Wieninger(ヴィーニンガー)

オーストリアはウィーンから、ヴィーニンガーさんが来日。
短い滞在期間のなかでやりくりしてもらってスタッフセミナーを開催してもらいました。

Fritz Wieninger

ゲミシュターサッツ(混植混醸のワイン)リースリング、世界的に評価の高いピノ・ノワールを試飲。
またビオディナミについての貴重な意見もお伺いできました。

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非常に興味深かったのは、ヴィーニンガーのゲミシュターサッツは、全く期待せずして生まれたこと。
彼はアメリカや南アフリカ、イタリアなど各地にワインの旅していて、今から16年前に実家に戻ってきたときは、ホイリゲ(ワイナリー隣接のレストラン)でカジュアルに飲まれる安ワイン的なイメージのゲミシュターサッツには興味がなく、新しく混植混醸のぶどう畑を購入したときに、単一品種に植え替えようと思っていたそうです。しかし、財政的な事情と、タイミングの関係で、とりあえずそのままぶどうを栽培し、品種ごと別々に仕込んだのですが、途中で時間が足りなくなって、ゲミシュターサッツも一応醸造しました。

できあがったワインを試飲したときに、グリューナー、ヴアイサーブルグンダー、シャルドネ、その他それぞれ単一品種でなかなか良い出来で「いい畑買ったなあーと」思いながら、最後になんともなしにゲミシュターサッツを飲んだところそれが非常にすぐれていて、雷にうたれたような衝撃を受けたんだそうです。
そこで、彼は180℃考えを方向転換。
今では、ウィーンのゲミシュターサッツの協会会長で、ゲミシュターサッツに関する法規制を整え世界市場に高品質のゲミシュターサッツを広めています。

例えば、、

ー辛口であること
ー新樽の使用は禁止
ー品種は3種類以上
ーアルコール12.5%以下ののライトなもの(ライヒテト)
ーアルコールが12.5%以上の力強いもの(クレフテイト)

「ウィーンのワインといえばゲミシュターサッツ」となるようにしていくことが使命だそうです。植え替えようと思っていた16年前からは全く考えられませと本人も言っていました。現在彼の尽力によってウィーンではゲミシュターサッツは23%で、グリューナーヴェルトリーナーの生産量を超えたとのことです。
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(ヘレンベルガーホーフの山野さんが通訳してくださいました)

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(ドナウ川をはさんで土壌が異なることがよくわかりました)

また、今日は一般のお客様が数名いらっしゃってビオディナミについて質問してくださいました。

「ビオディナミって何?」

いい質問です。なかなか聞けないです。でもいまこれだけいろいろなスタイルのビオワインが流行しているなかでビオディナミを取り入れている生産者の方には聞きたい質問ですよね。

彼の説明によると。。

オーストリアのルドルユシュタイナーによる、農薬や化学肥料を使わない栽培+各種の調剤と月の満ち欠けなど自然の力を用いて植物や土壌の力を活性化させるという考えに基づいた農法です。やったからと言ってすぐ変わるわけではないですが、継続していくことでだんだんと病気になりにくエネルギーのあるぶどうになってきていると思います。

植物の育つリズムを大切にして健全な状態に保つ考え方で、どの時期になにをすればよいか、月の動きに基づいたカレンダーがあります。科学的な分析によってだけでなく環境との均衡を保つという考え方です。

ビオディナミのワインだから濁っていたり臭いということはなくて、うちでは、畑で厳しく選果して、セラーの中では温度管理と清潔さを保ってワイン醸造をしています。清澄は行ないませんが軽くフィルターはかけます。ビオディナミとは自然とともに共生する考えですが、自然のままにしてほっておけばよいというのではないです。そういうものではないと思います。

ビオワインを販売する側として、ビオディナミなのか、ビオロジーなのかという認定区分だけでなく、その栽培方法を取り入れている元の考えなどを聞いてみることは、ワインを理解するうえで大切だなーとあらためて思いました。

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ありがとうございました!

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