Moric Blaufränkisch(モリッツ・ブラウフレンキッシュ)

3月15日のMitsu-GetsuとAnywayのイベントに合わせて、オーストリアワインが入荷しています!

Moric & Weininger

Moric & Weininger

本日は、ちょっと前にオーストリア大使館商務部で行われたローラント・フェリッヒ来日セミナーを思い出しながら、オーストリアの赤ワインを飲むならまずこの人のワインから!と自信を持っておすすめする「モリッツ」の紹介をします。

モリッツは2001年に、ブルゴーニュや北ローヌの優良生産者を渡り歩いたローラント・フェリッヒが、ほかの産地のコピーではなく、オーストリアでしか造れない世界に誇れる赤ワインを造ろう!プロジェクトを立ち上げたのがはじまりです。

ファーストヴィンテージは、かなり酷評されました。まだ当時は濃いワイン全盛期。(モリッツの抽出控えめで、果実のボリュームだけでなく、酸味とミネラルのバランスを重視したワインはまだ時代がちょっと早かったんだと思います。(そういえば、ブラウフレンキッシュとかザンクトローラントにカベルネやメルローをブレンドしたワインを昔みたことあるかも)

モリッツが有名になったのは、ワイン・アドボケイトで、オーストリア赤ワイン最高点を獲得したときくらいからで、2009年のワイン&スピリッツで、並みいる白ワインの大御所ワイナリーを抑えて、オーストリアワインのワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞。現在では国際的にも評価の高いワイナリーです。

モリッツの畑は、ハンガリー国境のパノニア平原の暖かい気候の恩恵を受ける地域にあります。とくにネッケンマルクトとルツマンスブルグはハンガリー帝国が大事にしていた昔からの赤ワイン産地でした。
ちなみに、パノニア平原は昔パノニア海という海だったので、貝殻石灰を多く含む土壌です。
(内陸部なのに彼のワインに岩塩のようなごっついミネラルを感じるのはこのためなんですねー)

最近自社畑を徐々に増やしていますが、そもそも耕作放棄されそうな斜面の古木の畑から購入したぶどうでスタートさせているので、彼の畑はミッテルブルゲンランドとライタベルクに点在しています。場所はそのときもらった地図でみる限り数十キロは離れています。

古木を使って、収量制限をして(平均35hl/ha)土壌とテロワールを表現したワイン、フィネスとエレガンスのあるワインを追求しているので、小樽、新樽は使用せず、天然酵母で発酵させ、二酸化硫黄の使用量も少なめです。

ブルゴーニュのグランクリュのような果実の凝縮感、ミネラルを伴う冷涼感は、いままでブラウフレンキッシュに地元品種の野暮ったさを感じていたのでかなりびっくりしました。決して派手なアピールないのですが、ほかのワインと比較すると果実のピュアさ、透明感はずば抜けていることがわかりある意味愕然とします。ブルゴーニュワインが好きな方、サヴォワのモンドゥーズやシチリアのネレッロマスカレーゼ、ラングドックの石灰土壌のカリニャンとか、そういうのが好きな方の心もつかめると思います。

今回仕入れたワインはこちら

2013 ブラウフレンキッシュ・ブルゲンランド
モリッツのスタンダードキュヴェ。ルツマンスブルグとネッケンマルクトの若木を使用。フレッシュでひんやりとした透明感のある果実味と細かなタンニン。オーストリアを代表する赤ワインです。新しいヴィンテージです。

2009 モリッツ・レゼルヴ・ブラウフレンキッシュ
ルツマンスブルグとネッケンマルクトの25−60年の古木を使用。赤いフルーツやチャーミングさの先に深みのある香り。ブルゴーニュのピノのようなエレガンスが感じられます。

 

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モリッツ・レゼルヴ・ブラウフレンキッシュ

 

 

2011 ルツマンスブルグ・アルテレーベン
11年は温暖な年だったので果実味がわりとはっきり出ています。最初に凝縮感と力強さを感じますがミネラルと酸のバランスがよく繊細な仕上がりです。ここは昔火山があったところで、スパイスの風味、鉄分、塩っぽさなどのミネラルもあり複雑です。 余韻も長く、店で様子をみながら熟成させたいと思ったワインの一つです。

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モリッツ・レゼルヴ・ブラウフレンキッシュ

 

入荷はできませんでしたが、
セミナーで印象的だったのがこちらのワイン

ザンクト・ゲオルゲン・グリューナー・ヴェルトリーナー 2013

感応検査でこの地のグリューナーらしくないと言われて落ちたため、村名を名乗れないため急遽マジックで塗りつぶして販売しています。ザンクトグオルゲン村のグリューナーですが、最高の区画から1000本のみの限定生産なのでクランクリュに匹敵するイメージです。
全除梗、500リットルの古い樽で天然酵母で発酵させています。

試飲コメント

香りは黄色い花。くぐもった感じもある。アロマに一般的なグリューナーのようなハーブやアスパラガスのようなトーンの高さは感じられない。味わいにはぴりっとくるスパイス。力強い果実味と塩っぽさのある硬質ミネラル、果実のボリューム+冷涼な酸味とミネラルを感じる味わい。数年熟成させてみたいと思いました。

moric GV 2013

 白ワインは、2006年と2007年に実験的に白ワインを造り、2008年に商品化したとのことです。
なにかとミステリアスと言われる生産者ですが、誠実で穏やかな印象をうけました。

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