ルヴュ・ド・ヴァン誌が発表した昨年活躍した人たち
かつてクラスマンという名前で日本でもそれなりに知名度の合ったフランスの権威有る評価誌メイユール・ヴァン・ド・フランス(略称MVF)。発刊元のルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス(略称RVF)が先日Grands Prix du Vin 2017を発表しました。
ややこしいですがRVFはフランスのワイン雑誌で、MVFはそのワイン雑誌が一年を通して纏めた評価本みたいなものくらいに思っていてください。
Grand Prix du Vinではジャンルごとに前年活躍した人を選出しています。
ジャンルは全部で11ですが今回は興味のあった7ジャンルをご紹介します。
1. La personnalité de l’année (パーソン・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/1/la-personnalite-de-l-annee-alainより引用)
Alain Juppé
シラク大統領の側近を務め、フランス首相も務めていたアラン・ジュペ。昨年共和党の大統領予備選で惜しくも破れましたが、どうやら記事を読む限りボルドー市長を長年務めており、その功績から選ばれたみたいです。
2. Le vigneron de l’année (ワイン・メーカー・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/2/le-vigneron-de-l-anneeより引用)
Anselme Selosse
ジャック・セロスのアンセルム・セロスが選出されました。
記事の中に近いうちに息子のギヨームに世代交代することを考えているって書いてありましたが、いつ頃になるのでしょうか。値段が上がりそうなので引退しないでほしいですね。といってももう60超えていますから難しいでしょうが。
ちなみに息子ギヨームは2008年からドメーヌに参入している(サイトによっては2012年から参入って書いてありますがどちらかは分かりません。)ようで、自らのシャンパーニュも既にリリースしています。
クラマンの北側オー・ドゥス・グロ・モンで栽培されるシャルドネを使用しているそうです。
オランダのサイトで売り切れだったの以外見つかりませんでしたが119.5€。
日本円だとざっと15,000円くらいですね。高い。笑
ジャック・セロスのワインはこちら。
3. La carte des vins de l’année (ワイン・リスト・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/3/la-carte-des-vinsより引用)
L’Hostellerie Jérôme
プロヴァンス、モナコ近郊ラ・テュルビにあるミシュラン2016年度版1ツ星レストラン。星付きレストランとしては著名ワインが大分安いらしいです。
ちなみに例としてジャック・セロスのイニシャルが180€、タンピエのバンドールが60€、ドーヴィサのラ・フォレが78€だそうです。確かに星付きレストランでこれはかなりお得です。
プロヴァンスに行かれる方は候補の1つとして覚えておいてください。
4. La découverte de l’année (ディスカバリー・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/4/la-decouverteより引用)
Clos de la Barthassade
はい。これを紹介したかったんです。何度かラングドックの新星としてブログでご紹介している元ドメーヌ・ド・ラ・バルタサッドの事です。昨年11月に地味に名前変更しました。
ベタンヌで早々に1ツ星を獲得したかと思えば今度はこちらで賞を獲得するとは。日本への入荷数も増えない訳です!でもワインもリピート率が非常に高いので今後も熱心に応援したい生産者です。
ドメーヌ・ド・ラ・バルタサッドのワインはこちら。
5. La coopérative de l’année (コーポラティヴ・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/5/la-cooperativeより引用)
Plaimont
サン・モンに本拠地を構える協同組合プレイモンが選出されました。
品質の割にはお手頃なので見つけたら買っていますが最近出てこないですね。
フィロキセラ以前、1871年まで遡れる自根のタナ種などで造った赤ワインの衝撃は忘れる事が出来ません。
6. Le négociant de l’année (ネゴシアン・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/6/le-negociantより引用)
Philippe Pacalet
パカレが選出されました。ネゴシアンといってもかつてのネゴシアンと近年のネゴシアンは全く別物ですね。ネゴシアンだからといって侮れないものが非常に多くなってきました。マイクロ・ネゴシアンや一流ドメーヌがネゴスを始めたのが大きな影響を与えているのでしょう。
7. L’innovation de l’année (イノヴェーション・オブ・ザ・イヤー)
(http://www.larvf.com/photo/4516393/7/l-innovationより引用)
BIOcépage
アントワーヌ・プポノーとパトリス・ダニエルの2人によって設立された会社。
パトリスはワイン、ビール、牛乳などの酵母の専門家で、アントワーヌはバンドールのラ・トゥール・デュ・ボンとコルスのクロ・カナレリで経験を積んだ醸造家だそうで、人工酵母を避け、天然酵母を用いての醸造プロセスを安定化させる酵母のプロフェッショナルとして活動しているようです。
既に50ものワイナリーと取引しているそうで今後このBIOcépageの名前はもっと有名になっていくでしょう。