Castilla la Mancha

カスティーリャ・ラ・マンチャ州





ワインの湖

カスティーリャ・ラ・マンチャ州はスペイン中央に位置し、トレドを州都に置く自治州です。かの有名なミゲル・デ・セルバンテスの小説「ドン・キホーテ」の舞台となった州として認知されています。ワインの産地としては大量生産が行われている州として知られており、年間生産量はスペイン最大のワイン産地。その生産量は13万キロリットルでスペイン全体の3分の1を占めます。またこれは世界的に見ても単一地区として最大の規模を誇り、ラ・マンチャ州はワインの湖と呼ばれています。


ワイン産地として

典型的な大陸性気候で冬は寒く、夏は酷暑に苦しめられる地域で、マンチャ(アラビア語の“乾いた土地”に由来)の名の通り夏は極度の乾燥に苦しめられます。灌漑をすれば乾燥対策にもなりますが、EU 諸国では灌漑が認められていないため、耐乾性の高い白ワイン品種アイレンが多く栽培されており、その栽培比率は90%にも上ります。近代技術の改善により近年のアイレンからはフレッシュな酸のある> 低アルコールで飲みワインが造られています。以前はセンシベル(この地域でのテンプラニーリョの事)も植えられていました。現在でも農業当局に拠って推奨されていますがあまり増えておらず、グル ナッシュやシラー、カベルネ・ソーヴィニヨンといった国際品種が増え新しいスタイルのワイン造りが行われています。


ラ・マンチャとバルデベーニャス

カスティーリャ・ラ・マンチャ州にはD.O.(スペインの原産地呼称)が8つ。ビノス・デ・パゴ(単一葡萄畑限定ワイン)が6つあります。最も著名なD.O.はラ・マンチャで白ワインが全体の75%を占めて います。伝統的な製造方法で造られるワインと現代的な製造方法で造られるワインの2つのスタイルがあり、全く異なった味わいのワインが出来上がります。伝統スタイルでは、濃いレモン色をした酸化>のニュアンスのあるどっしりとしたワインが出来上がるのに対して現代スタイルでは葡萄を早摘みすることにより葡萄の過熟を防ぎフレッシュでアルコール度数の低い飲みやすいワインが造られています 。

もう1つの著名なD.O.がバルデペーニャス。こちらはラ・マンチャと異なり昔から高品質なワインが造られていた事で有名です。またワインの生産比率もラ・マンチャと異なり赤ワインの生産が80%を占>めるなど赤ワインに比重が置かれています。しかしながらスタイルにおいてはラ・マンチャと同じで伝統派と現代派に分かれています。多くのボデガはフレッシュかつフルーティーで酸のしっかりした現 代的ワイン造っています。


今後の展望

専門家達の間で眠れる巨人と呼ばれているラ・マンチャはその栽培コストの安さや豊富な収穫量に目をつけた地域外生産者たちが進出、投資を行っており、昨今ダイナミックな変貌を遂げている期待の産 地です。またバルデペーニャスも早飲みスタイルのワインだけでなく長期熟成型のワインを造るボデガが出る、カベルネ・ソーヴィニヨンなど国際品種を用いるボデガが出てくるなど再注目されており、 州全体が活気づいたワイン産地です。



生産者一覧