5月28日(日)サヴォワ試飲販売会、サヴォワのご紹介part.3
サヴォワの試飲販売会まで後11日しか無い事に今日気付きました。
という訳でサヴォワのご紹介part.3。
今日はサヴォワで使用されるブドウ品種のご紹介。
物凄ーく長いのでさくさく行きます。
まずは白ブドウから。
Jacquère
ジャケール
サヴォワの栽培面積の半分近くを占める重要な品種で、他にもローヌ、南西、ラングドック、プロヴァンスなどでも見られるそうです。
遺伝子解析の結果おそらくグエ・ブラン(別名Heunisch Weiss)と何かの交配と言われています。
収量は多い。
軽く淡い、白い花などのフローラルなアロマと火打石のようなミネラルを感じるアロマ。多くの場合早く消費されるべきフレッシュかつ心地よい酸を持ったアルコール度数の低いワインを生み出します。
シノニムは27。
フランス全土の栽培面積は以下の通り。
今度の試飲販売会ではジャケール単一は出ませんが、ジャケールをメインにブレンドして造られた下記のワイン2種類をお楽しみ頂けます。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Argile Blanc / Domaine des Ardoisières
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Schiste Blanc / Domaine des Ardoisières
現在取り扱いのあるジャケール単一のワインは
2012 Vin de Savoie Cuvée Marius & Simone / Domaine Giachino
続いて
Altesse
アルテス
起源は不明で諸説あり。(キプロス原産説とフランス南東部説)
収量は少ない。
蜂蜜、パイナップル、白桃、レモン、アーモンド、ヘーゼルナッツなどの豊かなアロマがあり、長期熟成に向いた力強い酸を持ったブドウ品種。単一で使用される他にシャルドネなどのブドウとブレンドされることがあります。シノニムは23。
栽培面積は365haなのであまり多くはありません。
今度の試飲販売会に出るのは2アイテム
2014 Roussette de Savoie Altesse / Domaine Giachino
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Quartz Blanc / Domaine des Ardoisières
その他に現在取り扱いのあるアルテス単一のワインは
2013 Roussette de Savoie / Domaine Louis Magnin
Chasselas
シャスラ
スイス原産のブドウ。両親は不明。
サヴォワ、アルザス、中央フランスのプイィ・シュル・ロワールで栽培が行われています。
ミントや柑橘類、サンザシ、ヘーゼルナッツ等のアロマ。若いうちから飲みやすく、低アルコールに穏やかな酸をもった軽快かつ繊細なワインを生み出します。
フランス全土の栽培面積は2011年段階で2415ha。結構多いです。
今回の試飲販売会では登場しません。
Gringet
グランジェ
サヴォワ原産の古代品種。サヴァニャンとの類似性があり、サヴァニャン・ブランのシノニム(別名)にもグランジェがありますが、DNA鑑定の結果全く違うブドウであると判明しています。
スパイシーかつフローラルなノート。軽やかでフレッシュなワインが仕上がるが主にスパークリング・ワインの生産に使用されます。
栽培面積は2011年段階で25ha。
グランジェも出ません。
Molette
モレット
サヴォワ原産。サヴォワとビュジェで使用されています。
グランジェとグエ・ブランの自然交配によって誕生したブドウ。
ハービーな要素に良質な酸がありアルコールも十分ある為スパークリング・ワインにされる事が多いです。
栽培面積はこんな感じです。
モレットも出ません。
Mondeuse Blanche
モンドゥーズ・ブランシュ
起源は不明。ただしモンドゥーズ・ルージュ、シラーの産みの親でヴィオニエとも関連があるブドウ。
一説によるとオート・サヴォワで最も古い品種と言われています。
アン、オート・サヴォワ、サヴォワにおいて現在5〜10haしか栽培が行われていない希少品種。現在では数人の生産者のみ所有。
モクレンやアカシアのようなフローラルなアロマにヘーゼルナッツ、熟したスモモを思わせるノート。素朴でパワフル、高い潜在アルコール度数、サヴォワの多品種に比べると穏やかで上質な酸を持つ事から長期熟成に向いた高品質なワインを生み出すとの事。
アロマやフレーバーはヴィオニエとの類似性もあります。
シノニムは12
栽培面積
試飲販売会では下記2アイテムにブレンドして使われています。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Argile Blanc / Domaine des Ardoisières
