ポマールはコート・ド・ボーヌの村名アペラシオンの1つで北をボーヌ、南をヴォルネイに挟まれたブルゴーニュを代表する銘上ワイン産地です。行政上はブルゴーニュ地域圏コート・ドール県ポマール村。ポマールは中世の頃から高い評価を得ており、“ボーヌ地方のワインの花”と賞されていました。フランスを代表する文豪ヴィクトール・ユゴーやブルボン王朝初代国王アンリ4世>や4代国王ルイ15世が愛したワインとして知られています。
気候は、夏は暑く寒い冬と乾燥した秋を持つ大陸性気候に属しています。また収穫期の天候が変わりやすくブドウの出来がヴィンテージごとに異なる特徴を持っており、他のブルゴーニュの地区と同じ生育環境です。標高250〜330mの東と南向きの斜面に畑が広がっており、豊富な日照量を得る事が出来ます。標高の低い畑は堆積土で構成されていますが、そこから高くなるにつれて、>粘土石灰質、カルシウムと石灰質の褐色土壌、一部の畑は酸化鉄による赤い土壌の上でブドウが栽培されています。
ポマールでは赤ワインのみ生産が認められており、白ワインは造られていません。赤ワインはピノ・ノワールから力強い骨格を持つタンニン分が強く収斂性のある渋みを感じる堅牢なワインが造られています。熟成によってタンニンは円みをおび、豊満かつエレガントな腰の強いワインになります。飲み頃は一般に5年〜15年ですが良年のものとプルミエ・クリュのものはそれ以上の長>期熟成も可能なワインが出来上がります。
基本収量は40hl/ha、最低アルコール度数は通常10.5%、プルミエ・クリュだと11%に定められています。総面積の3分の1がプルミエ・クリュに指定されており、その数は28。
レ・リュジアン | リュジアン・オとリュジアン・バの2区画からなるポマールを代表するプルミエ・クリュ。リュジアン・オとリュジアン・バでは斜面の角度による日照量や土壌の質が異なり、リュジアン・バの方が優れていると言われていますが、どちらにせよ上質なワインを生み出す区画で生産者達によるグラン・クリュへの昇格申請が行われている畑です。 |
レ・グラン・ゼプノー | ポマール北側に位置するプルミエ・クリュでレ・リュジアンに並ぶポマールの優れた区画。泥灰土と褐色石灰岩質の土壌を持ち、一般的に力強いと言われるポマールと異なり、エレガントさを秘めたワインが出来上がります。こちらもグラン・クリュへの昇格申請中。 |