Red Car(レッドカー)入荷

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4月に行なわれたIPOBの試飲会でも気になっていたレッドカーのピノ・ノワールをやっと入荷できました。ノルスタジックなアメリカっぽいラベルも素敵でしたが、今回のラベルはワインが造られた場所や醸造についての情報が記載されていてわかりやすいです。

※IPOBとは
In Pursuit of Balance:バランスの探求の意味。カリフォルニアのピノ・ノワールとシャルドネのワインにおける優れたバランスを探求するワイン生産者が構成する非営利団体

今回入荷したワインは、Mitsu-Getsuでも同じ価格なので、実はお店で飲んだ方が消費税分むしろお得ですよ〜(ときどきそういうワインあります)

 

Estate Vineyard Pinot Noir エステートピノ・ノワール
小売価格:12000円(税抜)

説明)新しいフォートロス・シーヴューAVAに位置するレッドカーの自社畑。2005年に植樹。海抜約330メートルで、冷たい太平洋から3.7メートルの場所に位置しています。キャロル・ケンプ氏が車で走り回って探した理想的なミクロクリマと土壌を持ち、バランスよくぶどうが成熟するすばらしい畑です。栽培はオーガニックです。近隣には、Hirsch、Marassin 、Martinelli、があります。クローンはジャクソン16、777、828。生産量は510ケース。

醸造)野生酵母で発酵。ステムは10%使用。20%は新しいフレンチオークで14ヶ月の樽熟成。

試飲)口当たりは柔らかいが酸がしっかりと残っており余韻が長い。ベリーとさわやかなスパイス。エレガントなピノ。

 

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Hagan Vineyard Pinot Noir ヘイガン・ヴィンヤード・ピノ・ノワール
小売価格:12000円(税抜)

説明)ソノマコーストのオクシデンタル地区の西側の山の頂上にある冷たい太平洋に面した畑。土壌はゴールドリッジの砂質ローム。ぶどうはカレラとスクールハウスのクローンをブレンドして使用。栽培はオーガニック、ビオディナミ、パーマカルチャーの手法を取り入れています。

醸造)野生酵母で発酵。18ヶ月フレンチオークで熟成。そのうち24%は新樽です。

試飲)まだ

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だいぶ遅くなりましたが、ランチセミナーで聞いたキャロル氏のお話もまとめました。

 

【レッドカー キャロル・ケンプ氏のお話】

ハリウッドで映画を造っていたんだけど、あんまりハッピーじゃなかったんだ。もともと田舎育ちだったからいつかは田舎に戻りたいと思っていた。

最初にワインを造ったのはサンタバーバラで、今とは全然違うもっとビッグなスタイルのワインを造っていた。そのときはそのときですごく自信を持っていたんだけどね(笑)
2004年にソノマコーストのレッドカーのエステートの畑を購入して、2005年に植樹。畑で過ごす時間が増えたら、涼しい海沿いの風や霧、山に生えている木とか花とかそういうこの場所の自然から今のワインのイメージが膨らんだ。

自然界との共存も自分のテーマで、2012年からオーガニック、バイオダイナミックの手法に移行していて2015年には全部ビオに移行できる。醸造においては、なるべく自然に造りたいので、野生酵母で発酵させ、少しの二酸化硫黄以外は何も添加しない。セラーの中で出来る限りなにもしないことに挑戦したいと思っている。

標高が高いところは、タンニンが目立ちやすくなるので、気をつけている。

発酵はステンレスタンクの開放タンクで行なっている。セラーの中は重力システムがあるからぶどうの扱いは丁寧。3、4年前まではコンサルタントを雇っていた。シャルドネはディビットレイミー、に教えてもらったけれど、ピノに関しては独学です。

ワイン造りにおいては人間のエゴを退けることが大事。ワイン造りは自分にとって自分のパーソナルな旅だと思う。

 

◎ブルゴーニュとカリフォルニアについて

ブルゴーニュは大好き。特にシャンボールミュジニー。

ブルゴーニュの畑は石灰を多く含むpHの高い土壌。そこで育つブドウはpHが低くなる。
ソノマコーストは大部分が海洋性の砂質土壌でpHの低い土壌。ブルゴーニュとは逆。だからそれでバランスをとるにはどうしたらいいのかが僕にとってのチャレンジでもある。ソノマコーストの気候は涼しいというか冷蔵庫みたいにすごく寒いよ。

 

◎ラベルについて
22とトロリーはブランドイメージを表現したんだ。今はシンプルに畑を表すようなラベルにした。それぞれの畑の一が一目でわかるし、後ろにデータを表示してあるから、ワインに興味がある人にとっては魅力的に見えると思う。

 

◎IPOBについて
カリフォルニアはまだリッチなスタイルのワインが多くそれが好きな人も多い。バランスのよいワインを造るためには最初に、低い糖度でぶどうを収穫すること、第二に抽出を抑える事。

もちろん畑でいい仕事をしないとワインに反映されない。
自分はラッキーだと思う。バランスのよいぶどうを得る事ができる正しい畑でぶどうを栽培していて、あまり介入せずに自然にワインを造る環境にあるから。フレーバーは畑から、マウスフィールはセラーからうまれると思う。ワインメーカーとしては、マウスフィールは同じスタイルにして、畑ごとの個性が出るようにしたい。

 

◎クローンについて

クローンはフレーバーに影響を与える。古木になると変わってくるけれど。その土地になじむという点で、フィールドセレクションがいいと思う。クローンは混ぜたほうがいいと思っている。

 

◎ビオディナミ

バイオダイナミックは生物学的。プレパラシオンが添加とも見えるけど、土を強くする方法の一つだと思う。長期的に力を引き出してくれると考えている。ワインを造るのは科学だけどオーガニックでぶどうをつくるというのはバイオロジー、生物学だと思う。

 

◎樹齢

樹齢は大事。若木はパーソナリティーや個性、古木はキャラクター、人格を表現する。

 

◎ドライファーミング
灌漑はしないほうがいいと思うけどカリフォルニアはまだ難しい。樹齢が高くなるとできるようになると思う。カリフォルニアではまだ難しい。

 

red car map

 

◎編集後記
キャロル氏は表裏がなく、話は論理的でわかりやすかったです。誠実で情熱的。ときおり詩人のような言葉を交えるのは、やはりハリウッドで人々の心をつかむ映画をつくっていたからでしょうか〜

私の眼鏡を見て「いい眼鏡だねー」と褒めてくれたので、「いや、これは目尻の皺を隠せる便利グッズなんだよ」と言ったら、ちょっと笑って「年とるのはいいことだよ」と。

いや〜とっても素敵な人でした。
最近カリフォルニアのピノを飲んでいないのでしたら、レッドカーをぜひ一度お試しください。

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