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Schiste Blanc / Domaine des Ardoisières
Roussanne
ルーサンヌ
マルサンヌ同様ドローム県モンテリマール地方を起源としたブドウ。
両親は不明ながらマルサンヌとは親戚。
フランス以外にもアメリカ、南アフリカ、オーストラリアで栽培されています。
サンザシ、スイカズラ、蜂蜜、白桃、ハーブ、洋梨、ローストしたナッツなどの要素を持った豊潤なアロマに胡椒のタッチ。良質な酸に力強い果実味を持った長期熟成に向いた高貴品種。
シノニムは26、サヴォワではベルジュロンと呼ばれる事が多いです。
試飲販売会では下記のアイテムにブレンドされています。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Schiste Blanc / Domaine des Ardoisières
取り扱いワインは他に
2011 Vin de Savoie Chignin-Bergeron / Domaine Louis Magnin
Malvoisie
マルヴォワジー
サヴォワでの名称はマルヴォワジーもしくはヴェルトリーナ・ロゼ。
正式名称はVeltliner Fruehrot(フランスではVelteliner Rouge Précoce)
Roter VeltlinerとSilvaner Gruenの交配品種。
イタリア原産のブドウで果皮の色はロゼ色。
しばしばコルシカ島で言われるマルヴォワジーとは別品種に当たります。
白桃、メロン、カシューヌガーのアロマ。円みを帯びたシルキーかつ仄かにオイリーな口当たりにオレンジのような酸、アフターにはグラッシーなミネラルを感じる。酸は穏やかで低アルコールのワインが生み出されるので若いうちに消費するワイン。
ライトからミディアム・ボディ。
シノニムは143。
モンドゥーズ・ブランシュより少ない栽培量。
またまたこのワインにブレンドされています。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Schiste Blanc / Domaine des Ardoisières
ようやく白ブドウが終わりましたー。
赤は2品種だけご紹介です。
Persan
ペルサン
起源は不明ですがサヴォワのサン・ジャン・ド・モリエンヌで発見された品種。両親も不明ですがサヴァニャンと親戚関係にあたることが遺伝子解析で分かっています。
栽培が困難な品種で、2013年で10haしか栽培が確認されていない希少品種。
ここ10年の間にフレトリヴのグリザール兄弟によって植樹が行われている様子。
日照量の豊富な乾燥した石灰質土壌の斜面を好みます。
桑の実やフランボワーズなど赤、紫系果実のアロマにハーブ、スミレを思わせるノート。
若いうちはタニックで堅牢。ブラック・ペッパーやグリーン・ペッパーなどのスパイシーかつハービーなフレーバーを持っています。
長期熟成向きのワインが出来、12〜15年程寝かせるとピークを迎えるそうです。
シノニムは37
昔は栽培多かったみたいですねー。
試飲販売会では単一では出ませんが下記のアイテムのブレンドに使用されています。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Améthyste Rouge / Domaine des Ardoisières
Mondeuse
モンドゥーズ
モンドゥーズ・ブランシュとトレゾ・ノワールの自然交配によって誕生したブドウ。シラーとは異父兄弟にあたります。
かつては1000haを誇る栽培面積を持つサヴォワを代表する品種でしたがフィロキセラによって減少。しかしここ30年で少しずつ増加傾向にあります。
カシス、ブラック・チェリー、無花果、胡椒、スミレにアイリスにシラーと類似するスパイスのタッチ。アルコール度数は中庸で良質な酸とタンニンを持った骨格のあるワインが出来るため、熟成ポテンシャルもあります。
シノニムは89
今回の試飲販売会では下記のアイテムがお試し頂けます。
2014 Vin de Savoie Mondeuse / Domaine Giachino
2004 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition / Domaine Prieuré Saint Christophe
2005 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition / Domaine Prieuré Saint Christophe
2006 Vin de Savoie Mondeuse Cuvée Tradition / Domaine Prieuré Saint Christophe
こちらのワインにもブレンドされています。
2015 Vin des Allobrogie Cuvée Améthyste Rouge / Domaine des Ardoisières