappa POP

先日紹介したエノグラムのグラッパは、

「伝統的なグラッパの製法を踏襲しながらしっかりと樽熟成を行い、より複雑性と豊潤さを称えた革新的なグラッパ」

と、あります。

E.V.O

真空環境で半連続式と非連続式による蒸留という新しい蒸留技術を使っているため、極めて希少なエッセンシャルオイル(トラッチェ)を含んでおり、アルコールの刺激が少なく、飲みやすい洗練された味わいに仕上がっています。

http://anyway-grapes.jp/wines/winedetail.php?id=6836

Grappa enoglam

FUMO

半連続式と非連続式蒸留という新しい蒸留技術を使っています。特徴はモルトウィスキーのようなスモーキーな香りを、熟成させる木材と、搾かすの原料、生産年の異なるグラッパを職人のブレンド技術で造り出していること。グラッパの新しい世界が開けます。

http://anyway-grapes.jp/wines/winedetail.php?id=6837

grappa Fumo enoglam

D-WINE

搾かすではなく、ワインを連続式蒸留でダブル蒸留し、エレガントでピュアに仕上げています。5年の熟成により、自然なオークの琥珀色と芳香がもたらされています。なめらかな飲み口で、アルコールの刺激が少ない、洗練された味わいです。

http://anyway-grapes.jp/wines/winedetail.php?id=6838

enoglam

グラッパはもともとは樽熟成しないものが本来の姿ですが、樽熟成させたものはさせたもので、コニャックやアルマニャック、シングルモルトのウィスキーのような特徴を持ち、熟成によっても味わいは変化します。

そのまま飲んでもよいですし、グラスを変えて香りの違いを楽しんでみてもよいと思います。

 

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